観光と登山を兼ねて、家内と青森方面に出かける。主目的は八甲田山への登山。八甲田ロープウェイの運行開始時刻に合わせて、朝9時前に山麓駅に到着したが、強風のため運行休止。いつ動くかわからないので、急遽酸ヶ湯に向かい、温泉の南側の登山口から登りはじめる。
(左)酸ヶ湯温泉の南側にある登山口。広い駐車場やWCもある。(右)右手前方が開け、硫黄岳山腹の紅葉が見えた。
登山口の鳥居をくぐり、細丸太の階段状の緩い登りを進む。ブナなどの広葉樹林帯だが少し色づいた程度。10数分で火山ガス発生地を通過。火山ガスのせいか、周囲のダケカンバが枯れて広場になっている。溝状の箇所にはマットなど敷かれて手入れがされていて歩きやすい道。少しずつ右手の展望が開け、こちらは色づいた硫黄岳の山腹が見える。
道は地獄湯の沢を右下に見て、その際を進む。硫黄の匂いが強くなる。岩がゴロゴロした箇所で沢を渡りながら登り続けると、沢は狭まり平坦になってくる。木道があらわれ、まもなく仙人岱湿原に到着。仙人岱ヒュッテへの道標がある。朝は晴れていたが急に雨が強まり、急いで雨具をつける。八甲田清水が湧き出した湿原で小休止をとりたいところだが、天気も天気なので先を急ぐ。
(左)仙人岱あたりから雨が強くなった。(右)風雨が強く展望なしの大岳山頂。
小岳・高田大岳への分岐を過ぎ、草原状の道を進む。その先は樹林帯の登り。アオモリトドマツの説明板を過ぎれば森林限界。火山礫でガラガラした道を折り返しながら登る。平坦地に鏡池があらわれ、もう一息で八甲田山(大岳)の山頂に到着。山名標や三角点があるけれど、雨風が強く展望皆無なので早々に山頂から下る。
ガラガラとした下りから溝状に抉れた樹林帯の道を下って、草原状に建つ大岳ヒュッテ(避難小屋)へ。この天気なので、10数人の人が小屋の中で休憩をとっていた。我々も雨具などを脱いで休憩をとる。天候の回復が見込めないので、適当な時間を見て出発。樹林帯を緩やかに下れば、田茂萢岳稜線への分岐を過ぎ、毛無岱と呼ばれる湿原の最上部に出る。
(左)大岳ヒュッテ(避難小屋)で休憩。(右)ナナカマドが色づき、木道に湿原が続く草紅葉の毛無岱。
霧雨の中、視界はあまり開けない。ただ、霧の中に広がる草紅葉の湿原も幻想的。思っていたよりも広大な湿原に木道が続いている。途中にはベンチもある。長い下りの木製階段があり、これより上部が上毛無岱、下部が下毛無岱ということらしい。この階段から見おろした下毛無岱の風景は有名だが、今日は視界が開けない。
ところどころ紅葉のナナカマドも点在する下毛無岱を進めば、やがて長かった木道も終わり樹林帯へ。急な木段を下り、沢を横切り多少の上下がブナの美林の中に続く。道標に従って、直進すれば酸ヶ湯温泉に続く分岐を右折して、宿泊予定の城ヶ倉温泉へと向かう。下山した頃には天候も回復してきた。山行中を狙ったように雨雲が通過したようで、少々恨めしかった。
(左)上毛無岱から下毛無岱へと下る長い階段。下毛無岱を見おろす絶景地だが、今日は霧の中。
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