2017年07月18日
空木岳~南駒ケ岳[池山尾根から](駒ヶ根市/飯島町/大桑村)
南駒ケ岳山頂から見た空木岳方面。
第1日[7月18日]林道終点手前(三本木地蔵下)登山口600-620林道終点登山口-733池山小屋下水場-817マセナギ822-906大地獄上-1014「2415西側鞍部」-1045駒石・避難小屋分岐-1113駒石(休)1147-1230空木岳1314-1428木曽殿山荘・泊
第2日[7月19日]木曽殿山荘533-659空木岳710-812赤梛岳815-850南駒ケ岳920-1000赤梛岳-1118空木岳(休)1202-1252駒石・避難小屋分岐-1318「2415西側鞍部」1325-1424大地獄上-1506マセナギ-1535池山小屋下水場1540-1630林道終点登山口-1645林道終点手前(三本木地蔵下)登山口
梅雨が明けるかもしれないと考えて中央アルプス・空木岳を目指す。池山尾根から空木岳に登り南駒ケ岳にも足をのばす計画。行程の都合上、空木岳山頂を3回踏むことになり、効率的とはいえないプランではある。歩行時間が長く疲れ果てたが、2日目は天候にも恵まれ気持ちよく中央アルプスの主稜線を歩き、憧れの南駒ケ岳にも登ることができた。
(左)池山避難小屋下にある水場。(右)ダケカンバの美林が広がる。
駒ヶ根ICから西麓の林道終点手前(現在は林道終点まで入れない)駐車場まで車を入れる。駐車車両は7台でまだ余地はあった。少し戻って三本木地蔵を経由する登山道に入る。樹林帯の階段状の登りを経て、本来の林道終点登山口へ。ここからは山腹を大きくトラバースを繰り返して登っていく。道は緩やかで歩きやすいが時間はかかる。
池山山頂と野生動物観察棟へ道を分ける鷹打場からは、池山南側山腹を巻く唐松林の中の道。緩く登った池山避難小屋との分岐には水量の多い水場がある。道は二分するが左の遊歩道を進めば、大きく刻んで登る両側はダケカンバの美林。針葉樹が多くなる平坦地を過ぎ、道が合流する尻無からひと登りで笹原のマセナギ。2080は左下を巻き、急登を進めば大地獄・小地獄の注意を促す案内板がある。
(左)大地獄の長い岩場の登り。(右)巨大な駒石。周辺はハイマツと花崗岩の大岩で庭園風の景色。左前方の山頂部は霧の中。
大地獄に入るとロープや鎖のある岩場からキレットに渡された橋を渡り小ピークへ。少し先の小地獄は長い鎖がある岩場が2箇所。2282の左を巻き、その先も木段や木橋のある尾根左下の登り。いったん尾根上に出るとイワカガミ咲く平坦路となり、2416西の鞍部から尾根の右下(北側)の針葉樹林帯を登る。大きな段差には階段がある。駒石と避難小屋の分岐にようやくたどり着き、右手の駒石方面に進む。
ひと登りでハイマツ帯に出て周囲の見晴しが開ける。やがて花崗岩の大岩が点在する庭園風の風景が展開する。ホシガラスが多い。山頂部は雲に隠れていて、すれ違う人が「山頂は強風」というので巨大な駒石の陰で昼食休憩。キバナシャクナゲ咲く道を登り、駒峰ヒュッテを通過して小広い空木岳山頂へ。素晴らしい展望を雲が隠し、いまは伊那谷方向がときどき見えるくらい。
(左)一瞬の晴れ間に、空木岳山頂から駒峰ヒュッテと伊那谷を見おろす。(右)足元の悪い道を下り、鞍部に見える木曽殿山荘へ。
数人が去来する山頂で待ってもしっかり雲は晴れないので、宿泊予約をした木曽殿山荘へと下る。ロープを頼りに岩場を下り、すり抜けるような道が第一ピークまで続く。その先、山荘の建物を見おろしながらの下りでは、左手斜面にシナノキンバイ・ハクサンイチゲなどの花畑が広がる。予想以上に時間がかかり木曽殿山荘に到着。宿泊者は12人と少なめで、余裕をもって休むことができた。山荘からは正面に南駒ケ岳の姿が美しく見えた。
(左)木曽殿山荘上部から見た南駒ケ岳。(右)空木岳へ登り返し。岩の間を攀じるように。
2日目は空木岳登り返しから。今日は快晴で木曽駒方面の稜線も見渡せる。岩をよじ登りながら、意外に楽しく空木岳に再登頂。ここから南駒ケ岳へピストン。「空身なら往復2.5時間」とも聞いたが、荷をそのまま担いだので意外と時間がかかった。砂礫地と岩の間を縫うように進み、左手に雪渓を見て白砂の最低鞍部へ。稜線の道沿いにはシナノキンバイ・キバナシャクナゲなど多くの花が咲いている。空木・南駒間は登山者数がずっと減り、すれ違ったのは5人ほど。
(左)空木岳山頂から見た木曽駒方面(右手前方)。(右)空木岳山頂。右手前方に南駒ケ岳をのぞむ。
赤梛岳を越えて南駒本体への登りとなる。急登の後、砂礫と岩の足元の悪い登りに手足を使って進み南駒ケ岳山頂へ。小さな祠が鎮座し、大きな展望が開ける。南側には越百山や奥念丈岳、意外と立派なのが安平路山。その向こうの恵那山は雲に霞んでいる。振り返ると空木岳から東川岳への稜線が続くが、木曽駒方面は雲に隠れてしまった。そうしているうちに伊那谷側から雲が湧き上がってきた。
(左)南駒ケ岳から見た越百山・安平路山方面。
南駒ケ岳山頂で展望を楽しんでから、空木岳経由で池山尾根を下山した。池山尾根は下りの方がその長さを一層実感することになった。最後はかなりペースも落ちて疲れ切って登山口まで下りついたが、充実した山行となった。
[参考] 木曽殿山荘 1泊2食 9,000円