八ヶ岳のおもなピークの中で登ってないのは阿弥陀岳と権現岳。というわけで、梅雨の晴れ間を狙って阿弥陀岳に登りに出かける。赤岳のついでに登られることが多いと思うが、今回は阿弥陀岳だけを目的地とする。
(左)行者小屋から見た中岳[左]と阿弥陀岳[右]。 (右)行者小屋。背後は大同心・小同心と硫黄岳。
美濃戸口から未舗装路を走り、美濃戸の赤岳山荘の駐車場まで車を入れる(駐車料金1,000円)。平日なので駐車場には十分な余裕があった。歩きはじめてすぐの美濃戸山荘前から、右手の南沢沿いの道に入る。針葉樹林の中、足元は石がゴロゴロした八ヶ岳らしい道。沢沿いに進んでは少し登って、再び沢沿いに進む繰り返し。途中、大岩のある場所がほぼ中間点。沢の源頭を横切るように左に長いトラバースがあり、その先涸れ沢と樹林帯が交互にあらわれ、行者小屋にたどり着く。
小屋からは赤岳を中心に右に中岳・阿弥陀岳、左に横岳・硫黄岳などが眺められる。中岳のコルに向かって登っていく。針葉樹林の中をしばらく登った後、沢の源頭部に至り大きな斜上トラバースを繰り返す。展望が開け、八ヶ岳の各ピークが見渡せる。崩壊地の際をロープに頼って急登して回り込めば、すぐに中岳のコル。目の前に阿弥陀岳の岩稜がそそり立つ。
(左)梯子・鎖もある阿弥陀岳への岩稜。中岳のコルから見上げる。(右)阿弥陀岳山頂から見た赤岳。
阿弥陀岳への道は梯子が1箇所、鎖が数箇所。手足を使って岩場を登っていく。振り向くと赤岳の姿が美しい。それを理由に休みながら登る。最後はハイマツがあらわれて阿弥陀岳山頂に飛び出す。多くの石仏などが立つ小広場の山頂からは360度の展望。主役はやはり赤岳。権現岳の左に富士山、右に甲斐駒が浮かぶ。横岳から硫黄岳・天狗岳・蓼科山へと見渡せる。ただ、それ以上遠くの山並みは雲に隠れている。山頂の登山者は5人程度。遠目に赤岳山頂には多くの登山者の姿が見える。
(左)阿弥陀岳山頂からの権現岳。左に富士山が見える。(右)赤岳鉱泉。横岳から赤岳への稜線が屏風のよう。
時間的にこれから赤岳まで足をのばすのは厳しいけれど、このままでは少々あっけない。往路を行者小屋まで戻り、赤岳鉱泉経由、北沢をたどって美濃戸に戻った。赤岳鉱泉までは行者小屋から針葉樹林帯の中の道を30分ほど。北沢沿いの道は、沢に沿って橋や木道が整備され、沢の流れが美しく感じられた。堰堤広場からは淡々と林道をたどって美濃戸に戻った。

(左)北沢沿いの道。
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