(左)霧ノ塔方面の展望が開けた三合目。(右)ブナの美林も広がる。
苗場山への長野県側からの登山道として多く歩かれているのは小赤沢コース。その一本北側にある大赤沢新道はあまり歩かれていないが、その途中(七合目)にある猿面峰というピークを目指す。苗場山を目前にして引き返すということになるのだけれど、苗場山までだとちょっと長すぎることと、猿面峰そのものも展望はよさそうなため。
国道405号を南下して津南町から長野県栄村に入り直し、その県境から700mほど進んだ地点(目印なし)で左折して舗装された林道へ。その林道の舗装が終わる地点に「大赤沢新道の一合目」の標識が立つ。5台分ほどの駐車スペースがあり、ここに車をとめて歩き始める。しばらく荒れた林道をたどると、15分ほどで右手に「苗場山」の案内標がありここから山道に入る。
(左)いったん傾斜が緩む四合目は、針葉樹林帯の中。(右)さまざまな花も楽しみ。
すぐに二合目の案内板。この先、〇合目の表示が続いていく。しばらくは山腹を左手に向けてトラバース気味に進んでいくが、右手の山腹に取り付いてだんだんと傾斜は増し急登となっていく。ブナ林と針葉樹林帯が交互に現れるような林相。木の根が張り出して歩きにくい急坂。三合目では、東に霧ノ塔方面の展望が開ける。その後も急登が続くが、イワカガミ・ギンリョウソウ・シラネアオイ・ムラサキヤシオなどが道端を彩る。シャクナゲの木も多い。
傾斜が緩むと尾根にのったような感じになり、四合目。しばらくは穏やかな道が続く。五合目を過ぎて小鞍部を過ぎると、再び急登が始まる。六合目を過ぎると、樹林が低くなり展望が開ける。振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢コースの駐車場。汗を絞らされて残雪のある猿面峰(七合目)に到着。目の前には苗場山が大きい。北側だけは針葉樹林で隠されているが、開けている三方では苗場山へとつながる山稜が展望のあらかたを占めていて、この山の大きさをあらためて感じることとなった。下山は往路を戻った。途中、ひとりの登山者にも会わなかった。
(左)六合目上部で振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢駐車場。(右)猿面峰からは正面に苗場山が大きい。