道形もあまりはっきりしないヤブ山にはやや季節は下りすぎているかもしれないが、今日は曇天で気温はやや低めなのが救い。長野から鬼無里を経て白馬を結ぶ国道406号線は急カーブと急坂が続くが、白馬村に出る前に一瞬、小川村の一角をよぎっているという認識がなかった。ちなみにこの山の山頂は小川村・大町市の境界上にある。鬼無里を過ぎ、「小川村」の標識を見てすぐ左に入る林道へ。切通し状の峠に至れば、そこは廃村となった李平集落への入口。細道を下れば数戸の廃屋がある。


(左)李平の廃村 (右)四等三角点しかない山頂
標識の類は一切ない山なので、とりつきが分かりにくいが、最初の家屋の横から右に進み、畑地に至る直前で左の山腹を水平に進む踏み跡に入る。やがて崩壊地に行きあたるが、そのまま斜面を5mほどもよじ登れば、杉林の中によい道が続いている。この先、道は稜上にしっかり続き、迷うところはない。周囲は杉林からカラマツや新緑が美しい雑木となっていく。小さなピークを3つ4つ越えていくが、上り下りはけっこう厳しい。
最後は山腹をトラバースするようになるが、そのあたりの道形が崩れていてわかりにくい。しかし、水平に斜面をたどっていけば主稜線の鞍部に到達する。ここから右へ、やや笹薮がうるさい稜上の急登をこなせば四等三角点だけが静かにたたずむ山頂に到着。細長く狭い山頂は木々に囲まれて展望ははかばかしくない。木の間越しに残雪の北アルプスがかすかに見える程度の新緑に囲まれた山頂。下山は往路を戻る。