2018年08月26日
北八ヶ岳[三ツ岳~雨池山](茅野市/佐久穂町)
三ツ岳Ⅲ峰。後方は北横岳と蓼科山。
北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅800=807山頂駅816-849北横岳ヒュッテ下分岐-923三ツ岳Ⅲ峰934-945三ツ岳Ⅱ峰951-1004三ツ岳Ⅰ峰-1034雨池山-1052雨池峠1124-1139山頂駅1150=1157山麓駅
今日は時間の制約がある。短時間で歩けそうで、登ったことのない、北八ヶ岳の三ツ岳に向かう。3週間前に訪れた大岳の南側。今回も北八ヶ岳ロープウェイの始発に乗車する。乗車率は半分程度。坪庭から北横岳への登山道をたどるのは前回と同じ。北横岳ヒュッテの少し下に三ツ岩分岐の道標があり、そこを右折。「岩場で危険です。軽装での方は入らないでください」と注意書きがある。
(左)三ツ岳への分岐。(右)前方に三ツ岳Ⅲ峰があらわれる。
石楠花など低木の中に火山性の岩が累々とした歩きにくい道。岩の間に何か落とすと探すのは不可能。2つ並んだ大きな岩頭(西峰)の左下を巻くように進むと、前方に三ツ岳の岩峰が見えてくる。威圧感がある。大岩を攀じ登り、鎖場で岩場をトラバースすれば岩が重なる三ツ岳Ⅲ峰に立つ。三つのピークで最も高く、岩峰だから展望は360度。北から西に大岳・蓼科山・北横岳、南側には縞枯山の向こうに八ヶ岳連峰と南ア。
(左)三ツ岳Ⅲ峰への登り。(右)三ツ岳Ⅲ峰から縞枯山の向こうに八ヶ岳・南ア。
風が強く、体感温度は涼しい。大きな岩の段差に鎖もある岩場を歩き、Ⅱ峰まではすぐ。振り返るとⅢ峰を見上げる。いったん樹林帯に下り、やや登り返してⅠ峰。南東方向の展望が開け、眼下の樹林帯に雨池がぽっかりと浮かんでいる。ここからは針葉樹林帯の中、岩の段差も大きな急下降。道標のある鞍部からは緩やかな歩きやすい道を登り返して雨池山へ。
(左)Ⅱ峰からⅢ峰を振り返る。(右)Ⅰ峰からⅡ峰・Ⅲ峰方面を振り返る。
雨池山頂は樹林の中で展望はない。しかし少し南に進んだ雨池山展望台からは南方向の展望が開け、縞枯山との間の八丁平を見おろせる。ここからは再び岩で足元が悪い急な下りが続く。雨池峠に降り立って、ほっとする。三ツ岳付近からここまですれ違った登山者は5名ほど。雨池峠で休んでいると、多くの登山者が雨池や縞枯山方面に去っていく。三ツ岳方面に進む人はごくわずか。
今日はそのまま八丁平の穏やかな道をたどり、ロープウェイ山頂駅に戻った。北八ツらしい樹林帯から岩が聳えているような風景は、他の山域ではあまり見られない。新鮮でもあった。歩きにくいことは間違いないけれど。
(左)Ⅰ峰から雨池方面を見おろす。
[参考]北八ヶ岳ロープウェイ 往復 1,900円
2018年08月20日
烏帽子岳[ブナ立尾根往復](大町市/富山県富山市)
前烏帽子岳から見た烏帽子岳と立山・南沢岳・針ノ木岳。
第1日[8月19日]七倉山荘540=(タクシー)555高瀬ダム600-622ブナ立尾根登山口-715ごんだ落とし(3/12)-810中休み(6/12)820-906三角点(8/12)933-1045烏帽子小屋1128-1225烏帽子岳1315-1346前烏帽子岳1435-1451烏帽子小屋
第2日[8月20日]烏帽子小屋603-700三角点(8/12)-729中休み(6/12)737-812ごんだ落とし(3/12)817-852ブナ立尾根登山口-915高瀬ダム-1023七倉山荘
以前、野口五郎岳方面から縦走してきたときは、烏帽子岳を意識することもなく烏帽子小屋からブナ立尾根を下ってしまった。そこでブナ立尾根を登って烏帽子岳を目指すことにする。ブナ立尾根を登ったらいずれかの方向に縦走したいところだけれど、今回はあいにくと日程の余裕がない。
(左)高瀬ダムから歩きはじめる。前方のトンネルへ。(右)ブナ立尾根登山口。
朝5時半に七倉山荘前の駐車場(無料、約100台)に到着。駐車場にはかなり空きがあった。高瀬ダムまでの特定タクシーはちょうど第1陣が出発した後で、その戻りを待って他の登山者2人と相乗りする。高瀬ダムの上でタクシーを降りて、トンネルを歩き、不動沢の吊橋を渡る。マークに従って濁沢の白砂の河原を歩き、丸木橋を渡って案内板のある登山口へ。
(左)いきなり金属階段の急登。(右)中休み。6/12中間地点。
すぐに金属製階段の急登が始まる。その先も右へトラバース気味にジグザグに高度を上げる。標高差1,200mに約100mごとに目印がある。登山口が12、烏帽子小屋が0。目安になる。猛暑最盛期よりやや涼しいのも救い。折り返しながら登れば、大岩の下の9/12ごんだ落とし。小丸太階段や土留めが整備された樹林帯の急登。6/12中休みは小広場。ダケカンバの中、木の根や岩の段差が多くなる。左に唐沢岳方面が開ける箇所も。
