2024年05月03日
横尾山~女山 [川上村/山梨県北杜市]
女山北東尾根途中の露岩から男山・天狗山方面を展望する。
信州峠748-832カヤトの原834-856横尾山903-934豆腐岩940-1010林道交差(1633北側)1015-1106女山1131-1200「1628標高点」1200-1214「1524標高点」1219-1258林道に出る1302-1349信濃川上駅
「女山」はずっと前から気になっていた山。川上村北側にある「男山」と対峙するような場所にある。名前の通り穏やかな山容だが、明瞭な登山道はないという。横尾山から信濃川上駅までをつなぐルートで歩いてみた。信濃川上駅前の村営駐車場(無料)に車を置き、予約しておいたタクシーで信州峠へ。
(左)急登が緩むとカヤトの原。八ヶ岳を望む。(右)秩父連山と富士山を展望。
(左)横尾山の山頂。(右)横尾山の少し西の笹原から八ヶ岳を望む。
信州峠から横尾山経由で飯盛山へは24年前に歩いている。横尾山までは歩きやすい道だった記憶しかないが、標高1600mからカヤトの原(標高1750)まではそれなりの急登だった。登り着いたカヤトの原からは富士山・秩父連山・南アルプス・八ヶ岳など、素晴らしい展望。小ピークをいくつも越えて横尾山へ、さらに八ヶ岳展望の笹原を経て豆腐岩へ。ここで右折。この先、登山道はない。
(左)豆腐岩で右折。道のない尾根を下る。(右)笹原が広がる平坦地。
豆腐岩から北東に下る尾根には微かな薄い踏み跡があるくらい。足元は笹や枝木が煩わしいが問題なく歩ける。急坂を下った先には笹原が広がる平坦地。1633北側の林道と交差し、その先は手入れされたカラマツ林を進む。標高1600m付近からは急登が続くが、ここが一番の頑張りどころ。道はないがヤブもない。勾配が緩み北に進めば手製の山名標がある女山の山頂。木の間から八ヶ岳が見えた。
(左)林道と交差した先はカラマツ林。(右)女山への急登。
(左)女山の山頂。(右)女山からの下りにある露岩帯。慎重に下る。
その先は1628、1524、1352の各標高点をたどって北北東へ尾根を下る。唯一注意したいのが女山から北東に下った尾根の標高1650mあたりの露岩帯。急な岩場を慎重に下る。正面には男山・天狗山方面の展望が得られた。周囲は標高を下げると雑木林からカラマツやアカマツの林にかわる。
(左)1628標高点の前後は雑木林が広がる気持ちの良い尾根。
下りでは途中の尾根の分岐を間違えなければ、問題なく歩けると思う。最後はカラマツの植林帯の中、笹を漕いで林道に出て、それから信濃川上駅まで舗装道を歩いた。横尾山までの間(歩きやすい一般登山道)では2組(6人)とすれ違ったが、その後は当然ながら他の登山者には出会わなかった。
[参考]川上観光タクシー:信濃川上駅~信州峠 約15分 4,100円
2024年04月14日
八風山~平尾富士(軽井沢町/佐久市/御代田町)
途中の伐採地から浅間山を望む。
上発地バス停758-842大平林道終点-918八風山930-1006舗装林道交差1006-1023岩場の左巻く難所1028-1112「1258三角点」-1224「1134標高点」1242-1340平尾富士1354-1425パラダスキー場下1430-1519御代田駅
八風山から平尾富士までの稜線を、赤線つなぎを兼ねて歩いてみようと思う。過去の山行記録も数えるほどしか見たことがないので、行程について少し詳しく記しておきたい。特に八風山側から1228標高点あたりまでは整備された登山道ではないし、危険箇所もあるので一般的にはお勧めできない。地形としてはあまり難しい所はないが、尾根の分岐では方向確認が必要。
