何となく気乗りがせず後回しにしてきた山。視界の開けない針葉樹林の道に、足元の悪い岩場が連続するイメージがあった。しかしシャクナゲが咲き始め、ところどころ岩頭から展望もあって、苔むす深い樹林帯も味わい深かった。岩場や木枝、木の根などで到底歩きやすくはないが、道はよく踏まれ迷うようなところはない。適度に案内板とマーキングもある。今日は気持ちよい快晴だった。
(左)廻り目平キャンプ場の駐車場。(右)シャクナゲの花が咲き始めていた。
金峰山登山口でもある廻り目平キャンプ場の大駐車場に駐車(駐車料金は帰りに金峰山荘で支払う)。キャンプや岩登りの人が多い。林道を少し歩き「かもしか登山道」案内板に従い右の登山道へ。最初は新緑の雑木林の登り。その先、岩の間を登るような道が続き小尾根にのる。数箇所の岩場から左手の展望が開ける。
(左)梯子のある岩場の登り下り。(右)唐沢の滝への分岐。前後はシャクナゲのトンネル。
ヤシオツツジの花が見られる。シャクナゲのトンネルもあらわれ、中腹にかけて花も咲き始めている。「かもしか登山道」の案内板のすぐ先の岩場を梯子で登る。大岩の右を巻いた先で、左下に梯子で急降下。岩の登り下りに多少の緊張を強いられる。唐沢の滝分岐を過ぎて、その先右手には展望台と書かれた岩。2008ピークもシャクナゲの木々の中で通り過ぎてしまう。
(左)ところどころで金峰山も見える。(右)小川山山頂。展望はない。
2130圏ピークへの登り返しでは亜高山的な針葉樹林帯へと植生が変わる。急登の末に岩峰を巻いて、金峰山の展望数箇所の後、2230圏ピークで道はやや右へ曲がる。その前後は苔むした針葉樹林の緩やかな道。やや単調な登りの後、左から道を合わせ数分で小川山山頂へ。狭い切開きに三角点と山名標柱はあるものの展望は皆無。場所を移せば金峰山と南アの展望がわずか。往復登山のつもりだったが、計画変更し大日岩へ足をのばす。
(左)小川山から南下すると苔の美しい針葉樹林帯に。(右)八丁平への中間点の展望地から瑞牆山と南アルプス。
八丁平へ南下する道も苔の多い針葉樹林帯。登山地図によっては点線の道だが、踏み跡は明らかで問題ない。2347ピークと2290ピークはいずれも右下を巻く。その中間に金峰山や南アの展望地。岩場と樹林の下りで、八丁平(富士見平分岐)へ。針葉樹の中の平坦地が続き、廻り目平分岐を見送り大日岩への登りへ。急坂で岩場の稜上に出て、大きなザレ場は右下を大きく巻く。大日小屋からの道を合わせて大日岩の下に到着。

(左)大日岩からは展望が広がる。左に瑞牆山、右端に小川山。
目の前に瑞牆山が大きく、その背後に八ヶ岳、右に小川山。ずっと左に南ア。この眺望を前にすると、今日の目的地が大日岩だったかのよう。先刻の分岐まで戻り、廻り目平へ下る。砂洗川沿いに歩く箇所では渓流が美しい。沢沿いとはいえ高巻く箇所もあり、意外と手間取る道。林道に出て、淡々と歩き廻り目平に戻った。途中出会った登山者は小川山直下で3人、大日岩手前で6人。静かな山行が楽しめた。
[参考] 廻り目平キャンプ場駐車料金(ひとり) 300円