チングルマ咲く稜線から笠ヶ岳を望む。
［第１日（7/25）］新穂高温泉747－847笠新道登山口852－926小池新道入口929－1021秩父沢出合1050－1157シシウドヶ原1213－1304鏡池1316－1318鏡平山荘・泊
［第２日（7/26）］鏡平山荘514－600弓折乗越605－617花見平624－633弓折乗越637－643弓折岳647－704大ノマ乗越710－742大ノマ岳－825秩父平833－940笠新道分岐947－1047笠ヶ岳山荘1051－1102笠ヶ岳1115－1121笠ヶ岳山荘1135－1242笠新道分岐1244－1340杓子平1352－1634笠新道登山口1642－1737新穂高ロープウェイ
笠新道を日帰りピストンする健脚者もいるようだが、笠新道を登る自信がなかったので弓折岳方面から稜線を伝うことにした。当初は２泊（鏡平山荘・笠ヶ岳山荘）の予定。しかし、３日目は台風による荒天が見込まれ、また、意外に早く笠ヶ岳に到着したため笠ヶ岳山荘には宿泊せず、２日目のうちに新穂高に下ることにした。
（左）秩父沢出合で水を補給。（右）シシウドヶ原。
新穂高温泉から長い林道歩き。小池新道に入り、石ゴロと樹林帯が交錯する道を登って行く。小池新道を登るのは４回目。この道は風が通りにくいのか、いつも暑い印象があるが、今日は雲が多くさほどでもない。秩父沢出合で休憩。雪渓からの水を補給する。少しずつミヤマキンポウゲなども見られ、シシウドヶ原で右折。山腹右手を巻き、熊の踊り場を過ぎてコバイケイソウ咲く鏡池へ。
（左）鏡池。雲が多く槍の展望はこの程度。（右）鏡平山荘。
雲が多く、有名な槍穂高の展望は霞みがち。鏡平山荘で宿泊。まずは名物のかき氷をいただき、身体をクールダウン。部屋はひとりずつセパレートされていて安心できた。宿泊者は30人程度。翌朝はまず稜線への登りから。振り返ると眼下に鏡池、向こうに槍と穂高。コバイケイソウが増えて弓折乗越。少々寄り道をして、花見平まで往復。残雪の脇にハクサンイチゲやシナノキンバイが咲いていた。
（左）弓折乗越付近から望む槍穂高。（右）花見平。
弓折乗越に戻り笠ヶ岳への縦走路へ。笠ヶ岳への稜線が見渡せる弓折岳に立ち寄り、樹林の下りから大ノマ乗越を介して、最初は急な大ノマ岳への登り。やがて残雪にチングルマ、コバイケイソウの花畑が広がり登りのつらさを癒してくれる。大ノマ岳左下を巻き、その南側ピークから振り返ると双六方面が展望できた。岩場や切れ落ちた道から、背の高いハイマツで歩きにくい箇所を経て秩父平へ。
（左）弓折岳から望む笠ヶ岳への稜線。（右）大ノマ岳への登りの花畑。
前方に見える斜面には残雪があり、カールのように見える。斜面をチングルマ・ハクサンイチゲ・シナノキンバイなどが覆いつくしている。雷鳥の鳴き声が聞こえたが、姿は見つけられず。この斜面を登り稜線（2667南側の肩）に着くと黒部五郎・薬師方面を見渡せた。その先からは高低差の少ないハイマツの道が稜上に続く。抜戸岳直下で笠新道と合流。まだ笠ヶ岳までなかなか遠く見える。
（左）秩父平からの登りの花畑。（右）稜線から黒部五郎・薬師を望む。
（左）ハイマツの稜線から笠ヶ岳。（右）テント場から笠ヶ岳を望む。
ハイマツや花畑が交互にあらわれる中、アップダウンを繰り返す。テント場を過ぎ残雪を横切れば、笠ヶ岳小屋。小屋で宿泊のキャンセルを伝え、目の前の笠ヶ岳へガラガラとした石を踏んで登る。笠ヶ岳山頂にたどり着いたときには、周囲は雲に覆われてはかばかしい展望は得られなかった。下山は抜戸岳直下の分岐まで戻り、笠新道を下る。しばらくは残雪に花畑が広がる斜面を下っていく。
（左）笠ヶ岳山頂。（右）笠新道の下り。杓子平までは花畑を見ながら。
その斜面の終わりに杓子平の標柱がある。尾根を乗り越し、反対側の斜面を折り返しながら降下していく。最初はコバイケイソウも見られるが、足元は岩の段差が多く歩きにくい。ダケカンバの樹林に出入りし高度を下げると、標高2,070m付近の開けた尾根でササユリが見られた。針葉樹林に入ると少し歩きやすくなる。ブナやナラの樹林帯に入ると水場のある登山口は近い。予想はしていたが時間がかかった。
（左）コバイケイソウも見られる下り。（右）足元は岩が多く下りにくい。
あとは薄暗くなりかけた中、林道を歩いて新穂高ロープウェイのバス停へ。稜線の花畑はどこも素晴らしかった。ハクサンイチゲ・チングルマ・シナノキンバイなど。特にコバイケイソウが多く見られたが、今年は当たり年だろうか。２日目は、朝は好天だったが次第に雲が多くなり、笠ヶ岳の姿も隠れがちになったのがやや残念だった。平湯温泉「ひらゆの森」で汗を流して帰路についた。
（左）途中、ササユリも見られた。
［参考］鏡池山荘（１泊２食） 13,000円
平湯温泉「ひらゆの森」 600円