(左)八風山への斜面。(右)八風山の山頂。
軽井沢駅からの町内循環バスを上発地バス停で降り、大平林道を歩いてハ風山頂下を巻く車道に出る。その先、八風山まではショートカットしようとしたので、踏み跡薄い笹の中を歩く。八風山頂には4人の登山者。軽井沢の中心地や西上州方面の山並を見渡し、少し場所をずらせば浅間山がきれいに見える。
(左)稜線上にはテープマーク有り。(右)舗装林道と交差し前方の尾根へ。
今日はここからが本番。道のない稜線を西に向かう。意外なことにテープマークがあり、境界標も目印になるものの、足元は笹が覆い歩きにくい。舗装林道と交差した先、ヒノキ林の多い尾根に取付く。
(左)岩場の左を巻く危険箇所。(右)ロープが設置された急登。
その先がこのルートの核心部。目の前にあらわれた岩場の左を巻く。岩場の上部には石仏が祀られている。足場は細く落葉の下の土が滑る。左下に滑落しないように、切れ落ちた斜面にしがみつきながら進む。その先のピークへは設置されたロープを頼りに、高度感ある痩せ尾根を登る。
(左)1258三角点のピーク。(右)「クマ注意」の看板がある1228標高点。
(左)1228を過ぎると明瞭な道に。(右)トレラン用?マークが頻繁にある。
岩場を過ぎると笹原が広がる。1258三角点峰(三角点は笹の中で見つけられず)の次の緩やかなピークでは、目の前に伐採地が広がる。想定外の視界の広がりが嬉しい。伐採地の作業道からは、浅間山がきれいに見えた。その先は樹林帯に入り、1228あたりから道はずっと明瞭で歩きやすくなる。マークが頻繁にあらわれるようになるが、トレラン大会のために整備されたものだろうか。
(左)平尾富士の山頂。(右)平尾富士から蓼科山・八ヶ岳の展望。霞んでいた。
トレランコースのままに歩いていると伐採地があらわれるが、ここで左の尾根にはい上がる。山腹の左を巻いて、尾根の東南端で右折して平尾富士へ。平尾富士の山頂は広場が整備されていて絶景が広がる。蓼科山や八ヶ岳が霞み、浅間山が大きい。あとはパラダのスキー場最上部からゲレンデを下り、御代田駅まで歩き、しなの鉄道で帰途についた。
(左)平尾富士山頂から浅間山を望む。
[参考]軽井沢町内循環バス:軽井沢駅740~754上発地バス停(100円)
2023年04月20日
大上峠~ククリ岩~十石峠 (佐久穂町/群馬県南牧村・上野村)
ククリ岩からつつじの花の向こうに八ヶ岳方面を望む。
古谷ダム651-726大上峠-831「1330圏ピーク」-926ククリ岩分岐(大野沢峠)-947ククリ岩(栗木立)957-1014ククリ岩分岐(大野沢峠)-1135大仁田越1138-1249鉄塔1214-1233上臼石(1446m)-1244林道に下る-1300十石峠1310-1432古谷ダム
今回は先人の登山記録も参考にしながら、上信県境の大上峠から十石峠までをたどる。この間は整備された登山道ではない。思ったよりも踏み跡が鮮明な箇所が多かったけれど、不明瞭なところも多い。特に尾根の分岐や平坦になった場所では、進む方向をしっかり確認する必要がある。
(左)稜線への登りはロープもある急登。(右)苔むした細尾根。
佐久穂町中心部から国道299号で十石峠方面に向かい古谷ダムへ。古谷ダム管理事務所前の駐車スペースに車をとめる。少し戻って大上峠への林道を歩く。大上峠で右折して山腹を登る。ロープが設置された急坂を登れば稜線上に出て左折する。その先、1290m圏ピークへの急登にもロープがあった。それなりに歩く人がいるということか。苔むした細尾根を過ぎ、1330m圏ピークで左折。
