岩殿寺900-940林道終点-1000九頭龍社-1030岩殿山奥の院(三社権現)1042-1107別所分岐-1140岩殿山(三角点)1220-1247分岐-1300遥拝所1305-1330菖蒲沢分岐-1358別所登山口-1423岩殿寺
「信州ふるさと120山」にも名を連ねる筑北の信仰の山。ガイドブックの記載からは修行の山として岩場が多いとの印象を持っていた。しかし、道はしっかりして岩場で進退に窮することはなかった。北アルプスの展望もところどころ。全体的に赤松林の山ではあるけれど、葉を落とした明るい雑木林の尾根道も楽しむことができた。
(左)最初は沢沿いの道。(右)大岩の九頭龍社。ここから沢を離れジグザグの急登。
岩殿寺の広い駐車場に車をとめ、すぐ先の橋を右に渡って林道を進む。寺沢ダム湖を過ぎ、堰堤の前で林道終点。少し手前に5台ほどの駐車スペースがある。堰堤を右から越え、アルミの梯子を登り、その先は左下に沢を見て斜上トラバース気味に登る。落葉が厚く積もり、道形もところどころ崩れがち。アルミの橋で沢の左に渡りひと登りで大岩の九頭龍社へ。
(左)本堂跡。奥の院へは前方の岩の間を進む。(右)岩殿山奥の院(三社権現)。大きな岩に抱かれるように社がある。
道は沢を離れ右手をジグザグに登る。尾根上に出て明るくなってくる。大岩の雷神社や岩造五重塔など、説明板もある。左にトラバース気味に進んで稜線に出たところが昔、本堂があったと案内板がある小広場。稜線の北側に回り込む道を進むとすぐに大岩に抱かれるように奥の院(三社権現)の社がある。本堂跡まで戻り稜線を南下する。天狗岩にはステップが切られ、鎖を頼りに登る。
(左)天狗岩のクサリの登り。(右)天狗岩の上からの北アルプスの展望。
天狗岩の上からは北アルプスの展望が素晴らしい。その先は岩の間のテープマークを頼りに下る。鞍部から少し登り返すと別所からの登山道が合流。急登の後、傾斜が緩むと細い岩稜を渡る箇所があり、左手・四阿屋山方面の展望が開ける。緩急の登りが続くが、何箇所か大岩を巻く場所はテープマークなどを頼りに慎重にルートを見定める必要がある。
(左)山頂へやせた岩稜を通過する。(右)岩殿山山頂(三角点)。展望はあまり得られない。
たどり着いた岩殿山山頂は樹林に囲まれて展望はすぐれない。木の間越しに北アルプスや奥の院方面の山並み。下山は分岐まで戻って別所への道をとる。赤松林の後、気持ちのよい雑木の尾根を下れば遥拝所。奥の院方面が切開かれている。沢の源頭を横切り、緩い登りで872ピークを右から巻くと荻道祖神の石碑。道がやや広くなって左に廃屋を見る。
(左)遥拝所からは正面に奥の院方面が見える。
その先でも左下の谷に廃屋が見える。地図上、「日影」と記されている集落だろう。いつ頃のものかわからないが、こんな山間での暮らしは想像するのが難しい。ジグザグに下って火の見櫓がある別所登山口に降り立つ。あとは車道を歩いて岩殿寺まで戻った。展望の開ける岩場もあり、里山の楽しさも感じさせる山。途中出会った登山者は1名だけだった。