2020年06月27日
北八ヶ岳[みどり池~夏沢峠~東天狗岳](小海町/南牧村/茅野市)
根石岳山荘の南側から見た天狗岳と根石岳。
みどり池入口651-802みどり池(しらびそ小屋)-902本沢温泉907-958夏沢峠1003-1031箕冠山-1042根石岳-1109東天狗岳1141-1224中山峠1232-1323みどり池1327-1417みどり池入口
八ヶ岳に佐久側からアプローチする機会にはなかなか恵まれなかった。みどり池から本沢温泉の間は未踏となっていたので、今回はその区間も含めて天狗岳を目指す。朝6時半過ぎ、みどり池入口の駐車スペースはまだ若干の余裕があった。林道ゲートの脇を抜けて歩きはじめる。橋を渡り、すぐ先で右手の登山道に入る。
(左)林道からみどり池への山道へ。(右)みどり池から天狗岳を望む。
途中、林道に出入りしたあと、しばらく林道歩き。周囲は唐松林。こんなに林道が長かったかな、と昔の記憶は曖昧。昨年の台風被害で旧来の登山道から付け替えられたようだ。標高1870m付近で唐松林が針葉樹林に変わり、道も細くなる。こまどり沢の小広場で左折して、足元に石がゴロゴロする登り。傾斜が緩めば、しらびそ小屋が傍らに建つみどり池に到着。何組かの登山者が休んでいる。池の向こうに天狗岳の姿が見える。
(左)しらびそ小屋・本沢温泉間の湿原。(右)本沢温泉付近のクリンソウ。
その先の分岐で左折。緩い下りから小川に沿うと木道を敷いた湿原があらわれる。何となくほっとする。クリンソウの群生地は、少しが花をつけているだけ。苔むした針葉樹の中の道は、概ね右手に山を見ながらトラバース気味。昨年の台風の被害か、倒木が多いが道はよく整備されている。少し下って本沢入口方面からの道に合流すれば広道となり、こちらは満開のクリンソウを道脇に見ながら本沢温泉に到着。今日は温泉には立ち寄らない。
(左)本沢温泉の上から見る硫黄岳爆裂火口。(右)夏沢峠から硫黄岳。
硫黄の匂いが漂う中、夏沢峠への道へ。左奥に硫黄岳の爆裂火口を見上げる。大きく折り返しながら登るが、道は一定の斜度を保っていて歩きやすい。後半は尾根の左下を登るようになり、夏沢峠に到着。ここまで来ると登山者が多い。硫黄岳を背に、箕冠山への道は針葉樹林のだらだらとした登り。木の間に天狗岳方面が見え、傾斜が緩んで樹林の中の箕冠山。階段状の下りで、根石岳方面の視界が一気に開ける(冒頭写真)。
(左)根石岳付近から天狗岳を望む。(右)東天狗岳山頂直下から。左奥は西天狗岳。
根石岳山荘の前まで来ると、身体をもっていかれそうな強風。岩がちな登り下りで根石岳を越えて、東天狗岳への登りへ。強風なので岩場の登りではやや慎重に。20人ほどの登山者で賑わう東天狗岳に到着。北アルプスは雲に霞んでいるが、北には蓼科山方面、南には八ヶ岳連峰や南アルプスを望むことができた。今日も西天狗は省略。天狗の鼻の左脇岩場からイワカガミ咲く道を急下降。途中の岩場で展望を楽しみながら中山峠へと下る。
(右)赤岳方面の展望。(右)中山峠南側から望む天狗岳。
中山峠からは針葉樹林帯の中の急な下り。岩や木の根の段差はあるものの、さほど歩きにくくはない。だんだん緩やかな道となり、中間部ではダケカンバの美林に目を奪われる。中山峠から1時間弱でみどり池に到着。あとは往路をみどり池入口の登山口までもどった。梅雨の晴れ間、雲はそれなりに多かったが風が涼しく、歩きやすいので助かった。
(左)中山峠からの急な下り。
2020年06月21日
北八ヶ岳[双子池~雨池~北横岳~亀甲池](佐久穂町/茅野市)
北岸から見た雨池。
大河原峠805-828双子山-856双子池-923カラ川橋-1002雨池北1007-1053雨池峠1057-1110坪庭北側分岐-1153北横岳北峰1213-1314亀甲池1328-1347天祥寺原-1431大河原峠
双子池と雨池をつなぐ道としては大石川林道があり、20年ほど前に歩いたことがある。現在、この道は通行止めとなっていて、東側を迂回する道が案内されている。どうでもよいことだが、その迂回路を歩いたことがなかったので、北横岳も加えて池めぐり風に歩いてみた。雨池という名も、いまの季節に似つかわしい。
