2018年10月28日

鳥甲山 [むじな平から屋敷登山口へ](栄村)

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左右が切れ落ちたカミソリの刃付近から見た鳥甲山

ムジナ平登山口625-726小水の頭-831「1705ピーク」-913白嵓の頭-1045鳥甲山1135-1214赤嵓の頭-1310赤嵓の肩-1342屋敷下降点1350-1510屋敷登山口-(車道)-1638ムジナ平登山口

秋山郷の鳥甲山。剃刀の刃の上を歩くような難所もあり、行程も長いので後回しになっていた。秋山郷は長野市から近そうでなかなか遠い。早朝の奥志賀高原を経由して雑魚川林道に車を走らせ、ムジナ平登山口へ。ちょうど、女性の2人組が出発するところ。日曜日なのに今日出会った登山者はその他に1人だけ。

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(左)ムジナ平登山口。(右)視界が開け前方に小水の頭。

最初から急登が続く。紅葉の樹林帯の中、濡れた落葉が滑る。左手からの尾根に乗り右へ。さらにブナ林を急登し尾根に乗り右折すれば、少し視界は開け、左手に志賀高原方面を見渡す。小水の頭1437mに登り着けば、山頂へと続く尾根が見渡せる。右に苗場山、左に岩菅山方面の山並を見渡す。すぐ最初の難所があらわれる。鎖のついた切り立った垂直の白い岩壁を登る。

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(左)小水の頭の先の鎖場。垂直の岩壁を登る。(右)東には苗場山や秋山郷を望む。

その先は展望の良い細い痩せ尾根が続き、小ピークをいくつか越えて登る。次のピークが白嵓の頭かと思わせて、なかなか遠い。手足を使って岩を攀じるところも。左右を背の高い笹が覆い、針葉樹林や立枯れの木が目立つようになると、左折して道は緩み白嵓の頭1944m。手製のプレートでそれとわかるが、樹林の中で通り過ぎそうな場所。右折してぬかるみの針葉樹林帯を下る。

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(左)白嵓の頭手前から針葉樹や笹が増える。(右)左右が切れ落ち、鎖が張られたカミソリの刃。

次の難所、カミソリの刃と呼ばれる両側が切れ落ちた細い場所があらわれる。鎖が張られているがあまり頼りにならない。その先、岩峰の右下を巻くあたりも、崩れがちな細道。急下降・急登の後、短いが左右切れ落ちたナイフリッジを渡る。いったん緩んだ後は、いよいよ山頂に向けて両側が笹の登り。右手に赤嵓の頭方向の稜線が望める。

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(左)ナイフリッジを通過(上側からの写真)。(右)鳥甲山本体への登り。

屋敷方面からの道を合わせ左折、わずかな登りで鳥甲山山頂。笹の中の小広い山頂には、山名標と三角点がある。日曜日なのに誰もいない。西の志賀高原方面の眺望は開けているが、他は針葉樹が点在し展望は得られない。東から雲が湧き上がって、苗場山方面の視界を隠してしまった。途中で追い抜いた女性2人組が到着したのを機に下山にかかる。

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(左)鳥甲山山頂。笹の中の小広場。(右)鳥甲山から志賀高原方面の眺め。

下山は屋敷へ。すぐの分岐から左に折れて、展望の笹原の尾根を下る。小ピークをいくつか越えると右手は崩壊地となり、か細い尾根道が続く。赤嵓の頭は赤褐色の断崖の上の展望地。東側が切れ落ちた展望の尾根道と、樹林帯の急な下りが交互にあらわれる。低灌木が増え、小ピークを越えながら赤嵓の頭1675mへ。落葉樹林帯に入り、濡れた土と落葉が滑る下り。屋敷山鞍部から稜線を右にはずれ、屋敷に向かい一直線に下る。

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(左)開けた笹原を下る。(右)右手が切れ落ちた尾根を下る。

とにかく急勾配が続くが、辛抱して下るしかない。標高が下がると木々が色づき、ブナの美林もあらわれる。巨大な雪崩防止防護壁があらわれ、左にトラバースすると残り僅か。最後も急坂で屋敷登山口に到着。その後は、車道を淡々と歩いてムジナ平登山口に戻り、車を回収した。登りも下りも急坂の連続。途中で出会った登山者とは「何とも大変な山だね」と言葉を交わした。

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(左)最後はブナの美林の中を下る。
posted by 急行野沢 at 21:00| Comment(0) | 登山(飯山・北信濃) | 更新情報をチェックする

2018年10月21日

鉢盛山 [旧波田町・黒川林道から](松本市/朝日村/木祖村)

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鉢盛山山頂付近の反射板から北アルプスの展望

登山口732-810波田町避難小屋820-840朝日村分岐-930鉢盛山避難小屋-937鉢盛山(~反射板)1005-1011鉢盛山避難小屋1019-1101朝日村分岐-1116波田町避難小屋1140-1210登山口

信州百名山や三百名山に名を連ねる鉢盛山。登山そのものより、登山口までのアプローチに苦労する印象が強い。朝日村側からの林道が長らく通行止めらしいので、旧波田町の黒川林道から入ることにした。夏頃に偵察した際には笹が道を覆っていたが、ネットの登山記録を見るとその後笹刈りされたようなので登りに出かけた。

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(左)登山口。右手の林道に進む。

新島々駅近くのコンビニで黒川林道ゲートの鍵を借りる。国道158号から黒川林道に入り、ゲートを開けて車を進める。舗装箇所もあるが、落石でパンクしないように慎重に進む。1時間ほどで登山口へ。車2台分ほどのスペースがある。「登山口」の標識に従って、折り返す林道の続きを歩く。軽四駆なら走れるかと思われる林道は笹と唐松に囲まれ、今朝の冷え込みで霜柱が見られる。