(左)1312の北側を巻くあたり。(右)ククリ岩へは急登。
その先の尾根の分岐は、倒木で歩きにくい左の尾根を下るのが正解。峠状の鞍部を経て1312北側を巻いていく。この辺りは平坦でややわかりにくい。右手の1310m圏ピークに立ち寄って左折すれば大野沢峠(ククリ岩分岐)。小ピークをひとつ越えて北東にあるククリ岩へ登る。ククリ岩山頂直下は急登、左側を回り込むように登る。
(左)ククリ岩の山頂。(右)大野沢峠南のピークからククリ岩を振り返る。
山頂付近はミツバツツジの花がきれいだった。木々の上から八ヶ岳方面がわずかに望めた。大野沢峠まで戻り稜線を南下すれば、次のピークからはククリ岩を振り返ることができた。1276の鞍部では古い林道を横切って先方山腹の左を進む。このあたりから、稜線上を進まないことが多くなり注意が必要。1408は左側を細い踏み跡で巻き左の尾根を下る。
(左)新緑が美しかった。(右)大仁田越え。
踏み跡は稜線の左下を進むようになるが、このあたりは芽吹きの新緑が美しかった。1379に登り着いて、下ったところが大仁田越。石仏がいくつかあり、東に西上州の山並を望む。左下に林道が見えた。その先の尾根に登り左折して鉄塔の下まで行くと、南には四方原山方面の山並が展望できた。その後、鞍部の鉄塔を過ぎ、右手を巻くように進んだ鉄塔からは茂来山方面が展望できた。
(左)大仁田越南東の鉄塔から四方原山方面。(右)上臼石北側の鉄塔から茂来山方面。
ヤブがちな斜面を登って、樹林の中の上臼石(1446三角点)に到着。尾根を南に下ったところで林道に降りて、十石峠まで林道を歩いた。さらに国道299号を歩いて古谷ダムに戻った。視界のきかない山域であるが、明るい雑木林、芽吹き始めた新緑、ミツバツツジの花などを楽しむことができた。数ヶ所の展望も気温が高くて霞み、最後の車道歩きが暑くてまいった。
(左)ここで林道に下る。
2023年04月14日
鉄平石山(横見山)~海遠点 (佐久穂町/群馬県南牧村)
1331ピーク北東の尾根上からカラマツ林越しに鉄平石山を望む
余地ダム752-839余地峠847-934鉄平石山(横見山)941-1023日本で海岸線から一番遠い地点1034-1114鉄平石山(横見山)-1123鉄平石採石場1143-1210余地ダム
前回に引き続き佐久東部(上信県境)の低山歩き。宮坂七郎「新版 信州の山(中部下巻)」には「鉄平石山」の名前で掲載されている1337三角点が一応の目的地。ヤマレコでは「横見山」、三角点名は「余地」。ついでに「日本で海岸線から一番遠い地点(以下「海遠点」)まで足をのばし赤線をつなげたい。なお、余地峠~鉄平石山~海遠点の間は整備された登山道ではない。
(左)余地ダムの先の林道ゲート。(右)余地峠。
余地ダムの舗装区画された駐車場に車をとめる。その先の林道ゲートを越えて、余地峠までは林道歩き。余地峠で左折して北側にある小ピークを目指す。カラマツや雑木林の中、意外と踏み跡も明瞭。ピークで左折すれば樹間に鉄平石山が見える。林道終点に出てそのまま尾根へ直進した後、1331は右を巻いていく。このあたりはマークも豊富。
(左)余地峠で左折。(右)林道終点から鉄平石山(中央)を望む。
1331から北北東に伸びる尾根を越し、足元に笹が増えるあたりでマークはなくなる。ここがややわかりにくい。北へ尾根をたどり、左折して急登すれば雑木林の中で展望のない鉄平石山(横見山)。その先すぐの小鞍部から右へ下り、海遠点を目指す。踏み跡は薄くなる。マークはところどころ。尾根の突端(1260圏)で左折して下るあたりは尾根が広がり方向が定めにくい。
