高森町の町名はこの山に由来するという。この山への尾根をさらにたどれば、大島山・念丈岳を経て奥念丈岳で中央アルプスの主稜線へと至る。私の脚力で日帰りでは本高森山までが限度か。全体に展望にすぐれないけれど、本高森山山頂では意外にも南アルプスの展望があり、この季節なら木の間越しにも山々の姿が見える。赤松・唐松のやや単調な登りに終始するきらいはあるが、道は終始歩きやすく道標も整備されている。
(左)登山口。奥に車3台ほどの駐車スペース。(右)前半は赤松林の尾根を登る。
高森カントリークラブの脇を抜けて林道を進むと、右手に登山口の標識がある。3台分ほどの路側余裕スペースに駐車。杉林をジグザグに登り支尾根にのり、赤松林の尾根にやや溝状の歩きやすい道。主尾根にのり1206三角点の下を過ぎ、左を巻いて右へ尾根に復す。緩やかな道がジグザグの急登になった先、標高1350mあたりで周囲は赤松林から唐松と熊笹へ。
(左)展望台から伊那谷・南ア方面。(右)前高森山分岐。周囲は唐松と熊笹。
再び左へトラバースしジグザグの急登の先に、登路途中唯一の展望地。道が左折する箇所で、右手・伊那谷方面がやや開けている。緩やかに進んで鞍部状の前高森山分岐。道標が各方向を示している。右折して進む道も唐松・熊笹に囲まれ、小ピークを2つほど越えて行く。まだ葉をつけない唐松越しに周囲の景色くらいはわかる。急登の先の2つ目の小ピーク付近からは亜高山性の針葉樹やダケカンバが増える。
(左)標高があがるとダケカンバや針葉樹林に。(右)本高森山山頂直下の登り。
ダケカンバの林を過ぎると道に残雪があらわれる。雪を踏んで本高森山の山頂に到着。展望は期待していなかったが、南東側が切開かれて笹原の向こうに伊那谷、遠く南アルプスの展望。ただ今日は気温が高すぎて南アは霞んでいる。北側は木の間越しに大島山・烏帽子岳方面、そして雪をまとっているのは中央アルプス仙涯嶺か。上澤新道が大島山方面に続いている。
(左)本高森山山頂。北側木の間から大島山・仙涯嶺方面が見える。(右)本高森山山頂は南東側が切開かれ、伊那谷や南アの展望がある。今日は遠景は霞んでいる。
下山は往路を前高森山分岐まで戻って、分岐から前高森山に立ち寄った。道の左端の三角点を通過した先の山頂は、小広場で山名標があった。しかし、周囲は唐松林で展望は皆無。その先に道はなかった。分岐まで戻り登山口へと下山した。途中、出会った登山者は単独行者2人だけだった。

(左)樹林に囲まれた前高森山山頂。