2018年11月24日
田立の滝~天然公園(南木曽町)
天然公園の展望櫓から、左奥に穂高連峰、右は中央アルプス。
粒栗駐車場835-915不動岩展望ベンチ-937天河滝-1017林道・避難小屋1020-1054林道終点-1110天然公園1148(周回路)-1213林道終点-1242避難小屋-1255不動岩展望台1306-1322避難小屋-1354天河滝1400-1418不動岩展望ベンチ-1444粒栗駐車場
「天然公園」という名を知ったときは、何のことか解らなかった。観光地的な公園ではなく一応は登山の対象らしいが、顕著なピークというわけでもない。どんな場所かわからないけれど、田立の滝を経由して林道に出て……というルートの特異性には興味があった。小春日和の一日、木曽路を南下し、田立の滝入口の粒栗駐車場に車をとめる。この時間、他に車はいない。
(左)坪栗駐車場。(右)各所に樹種の説明板。
滝見物の遊歩道なのでよく整備されている。樹林帯の中、大きく折り返しながら緩やかな勾配。道脇にサワラ・モミ・ケヤキ・マキ・ヒノキ・ツガといった樹種の説明板がある。滝に至るまでは少し退屈な道程であり、それを紛らわすためか。「サワラ大師」の案内板を過ぎて右に折れれば、あとは右下に谷を見て山腹をトラバースする。右手に不動岩の展望があるベンチ前後はほぼ水平道。桟橋が連続する。
(左)不動岩を見上げる。(右)天河滝下の金属階段。
右手に螺旋滝への道を見送ると、勾配が少しずつ増す。目の前に霧ヶ滝があらわれ、ここからが田立の滝の核心部。急な金属製階段を登って、天河滝を見上げる。田立の滝の主瀑であり、水量の少ない季節だが見事。ジグザグに登って、沢の右(左岸)へ左へと吊橋で渡り、不動滝の下に出る。ちどり桟橋という木製の階段はちょっと怖い。その先、雲上橋を右に渡り不動岩展望台に登るのが本来のルートだが、今日は通行止め。
(左)天河滝。(右)不動滝と左側にちどり桟橋。
迂回路として、沢の左の緩やかな道を直進する。吊橋を渡り、右手の山腹を登り詰めれば林道に出る。その脇に避難小屋が建っている。ここからは林道を淡々と進む。両側はヒノキ林。30分強で林道終点。案内標に従って山道に入る。両側の笹がややうるさい樹林帯の道。途中、右手に避難小屋がある。木道になり湿原があらわれる。規模はごく小さいが、これまでのヒノキ林からは意外な舞台転換。
(左)林道に出たところには避難小屋。(右)天然公園の一角に小湿原が広がる。
その先わずかで、木製の展望櫓がある天然公園の中心へ。やや薮っぽい小広場。櫓の上からの展望は意外に良くて、右手に木曽駒・空木・南駒など中アの主要な山々。正面遠くに穂高連峰。左手は木の間越しに乗鞍・御嶽。なお、標識には1580mと書かれているが、もっと低いと思う。休憩の後は天然公園の周回路(あまり見どころはない)を歩いてから、往路を林道の避難小屋まで戻った。
(左)天然公園。展望櫓がある。(右)人力で掘った素掘トンネル。
林道をさらに進み、素掘のトンネルを抜ける。その先の案内板に沿って林道から右に下り、不動岩の展望台へ。眼下に木曽川が流れ、その向こうには恵那山が聳えている。東濃の丘陵が続いているのが展望できる。ここから滝方面に下れば早いが通行止め。避難小屋まで戻り、再び滝を見ながら粒栗駐車場に戻った。途中、20人ほどとすれ違い(多くは不動岩まで)、戻ったときには駐車場の車は10台以上になっていた。
(左)不動岩展望台からの眺め。眼下に木曽川、左奥に恵那山。
[参考]粒栗駐車場(協力金) 200円
柿其温泉[やきやまの湯](南木曽町)
2018年11月21日
蛇峠山(阿智村/平谷村/阿南町)
ヘリポート広場北側からの展望。左に大川入山、右に南駒ケ岳。
馬の背の駐車場1141-1216蛇峠山1221-1226へリポート広場1259-1317馬の背の駐車場
