2022年03月27日
美ヶ原・王ヶ頭[ダテ河原登山口から/百曲り下山](松本市/上田市/長和町)
王ヶ頭の右に北アルプスが連なる。
ダテ河原登山口745-848美岳荘-955美ヶ原・王ヶ頭1014-1052塩くれ場-1102美しの塔-1110美ヶ原高原ホテル1120-1127美しの塔1137-1149塩くれ場-1203百曲り園地1242-1326広小場1330-1359三城いこいの広場-1409ダテ河原登山口
ダテ河原登山口では小雨も降っているほどだった。快方に向かうはずの天気予報を信じて、歩きはじめる。直線的な登りから右折して林道をたどり左折。道には残雪があったりなかったり。休業中の美岳荘あたりは凍結した急坂もあるので、チェーンスパイクをつけてみるが、土の出たところも多くてその先はツボ足で。
(左)残雪の歩きにくい登り。(右)王ヶ頭。この時間、まだ展望は開けない。
全体に歩きにくくて、季節の変わり目の山の難しさを感じた。標高を上げると頭上にはときどき青空。最後は残雪を踏み抜きながら登って王ヶ頭へ。頭上は青空だが、周囲の山並はまだ雲の中。しかし、美ヶ原の広大な山上台地を南東方向へ歩いているうちに天気はよくなった。雪上車が通るので、足元の雪は固められている。
(左)美ヶ原の山上台地。中央奥に浅間山。(右)美しの塔から王ヶ頭。
雲がまだ多いものの、塩くれ場から美しの塔、美ヶ原高原ホテルへと歩くにつれて、北アルプスや浅間山、八ヶ岳、富士山などを展望することができた。塩くれ場まで間取り、百曲り園地へ向かう途中は踏み抜き多発。雪のないところはドロドロ。左に八ヶ岳と富士山、正面に南アルプスと鉢伏山を眺める百曲り園地で休憩。
(左)穂高連峰と槍ヶ岳。(右)八ヶ岳連峰。その右に富士山が霞む。
下山は百曲り経由。こちらも緩んだ残雪があったり、ドロドロの道だったりと歩きにくい。標高が低くとも樹林の陰にあたる場所の方が残雪が多いようだ。広小場から三城いこいの広場を経由し、最後は車道を歩いて車を置いたダテ河原登山口にもどった。歩き始めたとき他に車はなかったが、下山時には8台ほどの車が路側に駐車されていた。
(左)百曲り園地。(右)南アルプスを見納めにして百曲りを下る。
夏のようすはこちら(手書き地図も)
→「三城から百曲り経由で美ヶ原(2020年5月17日)」
→「三城から茶臼山経由で美ヶ原(2020年5月23日)」
2022年03月21日
斑尾山~大明神岳[まだらおの湯から](中野市/飯綱町/信濃町/飯山市)
大明神岳から野尻湖と黒姫山・妙高山を望む。
まだらおの湯635-709登山口-759稜線801-818斑尾山822-828大明神岳838-849斑尾山851-902斑尾山北峰903-942斑尾高原スキー場第7駐車場946-1020まだらおの湯
春というのは厄介な季節だなといつも思う。山肌は斑になり、空気は埃っぽくなる。サクラが開花したといわれても、まだ気持ちは冬のままでついて行かない。近場で手軽に雪を楽しめるところを考えて斑尾山へ。まだらおの湯近くの路側スペースに駐車して歩きはじめる。
(左)薄いトレースの急登。(右)豊田スキー場上部からの展望。
夏ならば林道のような道なのだろうか、薄いトレースを追って、平坦な広道を西に向かう。すぐにスノーシューを装着する。南北に走る林道にたどり着いて、そこからは急勾配の登山道。雪が緩まないうちにと、朝早く登りはじめたせいか、昨夜の数センチの積雪の下は固い雪面で歩きやすい。
(左)稜線上は勾配緩みブナの樹氷。(右)斑尾山山頂。
雑木林の中、ときどき不明瞭となる何日か前の薄いトレースを追いながらの急登が続くが、なんとかスノーシューで登ることができる。途中、休業中の斑尾高原豊田スキー場の上部に出ると、ゲレンデ越しに展望が広がる。その先も急登をこなし、稜線に登り着けば、霧氷をまとった美しいブナ林の中を進む。
