(左)杉並木入口。(右)奥社につづく杉並木。
長年の懸案だったけれどなかなか足を運ぶ機会に恵まれなかった小菅山。修験者の山という印象があって、何となく暗い雰囲気を感じていたのだけれど、登ってみてブナの美林が広がる気持ちの良い山だとわかった。小菅神社講堂前の「無料P」と掲示された駐車スペースに車をとめる。つま先上がりの参道を進めば、鳥居があって、その先に神域の気配を感じさせる、小菅神社奥社に続く杉並木と石段道が続く。この杉並木も30分ほど登ると終わり、あとは山道になる。ひとしきり汗を流すと傾斜は緩み、「○○岩」などと名前のついた大きな岩などが続く。信仰の山であることを感じさせる。道が左右に分岐する箇所(右・岩場、左・初心者と掲示)では迷わず左を選ぶ。篭り堂の前を過ぎ一段登れば、予想より大きく立派な小菅神社奥社の建物があらわれる。室町時代の建築様式とのことで、国指定の重要文化財になっている。
(左)小菅神社奥社。(右)小菅山三角点。
篭り堂の先までもどって、「北竜湖」を示す丸い標識の箇所から右へ分岐して登る。少しずつブナの木が増えてきて、気分も明るくなる。小さな用水路のような溝に沿って、いったん道は平坦になるが再び登りになり、「森香」という標識がつけられたブナの大木の横を登れば、山頂台地の一端に出る。一帯には美しいブナ林が広がっている。新緑や紅葉の季節にはさぞ美しいだろう。山頂台地がそろそろ終わりになろうかという地点に「小菅神社奥社まで1km」という標柱があり、その脇から三角点までかすかな踏み跡があり、赤テープが過不足なくつけられている。その踏み跡をたどれば、ブナ林の中に静かにたたずむ三角点に出会うことができた。
(左)山頂部にはブナの林が広がる。(右)下山した北竜湖から見た小菅山。
先ほどの地点まで戻り、あとは北竜湖に向かってくだる。途中、左に見晴台があり立ち寄ってみるが空は霞んでいて思ったほどの展望はない。ブナの森林にはやがて雑木が混ざり、その雑木にも杉林が混ざるようになる。階段状の急なくだりが何箇所も続く。その先、林道にいったん出てくだりは終わる。再び林の中を進めば北竜湖畔に出る。湖面の向こうにいま歩いてきた稜線が見える。北竜湖から舗装道を歩いて小菅集落に戻った。
ラベル:小菅山