(左)鉄平石山の山頂。(右)尾根の突端で左折。この先はややわかりにくい。
鞍部から1240圏のピークに登り返し、その先の左右に分岐する尾根の間の谷を下れば海遠点へ。雑木林の中の変哲もない所だが、3回目の訪問になる。雨川ダム方面から登ってきた登山者がいて、少し言葉を交わした。来た道を戻り鉄平石山へ。少し西に行けば鉄平石採石場の上部に出る。南側が開けていて、本日唯一の展望が得られた。
(左)海遠点までの間の鞍部。明るい雑木林。(右)海遠点の標柱。
晴れていれば右手前方に八ヶ岳が望めると思うが、今日は黄砂のためか霞んでいる。正面には茂来山から四方原山への稜線を望むことができた。採石の作業は、いまは行われていない様子。採石場から舗装林道を歩いて余地ダムに戻った。予想していたよりもずいぶん早い時間で歩くことができた。
(左)鉄平石採石場上部からの展望。茂来山から四方原山方面。
2023年04月10日
海遠点・榊山~小唐沢山~霊仙峰(佐久市)
小唐沢山から八ヶ岳連峰を望む。
雨川砂防ダム駐車場750-752「日本で海から一番遠い地点」登山口-828沢二股分岐-852日本で海岸線から一番遠い地点859-912県境ピーク(榊山南ピーク=左の耳)916-榊山-921県境ピーク928-954右の耳-1033小唐沢山1049-1125霊仙峰1151-1243田口峠(兜岩山登山口)1251-1353雨川砂防ダム駐車場
「日本で海岸線から一番遠い地点」(以下「海遠点」)は以前一度訪れたことがあるが、そこから霊仙峰・田口峠まで尾根伝いに歩けることをネット上の記録で知って歩いてみた。全体に視界のきかない山域で、唯一視界が開けたのは小唐沢山から八ヶ岳の展望。しかし、落葉した明るい雑木林の中を歩くのは気持ちよかった。
(左)海遠点への登山口(林道ゲート)。(右)途中から沢状の道が荒れている。
旧臼田町中心部から県道93号を田口峠に向かう。雨川ダム湖を過ぎると、右に「日本で海から1番遠い地点」の案内板がある。そこを右折して橋を渡ったところで左折すれば林道ゲートがあり、そこが登山口。右方向に進めば駐車できるスペースがある。最初は林道歩き。沢を渡渉したあたりから登山道らしくなる。案内標識は随所にあるが、沢が二股にわかれる地点から先は、倒木などで道が荒れている。
(左)海遠点の標柱。(右)海遠点北側の雑木の平坦地。
倒木を跨いだりして進めば沢の源頭に出て、わずかに右に進めば雑木林に囲まれて「海遠点」の標柱が立っている。そこから榊山にかけてはところどころマークはあるものの踏み跡は不明瞭。気持ちの良い雑木林の中を榊山まで歩いて、左の耳まで戻る。ここからが未踏のルート。南に山腹を下り、右手の尾根にのる。
(左)榊山の山頂。(右)尾根を進むと正面樹間に小唐沢山。
(左)塔渡り状のやせ尾根。(右)右の耳から小唐沢山を望む。
正面の樹間に小唐沢山が見えるけれど、尾根はここから左へ大きく迂回する。塔渡り状のやせ尾根を経て急登をこなし右の耳へ。その先、小唐沢山へは今日一番の急登。木枝につかまりながら身体を持ち上げるようにして、ようやくピークにたどり着く。小唐沢山からは西に八ヶ岳連峰を望むことができた。北アルプスや浅間山などの眺めは、樹木が邪魔してもどかしい。
(左)小唐沢山への急登。(右)小唐沢山から望む八ヶ岳連峰。
小唐沢山からの下りも急坂。樹間に西上州方面の山並を見ながら進んで、霊仙峰への登りにかかる。急登だが小唐沢山の登りに比べればずっと楽。三角点のある霊仙峰は明るい雑木林に囲まれていて、雰囲気は悪くないが展望はない。霊仙峰からは北に下るが、右手の尾根にのるのを間違えないように。ここからは下山になるのだが、途中小ピークをいくつか越えるので簡単な下山というわけにはいかない。
