2023年08月29日

雲ノ平 [折立・薬師沢↑三俣・新穂高↓] (富山県富山市/長野県安曇野市/岐阜県高山市)

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雲ノ平・スイス庭園から、薬師岳・赤牛岳方面を望む。

8月27日[1日目](富山駅前のホテルに前泊)富山駅前610=(富山地鉄バス)810折立815-936青淵三角点944-1059五光岩ベンチ1103-1141太郎平小屋1210-1250第一徒渉点1258-1328第三徒渉点-1410カベッケが原-1417薬師沢小屋[泊]
8月28日[2日目]薬師沢小屋537-752アラスカ庭園803-831奥日本庭園-850雲ノ平山荘918-944スイス庭園957-1034祖父岳分岐1041-1104祖父岳1136-1210岩苔乗越1215-1218ワリモ水場1225-1347三俣山荘[泊]
8月29日[3日目]三俣山荘533-613三俣峠-627三俣蓮華岳632-720中道分岐731-818双六小屋837-925花見平931-942弓折乗越947-1019鏡平山荘1049-1125シシウドヶ原1129-1219秩父沢出合1229-1308小池新道入口-1328わさび平小屋1332-1437新穂高ロープウェイバス停1455=(濃飛バス)1520平湯温泉1755=(アルピコ交通バス)1923松本BT

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(左)折立登山口から、歩きはじめる。(右)青淵三角点。前方に薬師岳を望む。

雲ノ平への山行は、長年あたためていたプラン。富山から長野・岐阜と北アルプスの中央部を横切ることになる。花の季節ではないので、その点は残念だけれど致し方ない。不安定な天候が気になっていたが、思っていたよりも天気に恵まれた。1日目・2日目とも小屋到着直前に雨にあったが。

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(左)太郎平小屋の前から雲ノ平方向を望む。(右)薬師沢へと下る。

折立への直通バスは満席に近かった。折立から太郎平までは多くの登山者と前後しながら、整備され歩きやすい道を行く。樹林帯の登りの後、青淵三角点で視界が開け左に薬師岳が見えていたが、だんだん雲が多くなり視界がきかなくなってきた。道脇にリンドウが咲いている。 太郎平小屋から薬師沢への道に入るととたんに登山者が減った。

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(左)急な雨にあい、カベッケが原を通過。(右)沢際に建つ薬師沢小屋。

急坂で沢筋まで下った後は、ところどころ草原風の平坦地もあらわれる。とたんに激しい雨が降り出して、雨具をつけているうちにずぶ濡れになり薬師沢小屋に駆け込んだ。小屋の人が「まずは乾燥室へ行って着替えなさい。受付は後でいいから」といってくれたのがうれしい。薬師沢小屋は渓流釣りの宿泊者も多く、登山者以外と話をするのも面白かった。

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(左)雲ノ平へ岩の急登が続く。(右)視界が開け槍ヶ岳が見えた。

2日目は小屋前の吊り橋を渡り、ハシゴを登り、濡れて滑る岩が累々と重なる急坂を登る。その登りも途切れることがなく、今回の行程で一番厳しいところ。傾斜が緩んで木道があらわれても、灌木帯が続き、なかなか雲ノ平らしい風景はあらわれない。標高2,450mを越えた園地がアラスカ庭園と呼ばれるところか。左に薬師岳、やがて右手遠くに槍ヶ岳が顔を見せるようになった。

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(左)奥日本庭園。(右)雲ノ平山荘。左奥は黒部五郎岳。

さらに進むと「奥日本庭園」の標識があり、イメージ通りの雲ノ平の景観が広がるようになる。前方に見える水晶岳が格好いい。雲ノ平山荘の前で黒部五郎岳や笠ヶ岳・祖父岳などを眺めながら小休止。さらに東へ進んだスイス庭園が一番気持ちの良い場所だった。池塘越しに見える水晶岳。その左に赤牛岳や薬師岳。立山・剣あたりは雲に隠れている。

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(左)スイス庭園から望む水晶岳。(右)少し登って雲ノ平を見おろす。

そこから祖父岳方面に進めば、雲ノ平の全貌を見渡せるようになる。分岐で左折して、祖父岳へは岩がごろごろした急登。祖父岳山頂直下で登山道の前方を熊が横切るのが見えた。このような場所にも熊がいるのかと少々驚いた。祖父岳は今回、はじめてのピーク。山頂からの展望は素晴らしい。目の前に槍と鷲羽。左に水晶。右に三俣蓮華、黒部五郎。

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(左)祖父岳の山頂。鷲羽岳と槍ヶ岳を望む。(右)黒部源流の谷を下る。

