2019年12月01日
牛伏寺から鉢伏山(岡谷市/松本市)
鉢伏山山頂付近から見た槍穂高連峰
牛伏寺駐車場820-909「39号鉄塔」-1010ブナの木権現1015-1019車道に合流-1100鉢伏山荘-1119鉢伏山三角点-展望台1156-1214鉢伏山荘-1245車道から山道へ1250-1253ブナの木権現-1350松建小屋1357-1426牛伏寺駐車場
鉢伏山直下にある鉢伏山荘までの車道も、11月下旬から冬期車両通行止になっている。初冬の鉢伏山からの大展望を得るためには、歩いて登らざるを得ない。逆にその季節を待っていたのだが。西側からのメインコースである牛伏寺からの道を登ってみた。朝は鉢伏山方面に雲がかかっていたが、山頂に着く頃には素晴らしい山岳展望が得られた。
(左)牛伏寺駐車場の登山口。
松本市南東の山腹にある牛伏寺は古い歴史をもつ名刹。その駐車場の奥に鉢伏山を示す道標がある。ここから尾根をたどるコースを進む。いきなりロープの急登。防獣柵に沿って赤松林の中を登る。右にトラバース気味になり、柵が右に離れれば、左折して広めの尾根を進み、勾配が緩めば再び右へ巻き気味の道。送電巡視路のマークに従って39号鉄塔に寄り道するが、期待した展望はなかった。
(左)尾根上の登山道。(右)ブナの木権現。右手奥にブナの大木。
尾根伝いに元の道に復す。歩きやすい尾根上の道が続き、1340ピークは右下を巻く。周囲は落葉樹になっている。強い風が吹いていて、山頂の天気が気がかり。標高1450m付近からちょっとした急登があり、緩むと道脇に笹が増える。道幅がやや広がりジグザグに尾根を登れば、右手の谷側から道が合流して「ブナの木権現」に到着。ブナの大木が祀られている。その先、薄暗い針葉樹林帯を数分歩けば車道に合流する。
(左)車道をショートカットする道も使いながら歩く。(右)木々に霧氷のつく山腹。
鉢伏山荘までの中間あたりまでは、車道の左手の笹原に概ねショートカットする道がつけられているのでそれをたどる。周囲の樹木には霧氷がついている。徐々に樹木は少なくなり、鉢伏山の山腹を望む景色が広がる。霧氷の低灌木が山腹にたむろする羊のようだ。振り返ると北ア・乗鞍・御嶽の展望。車道途中で10人ほどの自転車グループとすれ違う。
(左)鉢伏山荘が見えてくる。(左)鉢伏山から美ヶ原を望む。
無人の鉢伏山荘の脇から、無舗装の広道を進む。扉温泉への分岐からは正面に美ヶ原が大きい。二ツ山方面への道を左に分けてひと登りで鉢伏山山頂(三角点)。快晴のもと、北アルプスはほぼその全容が見渡せる。乗鞍・御嶽・中央ア・南ア、下には諏訪湖。しかし冷たい強風が吹きつけて、ゆっくりしていられない。少し南へ進み、展望台の1階で風を避けて休む。展望台からは南アと八ヶ岳の間に富士山が霞んで見えた。
(左)鉢伏山から北アルプスの全貌を望む。(右)展望台から八ヶ岳と南アの間に富士山。
下山にかかると2人の登山者とすれ違う。もう霧氷は溶けている。ブナの木権現までは往路を戻る。ここで左折してフランス式階段工経由の道へ。トラバース道は落葉が覆い崩れがち。マークに注意しながら進む。中間点に北アルプスの展望地。右折して尾根上を下った後、右手へジグザグで谷に下る。谷を下ると標高1,400m付近に「崩落箇所注意」の掲示。ここからは沢の右岸にある、濡れて滑りやすい小丸太の階段を延々と下る。
(左)階段状の急坂。(右)地獄谷の下に着き、振り返る。
急坂が終わると「地獄谷」の掲示がある。ここまでの急坂が地獄谷らしい。右岸を進めば道形が整い、松本建設事務所の松建小屋に到着。ここからは林道をたどる。見学者のためのものか、治山・治水事業の説明看板や四阿が至る所に設置されている。林道ゲートを過ぎ、右手にフランス式階段工(フランスから学んだ階段状の流路による砂防施設)を見て進む。広い舗装道となり牛伏寺の駐車場に帰り着く。
(左)松建小屋(下流側から)。(右)フランス式階段工(下流側から)。
帰路のルートは落葉が積もって分りにくいところもあり、地獄谷付近は急な階段の連続。往路の尾根伝いの道の方がずっと歩きやすかった。下山後は、車で10分ほどの崖の湯温泉[薬師平 茜宿]で汗を流した。