(左)大明神岳への稜線。(右)大明神岳から飯縄山・黒姫山と野尻湖。
樹林の中で展望のない斑尾山に到着。そこからは南西へ、南東側に雪庇も見られる稜線をたどり、大明神岳へ。傍らには通信施設のようなものがある。ちょうど西の方向だけ雲が切れて、眼下に野尻湖、その向こうに妙高・黒姫・飯縄の姿を望むことができた。この景色を見るために登って来たといってもいい。
(左)大明神岳から斑尾山を望む。(右)ゲレンデ脇を下る。
斑尾山へ戻り、下山は北に向かう。こちらもところどころ雪庇のある細い稜線をたどり北峰へ。北峰直下のリフト最上部からは上越方面の山並を展望できた。ここからは斑尾高原スキー場のゲレンデの端を下らせてもらった。スキー場の第7駐車場まで下り、スノーシューを脱いで、あとは車道をまだらおの湯まで戻った。
(左)スキー場駐車場から山頂を振り返る。
他の年の冬のようすはこちら → 「斑尾山スノーシュー(2023年3月4日)」
無雪期の記録はこちら → 「斑尾山(2021年10月16日)」
2022年03月17日
ハト峰[山形村の清水高原登山口から](山形村/朝日村/松本市)
「展望台」から北アルプスを望む。
清水高原登山口722-759展望台802-823山形村最高地点833-911「1846ピーク」-1000ハト峰1020-1110「1846ピーク」-1143山形村最高地点1155-1218展望台1240-1329清水高原登山口
ハト峰への道は最近では深い笹藪に覆われていて、無雪期には猛烈なヤブ漕ぎをしないと登れないという話を聞いた。そのため、登らなくてもいいかなと、思っていた。しかし先日、この残雪期に登ったという登山記録を見つけ、それを参考に訪れてみることにした。登山口は山形村最奥部にある。蕎麦店が並ぶ唐沢集落から山中に入り、山形村が運営する宿泊施設「スカイランドきよみず」を目指す。
(左)清水高原登山口。(右)雪の上をスノーシューで歩く。最初は道標もある。
「スカイランドきよみず」の前を左折し、別荘地の中を進むと登山口。4台分ほどの駐車スペースがある。「清水高原登山道」の案内板があるが、掲載されているのは山形村最高地点まで。歩きはじめてすぐに、雪が増えたのでスノーシューを装着。唐松や雑木の中を登れば、途中、最高地点まで案内板も随所に。何日も前のものと思われるトレースがあるが、ところどころ不明瞭で踏み抜く。
(左)「展望台」から穂高連峰と槍ヶ岳を望む。(右)山形村最高地点。
道が溝状になった先で「展望台」に到着。目の前が開け、少々見慣れない角度の北アルプスの展望が開ける。穂高連峰から槍ヶ岳、蝶ヶ岳・大滝山あたりを挟んで常念岳。その先、踏み跡がやや不明瞭な斜面を登って「山形村最高地点」へ。ベンチの傍らに鐘が設置され、「山形村のてっぺん」と書かれている。西側の樹林の切れ間から乗鞍岳を望むことができた。
(左)西側樹間から乗鞍岳を望む。(右)櫓の立つ1774三角点。
ここで稜線に乗り左折。すぐに櫓のある1774三角点。その先は唐松林の中のやや単調な道程。亜高山的な針葉樹林やダケカンバの美林と植生が変わるのに気持ちを紛らわす。ところどころ笹藪が顔を出しはじめている。踏み跡を見失いあらぬ方向に足を踏み出すと膝上まで踏み抜き、立て直すのにひと苦労。緩やかに1846ピークを越え、1921標高点にはダケカンバの大木。
(左)1912付近のダケカンバの大木。(右)ハト峰手前。雪庇も張り出している。
山頂手前では左手のダケカンバ林の際には雪庇ができていた。緩やかな最後の登りをこなせばハト峰山頂に到着。ヤブっぽい山頂かと思っていたが、小広場になっていて、南東側の展望が開けているのが嬉しい。正面は経ヶ岳だろうか。その右手に雪を被った木曽駒方面。左手奥に霞んでいるのは南アルプスか八ヶ岳か。手製の山名標がいくつか、傍らの唐松に括り付けられていた。