(左)双子山から蓼科山方面。(右)ヒュッテ前から双子池(雄池)。
佐久側から蓼科スカイラインをたどって大河原峠へ。立科町側からは現在通行止め。駐車20台ほどで、十分な余裕がある。まずは双子山を越えて双子池を目指す。針葉樹林と笹原が交互にあらわれる中を登って双子山。振り返っても蓼科山の山頂部は雲に隠れている。今日は一日、雲の多い天気。樹林帯を下って双子池へ。ヒュッテの脇から林道を歩く。
(左)カラ川橋の先で林道から右へ。(右)雨池へは針葉樹林帯の緩やかな登り。
大石川林道に出ると雨池方面は通行止めの掲示。左折して鶯ノ口への林道を緩やかに下る。途中、道標に従ってショートカットの樹林帯の道へ。林道に戻りさらに下って、カラ川橋を渡った先の道標に従い右の山道に入る。緩やかな登りが北八ツらしい針葉樹林帯の中に続いている。2097標高点を過ぎれば下りとなり、雨池の北岸に降り立つ。この方向から見る雨池の姿は新鮮に感じられる(冒頭写真)。
(左)西岸からの雨池。(右)北横岳北峰。雲が多く視界きかず。
雨池の畔を西岸まで歩き、荒れた林道から雨池峠への道へ。大岩が重なり歩きにくい道。振り返ると八柱山が見えるはずだが雲の中。ここまですれ違った登山者はほんの数人だったが、雨池峠まで来ると人が増える。八丁平を経て坪庭に入ると観光客の姿が多くなり、北横岳への登りも登山者が多い。北横岳北峰で休憩。展望は雲が多くていまひとつ。一瞬雲が薄くなり、八ヶ岳方面が望めた。
(左)北横岳北峰から八ヶ岳連峰。(右)亀甲池。
亀甲池への下りは岩や木の根の段差などで歩きにくい。1時間ほどかけて亀甲池へと降り立つ。池面を吹き抜ける風が涼しい。天祥寺原への道を進むと、やっと雲が晴れて蓼科山が姿をあらわした。道脇に白い花が咲いている。最後が緩やかな登りになるのが、今日のコースの難点。北横岳の姿を背に笹原と針葉樹の中を登り大河原峠に帰り着いた。
(左)天祥寺原への道から蓼科山。
2020年06月16日
浅間山外輪山[Jバンド~仙人岳~黒斑山](小諸市/御代田町/群馬県嬬恋村)
草すべりの下りから見た蛇骨岳・仙人岳・Jバンド方面。
車坂峠811-912槍ヶ鞘919-923トーミの頭928-1000湯ノ平分岐-1021賽の河原分岐-1036Jバンド下-1100鋸岳(2254m)-1129仙人岳1153-1205蛇骨岳標柱-1233黒斑山-1245トーミの頭1254-1344車坂峠
浅間山周辺では、Jバンドや草すべりあたりを歩いたことが無くて気にかかっていた。車坂峠からトーミの頭に登り、湯の平・Jバンド・黒斑山と反時計回りに周回することに。梅雨の晴れ間を狙って車坂峠へ。高峰高原ビジターセンター裏の駐車場は、平日なので半分くらいしか埋まっていない。
(左)表コースの展望地から。北アは雲の中。(右)槍ヶ鞘から浅間山とトーミの頭。
車坂峠から車坂山を越えて表コースを登っていく。途中の展望地で振り返っても、北アルプスは雲の中。足元をコイワカガミとツガザクラが彩る。いったん緩んだ先の登りは、土留めを兼ねた木段がハードルのように行く手を遮る。避難シェルターを過ぎて、槍の鞘で浅間山の全景と対面。さらに登ってトーミの頭では浅間山が一段と大きい。
(左)ハクサンイチゲ・アサマコザクラの花畑。(右)正面に浅間山、左にJバンド。
すぐ先の分岐から右折して、草すべりへ。ジグザグの下り坂はザレたり石が重なり滑りやすい。斜面はハクサンイチゲやアサマコザクラの花畑。背の低い笹の中の道から、樹林帯に入り傾斜が緩んでくる。火山館からの道を合わせ、湯の平分岐で左折。樹林帯の緩やかな道をたどれば、賽の河原分岐。今日は前掛山には登らないので左の道へ。
(左)Jバンドを見上げる。(右)Jバンドの登りから見おろす。
緩やかな道を進めば樹林は低くなり、正面にJバンドがあらわれる。あんな岩山のどこから登れるのかと思うが、案ずることはない。小さな折返しで山腹を登った後、正面に岩壁があらわれると左折して、トラバース気味に岩の間を登っていく。落石に注意しなければならない急登だが、距離は知れている。稜線に登りついて、右折して鋸岳2254mに立ち寄る。