(左)霊仙峰手前の尾根道。(右)霊仙峰の山頂。
途中、ヒノキ林のある方向へ尾根を左折し、その先もピークを越えながら最後は県道へと下った。田口峠の少し下に出て、あとは舗装された県道を駐車場所まで歩いた。海園点からは整備された登山道ではないので、地形を見て進む。ヤブはほとんどないが、マークは期待できないし、踏み跡も全体的に不明瞭。尾根をたどるのでさほど難しくはないが、尾根の分岐では進む方向を見定める必要がある。
(左)田口峠に到着。
2022年11月11日
天狗山~男山[川上村側から](川上村/南相木村)
男山手前で振り返り天狗山の独特の姿を望む。
信濃川上駅702=(川上村営バス)710大深山中央バス停712-800防獣柵-910稜線に出る915-949天狗山1012-1102垣越山-1152男山1228-1254林道終点1300-1348男山登山口-1411信濃川上駅
天狗山へは以前、馬越峠から登ったことがある。馬越峠と天狗山の間のコルへ南側から登る登山道が地図上では示してあり、今回はそれをたどるつもりだった。信濃川上駅前の村営駐車場に車をとめ、村営バスに乗り大深山中央で下車。レタス畑の中の車道を北に歩き、樹林帯に入って防獣柵をくぐる。その先(標高約1,430m)から踏み跡が薄くなり、道のない斜面を適当に登ることになった。
(左)レタス畑から天狗山を望む。(右)破線に沿ったルートは踏み跡不鮮明。
地図上の破線に忠実に歩いたつもりだが、落葉と浮石で足元が崩れやすい急斜面で一般的には勧められない。稜線上のもう少し天狗山寄りに明瞭な道の分岐があり、その場所に地図も掲げられていたので、途中からもう少し西側に進むのが、いまの歩きやすいルートと思う。
(左)ロープのある岩場が随所に。(右)天狗山山頂。男山越しに八ヶ岳連峰。
稜線に出てしまえば明瞭な道が続くが、ロープの設置された岩場が断続的にあらわれる。岩場からは周囲の展望も楽しみつつ登れば天狗山の山頂へ。快晴に恵まれ展望が広がる。目の前の西方向には、男山の向こうに八ヶ岳連峰、その左には南アルプス・奥秩父の山々が連なる。金峰山の五丈岩や瑞牆山の右には富士山がかすんでいる。振り返れば御座山。山麓にはカラマツの紅葉が広がっている。
(左)中間鞍部付近は緩やか。(右)男山の山頂。右に八ヶ岳、左に南アルプス。
天狗山から西に向かって急な下り。中間鞍部付近は明るく緩やかなカラマツや雑木林となり少々ほっとする。立原高原からの道を合わせると、まもなく樹林の中の垣越山。その先、岩場が続く場所からは右手前方に男山の姿を望む。振り返ると天狗山の独特の姿。小ピークの右下を巻くあたりは北八ツを思わせる苔むした針葉樹林帯。最後に急な岩場を登ると男山の山頂。
(左)男山から金峰山と瑞牆山、その右に富士山。(右)振り向くと御座山方面。
ここも周囲の展望が広がっている。天狗山よりも八ヶ岳が近い。下山は東側に少し戻った鞍部から、「御所平へ」の案内板に従って南側へ下る。急な下りは雑木林からカラマツ林に。短時間で林道終点に出たが、そのあとの林道歩きが長かった。山中で出会った登山者は2人だけだった。
(左)林道の途中から男山を振り返る。
[参考]川上村営バス 信濃川上駅前~大深山中央 220円
2022年04月22日
日本で海から一番遠い地点(海遠点)~榊山 (佐久市)
「海遠点」からひと登りした平坦地は気持ちのよい雑木林
登山口(林道ゲート)817-844林道終点-855右股の沢へ-922海遠点928-940左の耳(榊山南ピーク)-946榊山951-1000左の耳-1009海遠点1019-1042沢二股-1052林道-1111登山口ゲート
