(左)布川峠への道から見た大姥山。三角点峰は左奥。(右)コナラの純林に囲まれた第2ベンチ。
大姥山は旧信州新町と旧八坂村の境あたりにある山だが、杉林の多い里山だろうと思っていた。登山口への曲がり口に金太郎の絵が描いてあったり、岩稜の急登だという情報もあって、なんとなく気が進まなかった。ところが大姥山の三角点峰には、布川峠からおだやかな道が通じていると知り、登ってみようという気になった。そして登山道途中のコナラの林相が素晴らしい、自然の豊かさが感じられる山だとわかった。「大姥の散歩道」という名もある道なので、登山というのも憚られるほどの道程だが。
R19の赤土付近から布川峠へと車で上る途中には、右手に大姥山の山稜が見える。布川峠に車をとめ、そこからヤマブキ咲く尾根筋をたどる。常夜灯とプレハブ小屋を左手に見て進めば、その先の大岩には秋葉神社という祠が祀られている。岩の横を慎重に通り過ぎる。その先もアカマツが雑木に混じるヤセ尾根を、小さなコブや岩を通り過ぎながら進む。
右に桐山からの道が合流。その先、急な登りが続き、最初のベンチ(第1ベンチ)へ到着。木の間越しに北アルプスが眺められるが、今日はやや霞んだ風景しか見られない。その先、アカマツ・ヒノキの林が続いた後、コナラの背の高い純林が広がる。明るい林相が美しく、このコースのハイライトといえるところ。
(左)山頂直下で木の間越しに見た北アルプス。雲が多く霞んでいる。(右)大姥山山頂。
2つ目のベンチ(第2ベンチ)の先から、九十九折の急登となるがやがて、山腹のトラバース道となる。山頂直下のコルで右に折り返すように登れば樹林に囲まれた山頂に。小鳥の鳴き声しか聞こえない静かな山頂だ。ここが大姥山の最高点1,006mで三角点も置かれているが、よく知られているのは東方にある1,003m峰である。場合によってはそちらにも足をのばそうかと考えていたが、どうやら林道を歩くことになりそうなので往路を引き返すことにした。
ラベル:大姥山