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(左)波田町避難小屋。(右)笹刈りされたダケカンバの中の登山道。

3回折り返して歩けば、波田町避難小屋の前に出る。少し周囲は開けて穂高・槍が木の間に見える。その右手のハト峰には手が届きそうだが、いまは登山道も深い笹に覆われてしまったらしい。小屋の左から笹刈りされた登山道に入る。笹刈り後の歩きにくさはあるものの、緩急の登りはダケカンバから針葉樹林に入っていく。程なく朝日村側からの登山道が合流。切開きから中ア・南ア・八ヶ岳が望める。

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(左)朝日村分岐から中ア方面が見渡せる。(右)深い針葉樹林帯の道が続く。

その先、左手に唐松の紅葉や笹原越しに展望が開けた後は、深い針葉樹林帯の緩やかな道。山腹の左を巻いた後、九十九折の急登で尾根上に登る。1~2cmの薄雪が道を覆う。傾斜が緩めばぽっかりと周囲が開け、権現の庭という小湿地。針葉樹林帯を進めば、すぐに鉢盛山避難小屋が左手にあらわれる。ジグザグの急登で鉢盛山の山頂に到着。三角点といくつかの祠がある。周囲は小高い樹木に遮られて展望はよくない。

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(左)周囲が開け、権現の庭。(右)鉢盛山避難小屋は樹林の中。

その先、平坦路を数分進めば反射板が立つ広場に出る。ここは絶景。目の前に穂高・槍・大天井から常念へと、少々見慣れない角度で北アルプスの連なりが広がる。左には乗鞍と御嶽。右手の北信の山々や八ヶ岳方面は薄雲に霞んでいる。下山は往路をそのまま戻った。途中、出会った登山者は1組2人のみ。ほぼ針葉樹の山なので紅葉のはなやかさはなかったが、秋晴れの中、ところどころの展望を楽しむことができた。

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(左)鉢盛山山頂。展望はよくない。(右)山頂先の反射板の広場から絶景が広がる。
posted by 急行野沢 at 22:02| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2018年10月05日

御嶽山[御岳ロープウェイから剣ヶ峰](木曽町/王滝村)

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八合目付近からの山腹の紅葉

御岳ロープウェイ鹿ノ瀬駅825=838飯森高原駅845-850七合目行場山荘-940八合目女人堂945-1043石室山荘1048-1107二ノ池分岐-1127御嶽山(剣ヶ峰)1144-1158二ノ池分岐-1211石室山荘-1302八合目女人堂1324-1402七合目行場山荘-1410御岳ロープウェイ飯森高原駅1413=1427鹿ノ瀬駅

2014年9月27日の御嶽山噴火では登山者ら58人が死亡し、日本における戦後最悪の火山災害となった。しばらく御嶽山登山はできないと思っていた。ところが9月26日に、黒沢口登山口の九合目二ノ池上分岐から山頂までの立ち入りが解除された。これは10月8日正午までの限定的なものであったが、やはりこの機会に登っておきたいと考え、御岳ロープウェイに向かった。

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(左)七合目から八合目への登り。

雨模様の天気なのに、ロープウェイ運行開始の8時30分には乗場に30人ほどの列ができた。ロープウェイと名乗るが、6人乗りのゴンドラが次々と発車する。10数分の乗車で標高2,150mまで労せずして到達する。見下ろす山腹は紅葉に染まっている。細かい霧雨なので雨具をつけて歩きはじめる。ヘルメットを着けている人が意外と少ない。

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(左)八合目女人堂。(右)八合目上の紅葉。

山腹を巻く道を歩いて七合目行場山荘へ。その脇を過ぎて針葉樹林の中、雨で滑りやすい木段をジグザグに登る。尾根の左下を行く道から、尾根上の直登に。所々に残りの距離数を示す標柱。針葉樹の中に色づいた広葉樹が混在する。両側はダケカンバと背の高い笹で視界は優れない。ダケカンバがハイマツに変わると間もなく八合目女人堂。ここからは周辺山腹の紅葉が美しい。信仰の山らしく多くの石碑がある。

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(左)ハイマツの登り。(右)ハイマツが見えなくなり火山性の石が多くなる。

左にトラバースし右折する場所にも多くの石碑や像がある。両側ハイマツの登りが続く。いくつかの石像を傍に見ながら登れば、ハイマツから溶岩がゴロゴロした登りに。視界が開けるものの、周囲は霧に囲まれている。馬の背状に少し緩んだ先は、大きな岩が重なる急登。周囲には火山灰が積もっている。岩の斜面にへばりつく石室山荘に到着し、その先ひと登りで廃業となった九合目覚明堂。

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(左)石室山荘直下は岩の重なる急登。(右)石室山荘。

勾配はやや緩み、尾根の左下を行き二ノ池への道を右に分ける。晴れていれば展望が広がるのだろうが、霧の中でほぼ視界がない。植物がない殺伐とした中、木材の土留めがある緩やかな登りを進めば、剣ヶ峰の山頂直下。そこから階段を登り山頂に到着、霧で展望皆無。山頂や直下の小屋は噴火の被害が痛々しい。思わず手を合わせる。噴火対策のシェルターが設置されているが、今日は雨を凌ぐのに役に立った。

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(左)二ノ池分岐。(右)剣ヶ峰山頂直下。階段の上が山頂。右は噴火シェルター。

下山は往路を戻った。霧雨の中、展望はほとんどなく御嶽山の魅力を感じたとはいえないのかもしれない。下山中に一瞬霧が晴れて、八合目付近の紅葉が見渡せたのが一番の見どころだった。

[参考]御岳ロープウェイ 往復2,600円
posted by 急行野沢 at 23:25| Comment(0) | 登山(木曽・東濃) | 更新情報をチェックする