(左)ハト峰山頂。南東側が開けている。(右)中央アルプスを遠望。
下山は往路をそのまま戻った。帰りは気温が上がったためか、いっそう踏み抜く頻度が高くなり時間がかかった。今日の状態ではスノーシューがないと厳しいと思う。雪の上を歩けるいまの時期が、この山の登山適期だったのかもしれない。やや不明瞭ながらトレースがあったので助かった。
(左)手製の山名標もいくつか。
2022年03月12日
黒姫山[大橋林道登山口から往復](信濃町)
稜線にたどり着き、高妻山を振り返る。
大橋林道登山口・駐車場630-704林道から登山道へ-740新道分岐750-908姫見分(稜線)917-934しらちま平-1002大池分岐-1017黒姫山1108-1116大池分岐-1142しらたま平-1153姫見分(稜線下降点)1159-1251新道分岐1258-1317林道-1355大橋林道登山口
黒姫山は山頂付近まで樹林に覆われた山ではあるけれど、冬に登れば外輪山の稜線から北ア・戸隠高妻・頚城の山々を見渡すことができる。朝6時過ぎ、大橋林道登山口の駐車スペースに駐車。10台ほど駐車できるが、週末だと佐渡山方面へのBCスキーヤーなども多くて混雑する。今日は平日なので先着1台のみ。雪の状態が心配だったが、山頂まで明瞭なトレースがあった。
(左)新道分岐の先、ブナの大木も。(右)標高1650m。振り返ると高妻山。
途中、唐松林越しに黒姫山を眺めながら林道を進む。林道から登山道に入り、緩やかな登り。雪の中で地点が判然としない新道分岐の先からアイゼン装着。まだ、この時間、雪が締まっていて歩きやすい。その先、しばらく進んだ平坦地はブナの大木が多く見られる。徐々に地形は明瞭な尾根となっていく。
(左)ダケカンバの疎林を稜線に向け登る。(右)しらたま平から黒姫山を望む。
標高1650mあたりから右に飯縄山、振り返れば高妻山を展望。その先、ダケカンバの疎林の中を登って行けば、外輪山の稜線(姫見分)へ登り着く。ここからは稜線を右にたどる。樹林帯に出入りしながら進めば、平坦な稜線上のしらたま平。周囲の山並を眺めながら歩ける。前方左に黒姫山の山頂、左に中央火口丘の御巣鷹山、その左に頚城山塊の山々。高妻・戸隠を背景に楽しく歩く。
(左)しらたま平から御巣鷹山と頚城の山々。(右)大池分岐から黒姫山山頂。
右(南)には雪庇があるので、トレースは左の樹林に出入りしながらつけられている。大池分岐から最後の急登を登れば、黒姫山の山頂に到着。山頂の案内板や石祠は雪の下。快晴のもと、周囲の絶景を堪能できた。飯縄山の右に北アルプスの連なり、その右に戸隠連峰、高妻山。さらに雨飾山、天狗原山、金山、焼山、火打山、妙高山。東側眼下には野尻湖と斑尾山、向こうに志賀高原の山並と四阿山方面。
(左)黒姫山山頂。高妻山・戸隠連峰・北アを望む。(右)山頂から飯縄山。
下山は往路をそのまま戻り、新道分岐付近でアイゼンを外した。途中、出会った登山者は3人だけ。下山時は気温が上がって雪が緩み、歩きにくくなった。場所によって踏み抜いたが、ツボ足で歩けないほどではない。もともと歩くのが速い方ではないけれど、今日はなんだかペースが上がらず時間がかかった。
(左)東側眼下に野尻湖と斑尾山。(右)妙高山はじめ頚城山塊の山並。
2022年03月04日
[八ヶ岳]編笠山~西岳 ~富士見高原から周回(富士見町)
編笠山の山頂。阿弥陀岳・赤岳・権現岳方面を展望。
富士見高原(登山者用駐車場B-1)658-734盃流し742-813臼久保岩小屋-843標高2000-930標高2200m-1011森林限界1019-1039編笠山1049-1109青年小屋1119-1124乙女の水-1220西岳1247-1329林道出合-1406不動清水1413-1442富士見高原駐車場