県南部に所用があって、ついでに近くの山に登ろうと邪な考えを起こした。まずは治部坂峠の東にある蛇峠山へ。国道153号沿いの治部坂スキー場脇から別荘地の中を車で進み、馬の背の南東側にある駐車場へ(標高1450.9m)。ゲートがあり車はここまで。まずは、北西にあるなだらかな馬の背(1457.4m)に登ってみる。目の前に大きいのは大川入山。その右に御嶽・乗鞍・北ア・南駒の展望が広がる。
(左)ゲートの左側から登山。(右)レーダー雨量計付近から見た蛇峠山山頂部。
駐車場まで戻り、舗装車道ゲート左側から登山道に入る。ダケカンバやリョウブなどの樹林と熊笹に囲まれた道。小ピークに登り詰めると、その先で車道に出る。都合2回、車道と交差した後、3回目は左右に様々なアンテナを見ながら舗装車道を歩くことになる。最後にレーダー雨量計の脇から登山道となり、笹原の中を下り登り返せば蛇峠山の山頂。三角点があり、その上に展望台が建っているが、周囲の樹木が育ち展望はいまひとつ。
(左)蛇峠山山頂の展望台。樹林が育ち視界はいまひとつ。(右)レーダー雨量計の脇にあるヘリポート広場。前方からは展望が広がる。
レーダー雨量計の脇まで戻って昼食休憩。信玄狼煙台の説明板の前はヘリポート広場、その先まで行くと大展望が開ける。正面に南駒、その左に槍穂高が霞み、乗鞍・御嶽・大川入山。右には南アのほぼ全体が見渡せる。下山は往路を戻った。舗装車道を歩く箇所が多いので登る楽しみはいまひとつだが、各所からの展望は素晴らしかった。
(左)ヘリポート広場北側から見た南アルプス。
長者峰~高嶺(平谷村)
長者峰1356-1412高嶺1424-1440長者峰
(左)長者峰の展望台。 (右)長者峰の駐車場から大川入山の展望。
短時間で登れる山をもうひとつ。治部坂峠から平谷村中心部へ国道153号で向かう途中から、北西側に入る舗装林道を車で進む。展望台がある長者峰で舗装は終わり。展望台下の駐車場に車をとめれば、目の前に大川入山が大きい。反対側も愛知県方面につながる山並が続いているが、馴染の薄い山域なので山座同定などとてもできない。
(右)林道を歩くと前方に高嶺のピーク。
展望台の下にあるゲートの脇をすり抜けて、林道を歩く。右手は唐松林、左手は展望が開けて気持ちがいい。やや下り気味に林道を歩いた先で、案内板に従って、右手の笹原の中の道を急登すれば高嶺の山頂に到着。山名標とベンチがあり、南方向の展望が開けている。往路をそのまま、長者峰の駐車場まで戻った。
(左)高嶺山頂。(右)高嶺山頂から南側の展望。
(左)長者峰の展望台。 (右)長者峰の駐車場から大川入山の展望。
短時間で登れる山をもうひとつ。治部坂峠から平谷村中心部へ国道153号で向かう途中から、北西側に入る舗装林道を車で進む。展望台がある長者峰で舗装は終わり。展望台下の駐車場に車をとめれば、目の前に大川入山が大きい。反対側も愛知県方面につながる山並が続いているが、馴染の薄い山域なので山座同定などとてもできない。
(右)林道を歩くと前方に高嶺のピーク。
展望台の下にあるゲートの脇をすり抜けて、林道を歩く。右手は唐松林、左手は展望が開けて気持ちがいい。やや下り気味に林道を歩いた先で、案内板に従って、右手の笹原の中の道を急登すれば高嶺の山頂に到着。山名標とベンチがあり、南方向の展望が開けている。往路をそのまま、長者峰の駐車場まで戻った。
(左)高嶺山頂。(右)高嶺山頂から南側の展望。
2018年11月11日
大西山(大鹿村/豊丘村)
つり天国・駐車場840-1025巻道入口-1045唐松峠1100-1115三角点(1634m)-1142大西山1222-1244三角点(1634m)-1250唐松峠-1316巻道終わり-1450つり天国・駐車場
(左)ビニールハウスの横から登りはじめる。(右)道は九十九折につけられている。