(左)南沢岳・不動岳方面の展望が開ける。(右)1/12から三ツ岳方面を望む。
三角点がある4/12を過ぎると道は緩む。タヌキ岩を過ぎ、右手に崩壊地が見える。3/12の前後はヤセ尾根状の平坦路から、左右に展望が開ける。右手には南沢岳・不動岳。アキノキリンソウが咲く。その先はダケカンバの中、花崗岩の多い急登が続く。1/12に至れば、三ツ岳方面の裏銀座縦走路や大天井岳方面が見える。リンドウの花も咲く中を登り、針ノ木岳方面も見える開けた小ピークから樹林帯をやや下って烏帽子小屋に到着。
(左)烏帽子小屋。(右)烏帽子小屋前から赤牛岳・薬師岳を望む。
小屋の前にはイワギキョウが咲き、赤牛岳から薬師岳の展望が目の前に広がる。急登といわれるブナ立尾根だが、予定よりずいぶん早く小屋に着いた。宿泊の手続きを済ませ、烏帽子岳へ向かう。樹林帯を進むと、花崗岩と砂礫とハイマツの景色が開ける。緩やかに登って前烏帽子岳。ここから烏帽子岳を望む展望は素晴らしい。いったん下り、船窪方面への道から左折して、砂礫の道からハイマツの中を急登。
(左)烏帽子岳山頂。(右)唐沢岳・餓鬼岳と高瀬ダム。
あんな岩峰のどこから登れるのか、と思うけれど右側から巻くように、最後は鎖場があらわれ岩場をトラバースして登る。岩が重なる山頂からは場所を移動しながら360度の展望が開ける。山頂の向こう側に立山・剣岳。それから左に薬師・赤牛・水晶。三ツ岳からの裏銀座縦走路の左には大天井・燕・餓鬼・唐沢。さらに船窪へ続く稜線の向こうに蓮華・鹿島槍・針ノ木。
(左)前烏帽子岳から眼下に烏帽子小屋。前方に三ツ岳から裏銀座縦走路。左に燕岳。
烏帽子岳の山頂、そして前烏帽子岳でもゆっくりと展望を楽しんで小屋に戻った。烏帽子小屋はさほど混雑していなかった。翌朝はブナ立尾根を下り、時間の余裕もあったので七倉まで歩き通した。ブナ立尾根の急登に恐れをなして余裕を持ったプランとしたが、かえって時間を持て余した。日帰りもできたか?
[参考]タクシー(七倉~高瀬ダム:片道) 2,100円(3人乗車割勘で700円ずつ)
烏帽子小屋 1泊2食 9,500円
大町温泉郷 薬師の湯(大町市)
2018年08月05日
北八ヶ岳[北横岳~大岳](茅野市/佐久穂町)
北横岳南峰から見た縞枯山と八ヶ岳連峰
北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅800=807山頂駅813-853北横岳ヒュッテ-903北横岳南峰-906北横岳北峰913-1010大岳1028-1128北横岳北峰1202-1217北横岳ヒュッテ-1242坪庭周回路-1256縞枯山荘-1306山頂駅1310=1317山麓駅
猛暑が続いている。山の上は涼しいけれど、そこへ登る間に汗を絞らされる。であれば、ロープウェイで標高を稼ごうと不埒な考えを起こした。目指すのは北八ヶ岳の大岳。ずっと前に双子池ヒュッテで水をもらったとき「大岳からの水だからおいしいよ」といわれ、以来、大岳の名は頭の片隅にあった。
(左)坪庭から見た北横岳。(右)北横岳北峰。背後に蓼科山。
北八ヶ岳ロープウェイの8時始発に乗る。さほどの混雑ではない。山頂駅から整備された坪庭周回路を歩き、道標で北横岳への道に左折する。溶岩とハイマツの台地から、北横岳の山容が見える。樹林帯の中、ジグザグの登り。左に曲がるとやや傾斜が緩み、緩急の登りで北横岳ヒュッテの前に出る。その先、最後は階段状となり北横岳南峰へ。三角点が置かれ、四周の展望が開ける。前方に蓼科山、振り向けば縞枯山と八ヶ岳連峰。
緩やかな道をたどって北峰へ。こちらの方が標高は高く、蓼科山がより大きい。21年ぶりの再訪。この時間、人影は少ない。今日はここからが本番。大岳に向かって急下降していく。途中、鎖場の下りもある。下りが一段落すると、針葉樹の緩やかな道。振り返ると北横岳がそそり立っているのが樹間から見える。
(左)大岩が重なる道から前方に大岳山頂。(左)大岳山頂。左遠方に八ヶ岳連峰。
手足を使う段差を登り、その先は大岩が累々と重なる道になる。歩きにくく消耗させられる。右手前方に大岳の岩峰が見える。歩くと汗が滴るが、立ち止まると風は涼しい。双子池への道を見送り、右折して10分ほどで大岳山頂。岩が重なる山頂だから展望は360度。展望の主役は、やはり蓼科山と八ヶ岳。このマイナーなピークに、私の後から断続的に5人ほどが登ってきた。
(左)大岳から見た北横岳と蓼科山。
下山は往路をそのまま戻った。下山といっても北横岳への登り返しが結構大変。北横岳の山頂は、この時間、50人を超える人たちで賑わっていた。坪庭周回路を回り、縞枯山荘まで足をのばす。縞枯山にも登ろうかと迷ったが、樹林帯の急坂が頭に浮かび、ロープウェイ駅に戻った。結局、高い標高から歩き始めても汗を絞らされることに変わりはなかった。
[参考]北八ヶ岳ロープウェイ 往復 1,900円