黒部川の源頭を見たかったので、東へウサギギク咲く尾根伝いに下り、岩苔乗越で右折して黒部源流の谷を下る。黒部の最初の一滴と思われる、源頭部の水はか細かった。ハクサンボウフウの咲く谷を下り、最後は三俣山荘へと登り返す。その途中で雨が降り出したが、昨日よりも小雨だったので助かった。三俣山荘では窓越し正面に槍ヶ岳。小屋は多くの登山者で賑わっていた。

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(左)三俣山荘と鷲羽岳。(右)三俣山荘前から見た槍ヶ岳。

3日目は新穂高へ下るだけなので、気分は楽。まずは三俣蓮華岳への登り。途中、登山道にオコジョが飛び出してきた。巻道を行くか迷ったが、今回登っているピークは祖父岳だけなので、三俣蓮華岳のピークも踏んでいくことにする。イワギキョウが咲くガレ場を登り三俣蓮華岳へ。ここからの展望はいつもながら素晴らしい。槍穂高・双六・笠・白山・黒部五郎・薬師・水晶・鷲羽。

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(左)オコジョ。(右)三俣蓮華岳から望む槍・穂高連峰。

南へ丸山を越えて行く稜線も好きなところだ。といいながら、双六岳は省略して中道を下る。双六小屋からは何回か歩きなれた道。花見平にはいつもの残雪の気配もない。ナナカマドの赤い実越しの双六岳、反対側に槍ヶ岳を見ながら、弓折乗越まで稜線を進んでから鏡平へと下る。鏡平山荘ではいつも通り、かき氷(600円)をいただく。鏡池からは槍穂高連峰を望むことができた。

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(左)双六岳と笠ヶ岳を望む稜線。(右)双六小屋を振り返る。鷲羽岳と水晶岳。

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(左)ナナカマドの実と双六岳。(右)鏡池からの槍穂高。

今日は晴れて暑い。最近の天候により、秩父沢の水も枯れていて涼をとることもできず、小池新道を淡々と下り、林道歩きをこなして新穂高ロープウェイのバス停にたどり着いた。わさび平小屋で買って食べたトマトがことのほか美味しくて、生き返った気になった。平湯ではバスの乗継で長い待ち時間があったので、「ひらゆの森」で汗を流した。

[参考]
富山駅前~折立(富山地鉄バス) 4,500円
薬師沢小屋 1泊2食 12,000円
三俣山荘  1泊2食 12,000円
新穂高ロープウェイ~平湯温泉~松本BT(濃飛バス・アルピコ交通バス)3,200円
ひらゆの森(日帰り温泉)700円

山小屋の食事はこちら → 「山小屋の食事」
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2023年08月12日

破風岳[五味池高原から](須坂市/群馬県嬬恋村)

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破風岳の山頂。御飯岳が間近に見える。

五味池高原・駐車場637-712大平-744土鍋山分岐-800破風岳817-903大平-928駐車場

レンゲツツジの季節以外はまず訪れることのない五味池高原。この真夏に歩くのには少々標高が低いけれど、朝早い時間ならそれなりに楽しめるのではないかと思い、朝の散歩がてら出かけてみた。

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(左)大平の草原。(右)大平から善光寺平の向こうに北アルプス・北信五岳。

管理棟の先の駐車場に車をとめる。オートキャンプの車を別にすれば、登山らしき車はない。途中、アズマヤのある展望地を経由して登山道を登って行く。いったん林道に出た先が大平と呼ばれる広い草原。振り返ると善光寺平の向こうに北信五岳や北アルプスがそびえている。右手には四阿山と根子岳。

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(左)四阿山・根子岳を望む。(右)土鍋山からの道と合流。

その先で再び登山道に入り、ぬかるみや朝露に濡れた笹で、靴やズボンを濡らしながら進んで行く。道は常に緩やか。土鍋山からの道と合流ししばらく行けば、毛無峠方面の展望が開ける。ほどなく破風岳の山頂。正面に御飯岳が大きい。その向こうには志賀高原方面の山並。右手には浅間山や四阿山も針葉樹林の上に顔を出している。

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(左)破風岳山頂から高妻・妙高方面。(右)北アルプス。鹿島槍と白馬は雲から顔を出している。

善光寺平の向こうの北アルプスや北信五岳は雲に覆われ始めている。暑さが気になっていたが、まだ、この時間は涼しい風が山頂に吹いて気持ちがよい。下山は西側に尾根をたどった後、折り返しながら下る林道をたどった。誰にも会わないかと思ったが、破風岳付近で7人の登山者とすれ違った。

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(左)破風岳山頂から浅間山を望む。
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2023年08月04日

