県道沿い駐車場550-704滑滝鎖場-744一不動-841五地蔵岳-933九勢至-1035高妻山山頂1145-1227九勢至-1314六弥勒1319-1500弥勒新道登山口(牧場に出る)-1530駐車場
「二度と登りたくない百名山」に名前を見たこともある高妻山。宿泊小屋がないので日帰りしなければならないが、往復9時間ほどもかかる。その上、山の形からわかる通り最後に急登が待っている。梅雨の合間の晴天に登った。午前6時前、戸隠キャンプ場前の県道沿い登山者駐車場にはすでに多くの車がとめられていた。キャンプ場の右を迂回する道から戸隠牧場の中を通り、牧柵のある登山口へ。登りは帯岩・一不動経由のルートをとる。
(左)滑滝の鎖場。(右)帯岩をトラバースする。
沢沿いの道にはヤマオダマキが咲き、樹林の中、徐々に勾配を増して気が付けば石がゴロゴロした急登となっている。一枚岩の滑滝は右側につけられた鎖も頼りにしながら登る。その先は帯岩のトラバース。足元にステップが切ってあり鎖もあるので何の問題もない。さらに急登すれば一不動避難小屋の前に飛び出す。
(左)一不動避難小屋。(右)二釈迦と三文殊の間で、左手に高妻山の展望。
イワカガミ咲く樹林帯を登った二釈迦の祠では、右手に黒姫・飯縄方面の視界が開ける。その先では、左手に高妻山のピラミダルな姿を望むことができた。三文殊・四普賢・五地蔵へと、ピークを越えながら高度を上げていく。道は樹林帯に入ったり出たり。五地蔵の祠の先を右に入れば五地蔵岳の山頂。右手に黒姫・妙高方面の展望が得られる。六弥勒で弥勒新道を右からあわせ、道はやや左に曲がる。
(左)五地蔵岳から黒姫・妙高方面の展望。(右)九勢至の祠から見た高妻山。急登がはじまる。
数字の順に祠が置かれていることは知っていたが、〇合目のようなものだと思っていた。しかし、それぞれはピークとなっていることが歩きながらわかった。この各ピークのアップダウンが結構きいてくる。七観音を過ぎて大きく下り、八薬師へと登るにつれて前方に高妻山の姿が大きくなっている。左手は裏側からの戸隠連峰の展望。足元にはツマトリソウやアカモノ、その他さまざまな花が彩っている。八丁ダルミと呼ばれる鞍部を経て、九勢至の小ピークを越えれば高妻山本体への急登がはじまる。ここからが今日の登山の本番といったところ。
勾配はどんどん急になり、手足を使ってよじ登るような傾斜が続く。山の形からして最後が急登になることはわかりきっているが、やはり苦しいところ。標高差300m弱を頑張れば稜線に登りつき、あとは右に稜線上の道をたどり、十阿弥陀を経て、三角点がある高妻山山頂へ。山頂は岩が重なり手狭だが、展望は360度。まず目を奪うのは後立山連峰の姿。槍・穂高は雲の中だが、鹿島槍・五竜から白馬あたりがきれいに見えた。東側は妙高・火打・焼山・金山と頸城の山々が連なる。
(左)高妻山山頂。背後に後立山連峰の展望が広がる。(右)十阿弥陀からの火打・焼山方面の展望。左奥が高妻山山頂。
さすがに百名山なので登山者が多い。ざっと数えたところ、山頂付近で休む登山者は50人を超えている。下山は途中の六弥勒から、弥勒新道を下った。やわらかい土の道で岩場などもなく、急な下りではあるものの意外と歩きやすい。登りではどうかはわからないが。前半は展望の利く尾根上の急降下。その後はブナやミズナラなどの林相が美しい樹林帯の尾根を、牧場まで下った。
(左)弥勒新道の中間部ではブナの美林も広がる。