中央アルプス中核部から権兵衛峠を挟んで北に位置する経ヶ岳。二百名山・信州百名山などに名を連ねるが、人気はいまひとつと感じる。登山道のほとんどは樹林の中で展望がきかず、山頂も樹林帯の中だからか。単調で長い登りに終始するが、危険な箇所はなく良い道が続く。樹林の変化と足元の小さな花を楽しみながら登った。
(左)大泉ダム登山口。右手の林道に入る。(右)仲仙寺からの道が合流する四合目。
伊北インターから伊那谷の最も西側を南北に走る県道を南下し、伊那インター工業団地付近で西に折れて大泉ダム登山口まで舗装林道をたどる。登山口には6~7台分の駐車スペースとトイレ、地図も掲出されている。案内板に従ってしばらくヒノキ林の中の林道を進む。林道終点から木橋を渡り登山道へ。赤松の高木に低い落葉樹。右に登った後、三合目の標識を経てジグザグに尾根を登る。その先、左にトラバースし伊那谷の展望を見てしばらくすると仲仙寺からの道が合流する四合目。なお、合目ごとにしっかり案内板が設けられている。
丸太のベンチがある五合目を経由して、唐松林の中の単調な道が続く。尾根の左下をトラバースするような道だが、意外と時間がかかるところ。ミツバツツジの花がところどころ。針葉樹が多くなり岩がちな登りの六合目を過ぎ、尾根上を緩急の登りで三角点のある七合目の小ピーク。ここでわずかに八合目・九合目方面のピークと伊那谷の展望が得られる。後からの感覚では、六~七合目あたりでようやく半分ぐらい。
(左)三角点のある七合目ピーク。前方にこれから進む八合目などが見えるが、ここからは山頂はまだ見えない。(右)展望が開ける草地の八合目。前方左手にようやく山頂部が見える。
展望のない唐松林にダケカンバも混在する中を登って八合目のピーク。三角点がある。ようやくここで360度の大きな展望が得られる。正面に九合目方面、左に山頂、振り返れば木曽駒、眼下に伊那谷。いままで越えてきたピークも眺められる。南アルプス方面などは雲の中。その先もしばらくは左右の展望が得られるが長くは続かない。右から横川ルートが合流すれば針葉樹林帯に入り、すぐに石仏・石碑の置かれた小ピークの九合目。
(左)八合目から伊那谷を見おろす。前方に越えてきた七合目ピークなどが見える。(右)九合目の先、ダケカンバと唐松の新緑。
その先は左・唐松、右・ダケカンバの新緑が美しい緩やかな道でピークをひとつ越えて行く。足元の白い小さな花はコミヤマカタバミか。最後は樹林の中の登りとなり、経ヶ岳山頂に到着。周囲は亜高山的な苔むす針葉樹林に囲まれ、展望はまったく得られない。下山は往路を戻った。気温が高かったせいかペースが上がらず、登りも下りも予想以上に時間がかかった。途中すれ違った登山者は5組だった。

(左)樹林の中の経ヶ岳山頂。展望は皆無。
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