(左)Jバンド後半は左へトラバース気味の登り。(右)Jバンド上部。
折返して仙人岳を目指す。火山性の岩やザレ地の稜線を登り下りしながら進む。右下を巻く岩場もいくつか。こんな稜線上にもコイワカガミなどの花が見られる。右には四阿山や志賀高原の山々、振り返ると浅間山。仙人岳2319mで昼食休憩。気温は高いが雲も多く、北西から吹く風は涼しい。
(左)Jバンド上部から仙人岳方面の稜線。(右)仙人岳から黒斑山・蛇骨岳。
蛇骨岳の標柱までは視界が開けているが、その先は樹林帯に出たり入ったりを繰り返す。左下が切れ落ちて、東側の視界が広がる場所もいくつか。本日の最高峰の黒斑山に登り、トーミの頭の先から中コースを車坂峠へと下った。平日なので、途中で出会った登山者は20人ほど。浅間山の未知の側面を知ることができたと思う。
(左)蛇骨岳付近から仙人岳と浅間山。
2020年06月06日
権兵衛峠から経ヶ岳(南箕輪村/辰野町/塩尻市)
北沢山から木曽駒方面を展望。
権兵衛峠815-855アンテナのピーク(1806三角点)-937北沢山(1969三角点)942-1039(2043三角点)-1135経ヶ岳1155-1228(2043三角点)-1318北沢山(1969三角点)1332-1409アンテナのピーク(1806三角点)-1435権兵衛峠
権兵衛峠から経ヶ岳への登山道が、昨年秋に地元の方々の努力によって整備されたという話を聞いた。今回はその道をたどってみる。きれいに笹刈りされた道は、迷うようなところもない。中間部は笹原で展望が広がる場所多かった。ただ、山頂への最後の登りは急登の連続で、少々消耗させられた。
(左)権兵衛峠登山口。
国道361号の権兵衛トンネル西側から旧道に入り、権兵衛峠へ。峠の登山口には広い駐車スペースがあり、登山道案内板も掲げられていた。ただ、伊那側からの旧道は通行止めである。案内板の脇から出発。すぐに尾根にたどり着き左折。あとは唐松に囲まれた尾根上を緩やかに登っていく。1656峰を緩やかに越えて行くと、右手に運搬用モノレールがあらわれる。その左側を登る。
(右)モノレールの横を登る。(左)アンテナのある1806峰。
1806峰に向けては急登。1806峰にはアンテナ施設があり、モノレールはこの施設のためのものか。道は左折して、唐松や白樺の気持ちよい道がしばし続く。1850m圏の小ピークに登りついた後は、小さなアップダウンを繰り返しながら緩やかに登る。1881峰で右折して小ピークの左を巻けば、北沢山1969に向けて岳樺と唐松の中の登り。
(左)北沢山。左手樹間に乗鞍。(右)2038へ笹原の登り。右奥に経ヶ岳。
北沢山は笹原で、大展望が広がっている。振り返ると木曽駒方面の山並みが目の前(冒頭写真)。樹間から御嶽や乗鞍。晴れれば伊那谷の向こうに南アの展望も広がるのだろう。距離も時間もここがほぼ中間点だが、ここから先がけっこう大変。緩やかに進めば、樹林帯を挟んで再び笹原が広がる。右手前方に経ヶ岳を見ながら笹原を登り、小ピークで右折して2038峰へ。その先、尾根を左に外れる迂回路は笹の根元が足元に煩い。
(左)2043手前の苔むす樹林のピーク。(右)2043を過ぎ経ヶ岳に向けて急登がはじまる。
苔むす樹林帯を過ぎ、右手樹間に展望を得ながら登って手製のプレートがある2043峰へ。鞍部の笹原を経て、いよいよ経ヶ岳に向けての急登。樹林帯の中、虫が多く身体にまとわりついて厳しい登りが続く。2200m圏の小ピークで少し緩み、笹原をへて最後の針葉樹林帯の登り。足元を白い花が彩る。経ヶ岳へは2回目なので、樹林の中で展望がないのは承知。しかし、昨年の台風の倒木により、少し樹林の密度は薄くなった感じ。
(左)樹林の中を直登。(右)樹林に囲まれた経ヶ岳山頂。
山頂付近で3人の登山者に会ったが、うち2人は権兵衛峠から。やはり新しい登山道を試しに来たようだ。虫が多くて長居できなので、そそくさと山頂を後にして、下山は往路をもどった。各ピークへの登り返しもあり、時間がかかった。中間部の展望は素晴らしいから、北沢山か2038峰あたりまでのハイキングなら誰にでもお勧めできる気がした。