3週間前に西岳に登った際、編笠山に周回するつもりだったけれど、トレースもなかったので断念し西岳往復にとどめた。それがなんとなくひっかかっていて、今回は編笠山から西岳に周回を試みた。先行者のトレースに助けられ、今回は周回することができた。快晴のもと、山頂からは素晴らしい展望を楽しむことができた。
(左)盃流し。(右)標高2000m。薄暗い樹林帯の急登。
前回同様、富士見高原の登山者用駐車場(B-1)にとめて歩きはじめる。最初、雪は少なめで土が出ているところも。盃流しを過ぎて右手の尾根に取付き、勾配が急になるところでチェーンスパイクを装着。途中、適度な感覚で標高と残り時間を示す標識があり、目安になる。徐々に雪は増え、標高1900mあたりから薄暗い針葉樹林帯の急登となる。
(左)森林限界をこえる。(右)振り向くと南アルプス。
標高2100~2200あたりは深いところがあり、先行者のトレースを頼りにするが見失うことも。あらぬ方向に進むと膝上まで踏み抜く。標高2200mを過ぎると溝状の明瞭な道になる。森林限界手前でアイゼン装着。樹林帯を抜けると素晴らしい展望が待っていた。振り返ると南アルプス。雲海の上に富士山が顔を出している。風もおだやか。雪と岩の混じる斜面を登って編笠山山頂へ。
(左)編笠山から雲海に浮かぶ富士山。(右)編笠山から北アを望む。
目の前には阿弥陀岳・赤岳・権現岳といった八ヶ岳主要部の山並。西には北アルプスが連なり、その左には乗鞍・御嶽・中央アルプス・南アルプス、そして雲海の富士山。トレースをたどって樹林帯から岩ゴロの斜面を下り、冬期休業中の青年小屋へ。ここから西岳へはほぼ樹林帯の中、緩やかなアップダウンの道。先行者のトレースを頼りに進む。数箇所、編笠山や南アルプスを樹間から見える場所も。
(左)青年小屋へ下る。(右)青年小屋から編笠山。
最後はちょっとした登りで西岳に到着。西岳からも編笠山の右に富士山や南アルプスを望むことができた。西岳からの下山路は、しばらく南側の展望を見せながら、すぐに樹林帯に入ってしまう。よく踏まれた雪道が続くので、途中でチェーンスパイクに変更。不動清水のあたりは前回に比べてずいぶん雪が少なくなっていて、季節の変化を感じた。
(左)西岳から権現岳・編笠山。(右)南アを正面に見て西岳から下る。
西岳往復 → 「西岳/富士見高原から(2022年2月12日)」
逆回り(夏) → 「西岳~編笠山(2013年8月17日)」
2022年03月01日
鏡池プチスノーハイク[戸隠高原](長野市)
鏡池越しに戸隠連峰を望む。
戸隠神社奥社入口駐車場1046-1104随神門-1125天命稲荷神社-1137鏡池-1144どんぐりハウス(あずまや)1207-1223鏡池-1233天命稲荷神社-1255随神門1303-1322駐車場
軽い散歩気分で、戸隠の鏡池へ。天気は下り坂だったが、なんとか鏡池から戸隠連峰の展望が得られるのに間に合わないかと、有料の奥社入口駐車場にとめて歩きはじめる。奥社参拝の人の姿は少ないながら見受けられた。随神門の手前で左折して、鏡池の畔までトレースははっきりしていて、ツボ足でも歩ける。
(左)奥社参道入口。(右)随神門。
天命稲荷神社の鳥居はかなり雪に埋もれていて、今年は雪が深いことがわかる。鏡池の周囲や池の氷の上はトレースも交錯して、深いところもある。スノーシューがあった方が楽しく歩けるので、池畔でスノーシューを履いた。気温の暖かい日が続いたが、池の中央まで氷の上を歩くことができた。
(左)天命稲荷神社。(右)鏡池の中央から。
鏡池を挟んだ戸隠連峰の姿を眺めてから、どんぐりハウス脇のあずまやに雪を掻き分けて潜り込んで休憩。往路のトレースは東にずれていたので、帰路はスノーシューで夏道のルートに沿って少しだけ深い雪の中を歩いた。平日なのに、鏡池周辺で4人の登山者とすれ違った。
(左)池畔のどんぐりハウス(冬期休業)。(右)帰路はBCスキーの案内板にも導かれながら。
[参考]戸隠奥社参道入口駐車場 3時間600円