大鹿村の寂峰。展望のきかない山らしいが、登山口から標高差は1,000m近くあり侮れない。大鹿村中心部から南下し西側の山腹に車を進め、営業していないようすの「つり天国」の駐車場に車をとめる。「駐車有料300円」の掲示があり、缶に入れるようになっている。川を渡り案内板に従って右への道に入り、ビニールハウスの脇から樹林帯をジグザグに登る。途中、「大西山○km」の案内板が0.5kmごとにあるので目安になる。
(左)岩場の左を巻いてトラバースする。
道は一定の勾配を保ちながら尾根に絡み、ジグザグを繰り返して登る。尾根を直登した方が早いと思われるところも丁寧に九十九折を繰り返すが、道は谷側に崩れがちな箇所も多く、足元に気をとられピッチは上がらない。ところどころの紅葉はややくすんだ色合いに感じる。尾根の左下を斜上トラバースし、右に折り返して尾根上に復する道が続く。針葉樹から落葉樹が多くなる。
(左)「大西山1.5km」道標付近。長い斜上トラバースの木の間越し前方に山頂部。(右)唐松と笹が見られると間もなく唐松峠。
尾根上の小ピークに登り着いた先で、岩場の左側を巻く。尾根上を登った後は、山腹の左を巻く長いトラバース。「大西山1.5km」の道標がある。左手、葉を落とした樹林の間に南アルプスが見える。唐松と笹があらわれると右へ緩やかに登って、尾根の鞍部にたどり着く。「大西山1km」とあり、唐松峠と呼ばれるらしい。
(左)1634三角点ピークはヤブの中。(右)右手の切開きから空木・南駒。
左折して広い尾根をたどる。倒木の多い道から、急登してヤブっぽい1634三角点のピーク。その先で右手の切開きから、空木岳・南駒ケ岳が展望できた。左をまわるような尾根から急登してたどり着いたのはニセピークで、「ここは大西山ではありません」の案内板。樹林上部から、かすかに南アルプスがのぞく。
(左)ニセピークから南アの展望。(右)樹林の中の大西山山頂。
落葉で道形も不明瞭な中、尾根を下り登りしてようやく大西山山頂へ。予習済みではあるけれど、樹林に囲まれまったく展望はない。東側は針葉樹林帯、西側は唐松に囲まれて、三角点といくつかの山名標。これだけ苦労して登った割には拍子抜けの感じは免れない。下山は往路を戻った。倒木や落葉が道を隠し、崩れがちな箇所も多いので、意外と時間がかかった。ひとりの登山者にも出会わなかった。
(左)ビニールハウスの横から登りはじめる。(右)道は九十九折につけられている。
大鹿村の寂峰。展望のきかない山らしいが、登山口から標高差は1,000m近くあり侮れない。大鹿村中心部から南下し西側の山腹に車を進め、営業していないようすの「つり天国」の駐車場に車をとめる。「駐車有料300円」の掲示があり、缶に入れるようになっている。川を渡り案内板に従って右への道に入り、ビニールハウスの脇から樹林帯をジグザグに登る。途中、「大西山○km」の案内板が0.5kmごとにあるので目安になる。
(左)岩場の左を巻いてトラバースする。
道は一定の勾配を保ちながら尾根に絡み、ジグザグを繰り返して登る。尾根を直登した方が早いと思われるところも丁寧に九十九折を繰り返すが、道は谷側に崩れがちな箇所も多く、足元に気をとられピッチは上がらない。ところどころの紅葉はややくすんだ色合いに感じる。尾根の左下を斜上トラバースし、右に折り返して尾根上に復する道が続く。針葉樹から落葉樹が多くなる。
(左)「大西山1.5km」道標付近。長い斜上トラバースの木の間越し前方に山頂部。(右)唐松と笹が見られると間もなく唐松峠。
尾根上の小ピークに登り着いた先で、岩場の左側を巻く。尾根上を登った後は、山腹の左を巻く長いトラバース。「大西山1.5km」の道標がある。左手、葉を落とした樹林の間に南アルプスが見える。唐松と笹があらわれると右へ緩やかに登って、尾根の鞍部にたどり着く。「大西山1km」とあり、唐松峠と呼ばれるらしい。
(左)1634三角点ピークはヤブの中。(右)右手の切開きから空木・南駒。
左折して広い尾根をたどる。倒木の多い道から、急登してヤブっぽい1634三角点のピーク。その先で右手の切開きから、空木岳・南駒ケ岳が展望できた。左をまわるような尾根から急登してたどり着いたのはニセピークで、「ここは大西山ではありません」の案内板。樹林上部から、かすかに南アルプスがのぞく。
