2019年05月05日
ゴトミキ山[和熊山](上田市)
1610ピークを越え、笹原の道からゴトミキ山が見える。
角間渓谷入口・駐車場858-929松尾城跡-959送電鉄塔1006-1043[1440ピーク]-1129[1610ピーク]-1157ゴトミキ山(和熊山)1233-1301[1610ピーク]-1336[1440ピーク]-1406送電鉄塔1411-1434松尾城跡-1456駐車場
真田から菅平方面に向かうと、すっきりした尾根を従えた山塊が見える。低山派なら何となく登行欲を刺激される姿。そのピークであるゴトミキ山(別名、和熊山)のことを知ったのは、もう四半世紀も前のこと。「ハイグレード・ハイキング 東京周辺(打田鍈一編、第二刷1995年)」に「ゴトニキ山」の名で掲載されていた。そんなわけで、ゴトミキ山という名の方が親しみがある。ようやく、この山に登ることとなった。
登山口と山頂の単純な標高差は800mほどあり、里山としては登りごたえがある。上著には随所に展望が開ける記述があるが、いまは樹林が生長して展望は限られる。県道4号(旧菅平有料)の角間渓谷入口の案内板で東に入ると、すぐ右手に「松尾古城」などの掲示がある駐車場が整備されていて、ここに車をとめ歩きはじめる。晴天で気温は25度近くになりそうだという。
(左)角間渓谷入口の駐車場から前方にこれから登る山並。すぐ先の左に登山口がある。(右)赤松に囲まれた松尾城跡。
すぐに「日向畑遺跡入口」の標柱があり左の登山道に入る。道はずっと左に山麓をトラバースし、尾根の突端に出る。右折してこの赤松の尾根をたどる。所々トラロープに従って左を巻きながら登れば、社や石積があらわれ松尾城跡の広場へ。赤松に囲まれ、説明板と2つの社がある。その先の堀切を渡り、右・赤松、左・雑木の尾根を登る。踏み跡ははっきりしている。やや右に曲がり尾根が広がって大岩を左から巻く。
(左)15番鉄塔から北アルプスの眺め。(右)石積があらわれしばらく緩やかな道に。
送電線巡視路の表示を見た先で、15番鉄塔に登り着く。ここが今日一番の展望地。右手に達磨山方面の尾根から上田市街、振り返ると鉄塔がやや邪魔だが、北アルプスの連なりが眺められる。雑木の尾根を直登し石積があらわれると、その先は平坦路に。ちょっとした岩の上を越え、1440ピーク(増尾山)までは緩やかな道が続く。明るく気持ちよい雑木林の尾根道。
(左)雑木林の中、緩やかな尾根道。(右)樹間に1610とゴトメキ山が見えてくる。
1440からはいったん急降下。前方樹間にゴトミキ山の山頂、左手樹間には四阿山方面が認められる。鞍部から標高差200m強の登り返しがきついところ。落葉と石が覆った斜面は踏み跡が錯綜するが、マークを頼りに尾根を直登する。息を切らして1610ピーク(九竜=和熊山北峰)に登り着く。木の幹に「和熊山」の手製山名標があるが、ここを和熊山の本峰とするのが適当なのかわからない。ここで尾根は右に曲がる。
(左)鞍部から1610へ今日一番の登り。(右)1610ピーク(九竜)。
雰囲気のよい低い笹と唐松林の中、薄い踏み跡を追っていったん鞍部へ下る。途中、振り返ると北に妙高・高妻、西に北アルプスの展望が得られる箇所がある。鞍部からは石と落葉の踏み跡微かな急登で、ゴトミキ山(和熊山)の山頂にたどり着く。東に向かいなだらかに広がる山頂は、樹林に囲まれ、落葉の樹間から四阿山や烏帽子岳が微かに見える程度。手製の「御刀御木山」という山名標がある。
(左)ゴトミキ山への最後の登り。(右)ゴトミキ山の山頂。樹間から四阿山方面。
下山は往路を戻った。誰にも会わないと思っていたが、意外にも女性の単独行者が先行していて、山頂直下ですれ違った。踏み跡微かな箇所もあるが、尾根の形は明瞭で迷う心配は少ない。テープマークは多数あり、ヤブっぽさはほとんどない。いまとなっては薮山とはいえないのかもしれない。なお、途中ピークの山名などは宮坂七郎著「新版・信州の山 中部上巻」の記載も参考にした。
(左)ゴトミキ山への登りから振り返ると高妻・妙高の展望。
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