奥穂高岳 ~上高地・涸沢から(松本市/岐阜県高山市)

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涸沢カールを見上げる。

8月2日[1日目]上高地バスターミナル1114-1118河童橋1120-1224明神館1238-1324徳澤園1339-1351新村橋-1431横尾(横尾山荘・泊)
8月3日[2日目]横尾455-551本谷橋601-648大崩落地-709Sガレ715-751涸沢分岐756-813涸沢小屋845-921パノラマ分岐938-1001ザイテングラート取付点1031-1206穂高岳山荘1318-1402奥穂高岳1428-1502穂高岳山荘・泊
8月4日[3日目]穂高岳山荘557-638ザイテングラート取付点705-723パノラマ分岐729-812涸沢ヒュッテ852-936Sガレ-955大崩落地1004-1054本谷橋1100-1155横尾1221-1258新村橋-1310徳澤園1315-1355明神館1358-1433河童橋-1438上高地バスターミナル

懸案の奥穂高岳に登る。最近はあまり登山をしないという友人の同行を得たので、ペースはゆっくり。1日目は上高地バスターミナルから観光客でにぎわう河童橋を経由。河童橋からは目指す奥穂高岳を望むことができた。3時間ほど平坦な道を横尾まで進み横尾山荘に宿泊。

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(左)本谷橋を過ぎると勾配が増してくる。(右)涸沢小屋で小休止。

2日目は、涸沢・ザイテングラートを経て、標高差1,500m超の登り。横尾を早朝に出発する。平坦な道が続いた後、本谷橋を渡ると登りになる。右下に谷を見ながら、いくつかガレ地を横切って進めば、前方の谷が開けてくる。涸沢の分岐道標の先で、カールの底に出て一気に展望が開ける。涸沢カールを見渡しながら、登りは右手の涸沢小屋を経由する。

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(左)綿毛のチングルマの向こうにザイテングラート。(右)振り返ると涸沢カールの向こうに常念岳。

しばらく登ると前方のザイテングラートが見えてくる。その手前で前のめりに転んで額から大量出血するという事故を目撃した。ザイテングラートを下りきって安心した矢先の事故だと思う。ヘルメットも外していたようだ。近くにたまたま県警パトロールの方がいて対応されていた。どんな道でも注意は必要と思い知らされた。綿毛のチングルマを見ながらザイテングラートの取付きへ。

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(左)ザイテングラートを取付から見上げる。(右)クサリ・ハシゴもある。

ザイテングラートは岩場の急登が続き、途中にハシゴやクサリもあらわれる。高校山岳部のグルーブと何回かすれ違う。右に北穂、左に西穂を眺めながらカールの中の支尾根を登る。途中でややへばり気味になったが、「穂高小屋20分」という表示にも励まされて登り切った。穂高岳山荘で休憩の後、奥穂高岳へ。小屋からすぐにハシゴ・クサリのある急な岩壁を登る。

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(左)左手に前穂高岳を見ながら登る。(右)穂高岳山荘の目の前の岩場を登る。

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(左)涸沢岳・北穂高岳を振り返る。(右)ジャンダルムが見えた。

ただ、その先は思ったよりも歩きやすくなった。途中、ちょっとした花畑も見られる。奥穂高岳山頂に着くころには次々と雲が上がってきて、はかばかしい展望は得られなくなったが、それでも登頂の喜びは大きかった。いくつかのグループが狭い山頂を訪れては去って行く。小屋への下りでは、そんな天候だったためか雷鳥を見ることができた。穂高岳山荘は多くの登山者で賑わっていた。

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(左)奥穂高岳山頂。(右)穂高岳山荘への下りで見た雷鳥。

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(左)穂高岳山荘から常念岳越しの朝日。(右)朝日照らす穂高岳山荘から下山。

穂高岳山荘に1泊の後、翌日は涸沢カールの景観を楽しみながら下る。雪渓の脇に咲くハクサンイチゲなどの花々も綺麗だった。涸沢ヒュッテで休憩の後、カールの景観に別れを告げて、横尾へと下った。観光客でにぎわう河童橋付近を通過して、上高地バスターミナルから帰途についた。

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(左)ハクサンイチゲ咲くカール。(右)涸沢ヒュッテで涸沢の景観も見納め。

[参考]
沢渡駐車場 1日700円×3日=2,100円
バス(沢渡~上高地:往復) 2,400円
横尾山荘(1泊夕食のみ)12,500円
穂高岳山荘(1泊2食) 13,500円

山小屋の食事はこちら → 「山小屋の食事」

posted by 急行野沢 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山(北アルプス・乗鞍) | 更新情報をチェックする