(左)ニセピークから南アの展望。(右)樹林の中の大西山山頂。
落葉で道形も不明瞭な中、尾根を下り登りしてようやく大西山山頂へ。予習済みではあるけれど、樹林に囲まれまったく展望はない。東側は針葉樹林帯、西側は唐松に囲まれて、三角点といくつかの山名標。これだけ苦労して登った割には拍子抜けの感じは免れない。下山は往路を戻った。倒木や落葉が道を隠し、崩れがちな箇所も多いので、意外と時間がかかった。ひとりの登山者にも出会わなかった。
2018年11月03日
<群馬遠征> 榛名山 [天神峠から相馬山](群馬県高崎市)
氷室山付近から榛名湖とそれを囲む山並を見渡す
榛名湖駐車場(湖畔の宿記念公園前)910-918天神峠-939氷室山-1009天目山1017-1034七曲峠-1106松之沢峠-1132スルス峠あづまや1201-1219相馬山分岐-1249相馬山1309-1333相馬山分岐-1350ヤセオネ峠バス停1449=(群馬バス)1458湖畔の宿記念公園バス停-1503榛名湖駐車場
珍しく家内が一緒に山に行くといい出した。紅葉のニュースに接したためらしい。ともあれヤブ山の登山計画を変更して、榛名湖畔の山を目指す。整備が行き届いた関東ふれあいの道なので誰でも歩ける。榛名湖畔から少し上った、湖畔の宿記念公園前の無料駐車場に車をとめ、天神峠へと車道を歩く。
(左)氷室山・天目山へは階段状の急登が続く。(右)天目山付近の紅葉。
天神峠からしばらく歩くと、階段状の急登が始まる。周囲は紅葉終盤の装い。葉を落とした木の間からは、榛名湖とそれを取り囲む山々が時折望める。氷室山山頂は雑木林の中。木段の急な下りの後、また急な登り。段差が大きい部分もあり、最初から消耗させられる。天目山山頂にはベンチがあり、これから進む方向が切り開かれて遠く相馬山が見える。
(左)ベンチのある天目山山頂。前方に相馬山。(右)七曲峠の先の穏やかな道。
天目山からは切り開きの中の緩急の下りが続く。七曲峠で舗装車道を横切る。その先も登り下りが続くが、序盤にくらべればずっと歩きやすい。三ツ峰山への道を右に分け、左折して山腹の左を巻く穏やかな道で松之沢峠へ。車道に平行した道から右折して階段を登れば、気持ちの良い稜上の道。前方にはスルス岩の異様な姿が見える。
(左)スルス峠の四阿からスルス岩を眺望。(右)相馬山への分岐。
スルス岩には登らず、左下を巻いてスルス峠へ。すぐ先に四阿があり、そこで昼食休憩。振り返ればスルス岩、右手には榛名富士が聳えている。その先はしばらく進むと石段となり、相馬山が信仰の山であることを感じさせる。赤い鳥居があらわれ、ここから相馬山を往復する。
(左)相馬山へ。梯子が架かる急登。(右)相馬山山頂は手狭な印象。
岩がちな急登を進むと、すぐに梯子があらわれる。この後もあわせて3回、梯子があらわれるが、一番目が最も長く急である。3つ目の梯子を過ぎても、まだまだ急登が続く。雑木の中の登りが一段落し小ピークを越えると、あとは緩やかな道で黒髪山神社が祀られた相馬山山頂。手狭な山頂からは関東平野の広がりを見おろすことができた。
赤い鳥居の分岐に戻り、あとはヤセオネ峠に向かって緩やかで気持ちよい道を進む。鳥居が連続して、車道に出ればヤセオネ峠のバス停はすぐ。ところがバスの時刻を勘違いしていて、1時間もバスを待つ羽目になった。駐車場所近くまでバスで戻り、車を回収した。榛名湖畔は観光客で非常に賑わっていた。
(左)赤い鳥居のあるヤセオネ峠の相馬山登山口へ下山。
途中出会った登山者は30~40人にもなろうか。紅葉には少し遅く、また、色づきもいまひとつ。しかし、快晴に恵まれ、秋の低山を気持ちよく歩くことができた。車で榛名神社に向かい、参拝してから帰路についた。
[参考]群馬バス(ヤセオネ峠~湖畔の宿記念公園) 410円