2016年11月12日

栂峠~新三郎~ぶどう岳~ぶどう峠(北相木村/群馬県上野村)

和加志湖畔駐車スペース816-923林道から登山道へ-950栂峠956-1025新三郎1045-1131送電鉄塔1202-1227ぶどう岳1234-1308ぶどう峠1318-1421和加志湖畔

信州東端と関東を隔てるいくつかの峠を思うとき、連想するのは大島亮吉の著書。登山をはじめて間もない頃、そこに記された古き良き時代の山旅には憧憬を感じた。今日はそんな上信国境の稜線歩き。踏み跡はどの程度なのか、少々の不安があった。

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(左)林道栂峠線から山道へのとりつき地点。

県道124号で北相木村の中心部を過ぎ、人造湖の和加志湖畔へ。湖畔のスペースに駐車する。県道から左に分岐するダートの「林道栂峠線」を歩きはじめる。唐松林の中、林道は栂峠川に沿って上って行く。林道は標高1470m付近で終点となるが、その少し手前の左手に「栂峠」という北相木村の案内板と「西群馬幹線」という送電線巡視路の入口表示がある。ここから山道に入る。

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(左)熊笹の中に地蔵が佇む栂峠。(右)栂峠から南方向を見る。新三郎へのとりつきはわかりにくいが、コンパスを頼りに進み、シャクナゲ群生地の中の登山道を見つける。

巡視路らしい階段状の登りを3~4回ターンすると右手の熊笹の中にはっきりした踏み跡を見つける。唐松と熊笹の気持ちのよいこの道は、山腹をずっとトラバースして栂峠まで進んでいく。途中、尾根の突端を回り込むところに社があり、「栂峠」を示す標識も何箇所か。やや左上に登ってお地蔵様の佇む栂峠に到着。十石峠方面からの古い林道が達している。

栂峠付近は平らな地形で方向が定めにくい。林道を南に向かい、大きく左折する手前で赤テープに従い真っすぐ前方(南の方向)に入る。赤テープはそのまま前方の谷に降りていくので、右手前方のピークを見ながら右寄りに軌道修正し、青いテープを見つけシャクナゲ群生地に到達。ここからはシャクナゲの中のはっきりした登り道となる。花の咲くころはさぞかしと思わせる。途中の岩峰を右に巻き、岩のヤセ尾根を辿って、三角点のある新三郎の山頂に到着。何はともあれ本日の最高峰である。

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(左)三角点のある新三郎の山頂。(右)南・西の展望がある新三郎。南側正面には御座山。

新三郎の展望は南に御座山、西に茂来山、八ヶ岳・蓼科が雲間に見える。稜線は左折し東へ向かう。痩せた岩場の稜線を急降下、2つめの岩頭のピークは右下に大きく巻いて下る。ここはテープはなかった。この付近から1628ピークの前後にかけては、落葉した広葉樹の明るく気持ちよい稜線。そのまま尾根伝いに東へ直進しそうになるところ、「安曇野幹線2号線197号・198号」の標識で右へ急降下する(197号の方向に進む)。下った鞍部には送電鉄塔が2基。

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(左)「安曇野幹線2号線」の標柱がある。ここは直進せずに右に下る。(右)送電鉄塔下からの西方向の展望。左は御座山、右は茂来山、正面奥に八ヶ岳。

全体として展望が優れない山域だが、この送電鉄塔の広場からは正面にぶどう岳、御座山、右手に八ヶ岳、左手には西上州の山並みを望む。登り返して樹林の中で展望のないぶどう岳山頂へ。その先は岩が多い下り。途中の岩頭で南側の展望が開けるが、右下に巻き気味に急降下してぶどう峠に下りつく。あとは県道(舗装道)を1時間歩いて加和志湖に戻った。ぶどう峠に自転車をデポしておく手もあると思う。

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(左)送電鉄塔下から東方向には西上州の山並が広がる。目を引くのは両神山。(右)樹林の中のぶどう岳。

コンパスで方向を確認しながら、稜線を外さなければさほど困難はない。ポイントは、栂峠から新三郎への取り付きと、送電鉄塔手前の分岐。岩場の下りで直進困難となる箇所は、どこも右(西側)を巻く。木の枝につかまりながら進む急傾斜も随所にあったが、思っていたよりも踏み跡ははっきりしていた。予想していた通り、今日はひとりの登山者にも会わなかった。
posted by 急行野沢 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山(佐久・奥秩父) | 更新情報をチェックする
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