八ヶ岳のおもなピークのうち、登り残している権現岳への日帰りプラン。観音平の駐車場到着は朝6時過ぎ。まだ若干の空きはあった。
編笠山への道は低い笹の樹林帯を登る。ベンチのある雲海では右手の展望が開ける。緩やかな唐松林の道は、勾配を増して針葉樹林帯に入る。大岩があらわれ足元も岩がゴロゴロ。針葉樹林の中の押手川からは青年小屋への巻道を進む。穏やかな巻道と思ったのは最初だけで、断続的に岩の急登となる。木の間越しに富士山が眺められる。やや下った後は、左に折れて溝状の登りで青年小屋へ。
(左)編笠山を望む青年小屋。(右)のろし場から望むギボシと権現岳山頂。
権現岳への登りはまずは樹林の中を進み、岩場の急登でのろし場へ。前方に権現岳・ギボシの姿、左手に阿弥陀岳を望む。西ギボシへの岩場の登りは急勾配。さらに右へ鎖場でトラバース。その先の斜面は一面の花畑。東ギボシは鎖場で右を大きく巻いていく。ヤセ尾根を渡るようにして権現小屋の前に出て、わずかに登れば権現岳の下に出る。狭い岩の上が山頂で長居はできない。少し南に降りた広い場所で休憩する。
(左)ギボシへの岩場の登り。(右)権現岳の山頂は狭い岩場。剣が差してある。
山頂右手に赤岳が見える。いままで歩いてきた尾根とこれから下る三ツ頭方面。その向こうに甲斐駒など南アルプスとその左に富士山が浮かぶ。さらに左には奥秩父の山並み。岩場の急降下からわずかに登り返して三ツ頭。ここも展望がよい。振り返ると赤岳・権現・ギボシなどのピークが並ぶ。
(左)権現岳山頂南側から眼下に三ツ頭。遠く富士山、南アルプスが霞む。(右)三ツ頭で振り返ると右に赤岳、左に権現岳。
三ツ頭からの下山路は最初、急なくだりだが、その後は概ね歩きやすい道が続く。途中、カンバ類の枯れ木が目立つ尾根上からは展望が開け、その先に木戸口公園の標識。薄暗い樹林帯から、足元に笹の茂る唐松の林、広葉樹林の中をおだやかに下る。右に「飲用不可」と標識がある延命水を見送れば、10分余りで八ヶ岳横断歩道に降り立つ。ここからは山麓を巻く道をたどって観音平へ戻る。水平路だと思っていたが最後に登りがあったのには参った。
天候に恵まれて、山頂部からの展望はまずまず。数多くの花を見こともできた。ギボシの岩場も鎖が設けられ緊張を強いるほどではなかった。日帰りとしては充実した山行となった。キレット経由赤岳への稜線は次回の宿題に。

(左)下山途中の木戸口公園。周囲は苑地風な雰囲気も。