(左)登山口 (右)滝を見下ろす崩壊地。左上にロープがあり、それを頼りにトラバースする。
さまざまな登山サイトや鬼無里観光振興会ホームページでも紹介されている柄山峠への道。新緑の季節に訪れてみた。奥裾花自然園への道から根上バス停の箇所で左への林道に入る。2kmほど先の一軒家の前に「柄山峠入口」の案内板があり、道脇に車をとめて落合沢に沿う道を歩き始める。古くからの峠道は、送電線巡視路でもある。
歩き始めは、沢沿いの崩壊地や倒木があって緊張を強いられる。沢沿いの崩れた箇所を高巻き、倒木を迂回し、丸太橋を渡り右岸(左側)へ。大きな崩壊地があり、滝を下に見ながらザレた斜面をロープにつかまりながらトラバース。その先には馬頭観音が佇んでいた。傾きかけた金属製の橋を渡り、丸太橋で右岸に渡り返すと後は穏やかな歩きやすい道が続く。足元を小さな花も彩る。
(左)尾根上に続く新緑の道。(右)石仏が佇む柄山峠。残雪が見られる。
右手に一瞬の杉林を見るあたりから、道は沢を離れ左の山腹に取り付いていく。右手にカヤトの広がる平地を見て、ジグザグに登り尾根に乗り、NO.65鉄塔の下に出て少し展望が得られる。尾根上の道は急登もなく穏やかで、新緑が眩しいほど。やがて尾根の南側から北側へ進むとブナの木が多くなり、右手の沢に残雪が見えると柄山峠に到着。
峠には祠に石仏2体が祀られている。南側の柄山に向けて踏み跡はなく、ヤブを漕いで登る。すぐにイワウチワの群生地があり、足を置くのもはばかられるほど。やや左寄りに登って尾根に出て、あとは赤テープも頼りに右に進めば樹林に囲まれた山頂。三角点が笹の中にあるが、展望は皆無。
(左)ヤブの中に埋もれた柄山の三角点。(右)「駒休みの頭」へ向かう道はブナの美林。
峠に戻り、北側にある送電鉄塔の広場に行ってみる。樹林の上に北アルプスが霞んでいる。その先もよい道が続いているので、しばらく辿ってみる。ブナの美林が続き、イワカガミの花も見られる。2つほど小ピークを越えて、最後に階段状の登りをこなせば「駒休みの頭(1349m)」と書かれたピークに到着。その先は「白馬方面」と示されている。今日はここまで。峠に戻り、下山は往路を戻った。前半はともかく、尾根上の新緑、峠周辺のブナ林の美しさは素晴らしかった。予想はしていたが、ひとりの登山者にも会わなかった。