荒島岳山頂から白山を望む
勝原登山口650-730リフト終点735-800トトロの木(820m)-830深谷ノ頭(1015m)-901シャクナゲ平(1204m)910-1008荒島岳1058-1148シャクナゲ平1201-1225深谷ノ頭-1250トトロの木-1312リフト終点-1341勝原登山口
荒島岳は百名山の中でも地味な存在だと思う。しかし、福井県内陸部にある大野盆地の南東に頭をもたげる姿はなかなかの山容。標高は1,500mあまりだが、登山口からの標高差は1,200mありその点は侮れない。最も一般的である勝原登山口から登ることにする。北陸での所用を済ませ、登山口に近い宿に前泊。翌朝6時半、旧勝原スキー場下の駐車場にはすでに10台ほどの車があった。周辺は重機による工事の音が響いている。
(左)勝原登山口。(右)旧ゲレンデ最上部から小荒島岳を望む。
桜が植樹されたゲレンデ跡地の舗装路を直線的に登る。右折して舗装が終われば、足元は石がゴロゴロ。折り返しながら登れば最後は直登となり、リフトの残骸がある旧ゲレンデの最上部に到着。周囲が開け、前方に小荒島岳が見える。「荒島岳登山口」の標柱を過ぎ、雑木と笹の中、尾根を絡むように折り返す道は、濡れた赤土が滑りやすい。数グループがほぼ同じ時間に歩き始めているが、みなさん健脚なのかどんどん抜かれてしまう。
(左)大野盆地を覆う雲海。(右)ブナの美林が広がる。左前方に山頂部。
標高780m前後ではっきりした尾根にのれば、ブナ林が広がる。緩急を繰り返し、尾根上の道は登っていく。標高820m「トトロの木」の説明板が示すのは倒れている大木のことか。白山の展望が得られる白山ベンチ(935m)付近はブナの大木が多い。深谷ノ頭(1015m)前後は緩やかなブナ美林のプロムナード。その先、1070m圏の案内板がある小ピークを過ぎると、シャクナゲ平に向け階段状の急登が続く。
(左)シャクナゲ平へ階段状の登り。(右)シャクナゲ平で中出コースと合流。
シャクナゲ平(1402m)に登りつき、中出コースをあわせて左折。ブナの斜面を下り鞍部へ。ここから「もちがかべ」と呼ばれる急登。鎖やロープが設置されているが、あまり頼らなくても登れる。とはいうものの、岩の段差などが大きい急登が連続し、身体をもちあげるのに苦労する。このコースで一番きついところ。樹木が低くなり視界が開けてくる。
(左)鎖のあるもちがかべの急登。(右)前荒島。笹原の向こうに山頂部。
勾配が緩むと1,400m圏の小ピーク・前荒島に到着。前方に山頂までうねうねと笹原の中に続く登山道が見え、少し元気が出てくる。木段を登れば「山頂412m」の道標がある中荒島岳。左手に白山の姿を見ながら、笹の中にやや抉れた道を登り荒島岳山頂に到着。山頂標柱と三角点、祠が佇んでいる。登山者が入れ替わりやってくる。山頂からは快晴のもと、360度の展望が素晴らしい。
(左)荒島岳山頂。前方に白山。(右)荒島岳山頂から遠く槍・穂高。
展望の主役は、やはり北にそびえる白山。東へ目を転じると槍穂高をはじめとする北アルプス、乗鞍、御嶽までもが白い山頂部を見せている。馴染み少ない南方向では能郷白山が頭をもたげていた。西には大野盆地の広がり。下山は往路を戻った。さすがは百名山、祭日の秋晴れなので次々と登ってくる登山者とすれ違う。その数は50人を超えていた。下山後は国道158を南下し、九頭竜温泉「平成の湯」で汗を流した。

(左)荒島岳山頂から能郷白山方面。