安平路山も何となく後回しにしてきた山。林道を車で走れるか分からず、長い行程は覚悟が必要だった。予想より短時間で歩けたが、笹が深い箇所もあり展望の優れる場所も限られていた。白ビソ山前後は少々長く退屈な樹林帯の道程。結局、シャクナゲ咲き展望もある摺古木山周辺が楽しかった印象。なお、笹が覆うものの踏み跡ははっきりし、赤テープも適度にあるので道に迷う心配は少ない。

(左)摺古木休憩舎のある登山口。手前に5台ほどの駐車スペースがある。
飯田市街から急カーブが続く県道8号で大平宿へ。右折して東沢林道に入る。まもなく舗装は終わり、その先のゲートは手で開けることができる。事前の飯田市役所への問合せでは、「ゲートから先は自己責任で」とのこと。整備の後なのか林道は思ったほど荒れておらず、問題なく林道終点の摺古木休憩舎前まで車を入れた。ただ、いつも今日のような状態とは限らないと思う。
休憩舎前には5台ほどの駐車スペース。今日は最終的に車4台、出会った登山者は6人。休憩舎脇から笹と唐松の道を進めば、すぐに急登となり右左と折り返してほぼ水平なトラバース道となる。2018ピークと風穴山の西側を、いくつも沢を横切りながら巻いていく。笹がやや深くなって、摺古木山直登と周回路の分岐標識に到着。右へ直登すれば大岩から上部で背後に恵那山方面の展望が開ける。
(左)摺古木山直登の道から振り返ると恵那山の展望。(右)摺古木山山頂。背後に乗鞍。場所を変えれば御嶽や中央アルプスも展望できる。
階段状の急登の後、右から合流する尾根に乗れば周囲にシャクナゲの花が咲いている。緩やかな道で摺古木山の山頂へ。三角点があり、背後には御嶽・乗鞍・中央アルプスの山並が望める。安平路山に向けて大きく下り、3~4つ小ピークを越えて最低鞍部へ。2200m圏ピークに向けては笹の深い登り。その先は2250m圏ピークへの登りを挟んで笹原と針葉樹林帯の緩やかな道が続く。白ビソ山の山頂も樹林の中。
(左)樹林の中の白ビソ山山頂。(左)安平路避難小屋と背後には安平路山。左端には中央アルプスの主稜線を望む。
苔むす針葉樹林の道を緩やかに下り笹原に出れば、赤い屋根の安平路避難小屋。背後に安平路山、左手には中央アルプス主稜線を望む。安平路山へは最初、緩やかな笹の深い道。バイカオウレンの白い花の群生地を過ぎ、沢の中を進んだ後、左手のやせ尾根に乗り急登が続く。傾斜が緩み深い笹の中を進み安平路山の山頂へ。笹が茂り樹林の中で展望なし。奥念丈岳への踏み跡は微か。気温が高く虫が多いので、避難小屋まで戻って休憩とした。
(右)バイカオウレンの白い花が咲き、この先、急登となる。(右)安平路山山頂。笹と樹林に囲まれている。
摺古木山まで戻り、せっかくなので自然園を周回する。西の小ピークを緩やかに越え小さな草地に出た先には「摺古木自然園」の標柱が立つ小広場。中央アルプス主稜線の展望が北に広がり、シャクナゲが咲く。さらに南側に下る道沿いにもシャクナゲの花。木枝を払いながら進む箇所が多く、自然園と称するならもう少し手入れがほしいところ。沢の中を下った後はトラバース道になり、そのまま休憩舎まで下った。
(左)摺古木自然園の小広場周辺にはシャクナゲが咲いていた。(右)摺古木自然園の小広場から中央アルプス主稜線を遠望する。