「日本で海から一番遠い地点(以下、海遠点)」などというのは人間が勝手に決めたもので、これまであまり興味はなかった。しかし、過去の登山記録の写真を見ると、周囲の森林の雰囲気は悪くなかったので訪れてみる気になった。旧臼田町中心から県道93号を田口峠方面に向かう。雨川ダム湖を過ぎ、「海遠点」の標識に従って右折、橋を渡ると左手は林道ゲート。右へ進むと駐車できる広場がある。
(左)林道ゲートから歩きはじめる。(右)林道終点。渡渉して山道へ。
先程のゲートの脇を抜けて歩きはじめる。途中、頻繁に案内板があり迷う心配はない。前半は林道歩き。林道終点で沢を渡渉して、沢沿いの細い道を進む。沢が二股に分かれる地点で右に進むが、ここからは沢が荒れていて大変だった。倒木が多く、道は崩れ形をあまりとどめていない。それでも進退に窮するほどのところはない。沢を最後まで詰めると「海遠点」に到着する。
(左)沢筋は荒れている。(右)標柱や説明板がある海遠点。
「海遠点」を示す標柱と説明板。雑木林に囲まれたすり鉢状の地形で雰囲気はよい。ここからは道はない。テープマークも点在するが、あまり頼りにならない。地形を見て自分で方向を定めて進めば、さほど難しくはない。目の前の稜線に登り、左へ。その先の平坦地は、落葉した雑木林で気持ちの良いところ。正面の少々急な斜面を登り、なだらかに進むと「左の耳(榊山南ピーク)」。
(左)道はないが前方の稜線へ。(右)マークもところどころ。
鞍部を経て前方の稜線に登って、左に進めば榊山。樹林の中に三角点が佇んでいる。展望はないが、樹間から荒船山の特徴的な姿がかすかに見えた。下山は往路を戻った。今後も「海遠点」をアピールするのであれば、沢沿いの道を整備し直すか、尾根伝いに新たに道をつけた方がいいと思う。
(左)榊山の山頂。木々に囲まれ展望はない。
2021年10月30日
四方原山[鍵掛沢から 十石峠へ](佐久穂町/北相木村/群馬県上野村)
色づきはじめた樹林帯を行く(1685南側を巻く)
乙女の森741-807尾根にのる-837「1281」を巻く-918展望地(痩せた岩尾根の上)-937「1564標高点」-945林道-1011四方原山1018-1043階段降り林道-1116「1632」南側巻く-1212林道-1246林道十山線分岐-1318電波塔西側で車道へ-1349十石峠1354-1457乙女の森
秋晴れの天気だが、展望のないヤブ山へ。北側のR299沿いから四方原山へ向かう。樹林帯の雰囲気は悪くないけれど、紅葉の色づきはこれからだろうか。終始、道ははっきりせず、かすかな踏み跡とテープマークを頼りに地形を見ながら進む山行となった。「乙女の森」(休業中)休憩舎前の駐車場に車をとめ、すぐ先を右折して林道に入る。10分ほどで右手に古い登山口の案内板があり、登山道に入る。
(左)道標のある登山口。(右)倒木で歩けない沢沿いの道を回避して尾根へ。
最初はヤブがちだが、道はすぐ明瞭に。しかし、沢沿いのこの登山道はすぐに倒木で歩ける状態でなくなる。やむなく右手の尾根を目指して斜面を這い上がる。途中、木にテープマークがあり少し安心する。尾根に登り着いたら、左へと踏み跡をたどる。緩急の尾根をたどった先の大岩を左から巻いて、左下に見えた本来の登山道に合流。その先はしばらく明瞭で歩きやすい道。1281は右側を巻いて行く。
(左)尾根の合流点。(右)痩せた岩尾根を攀じ登る。
標高1370m付近で古谷ダム方面からの尾根が合流。文字の読めない道標が転がっている。標高1400m付近から急登となり、その先は痩せた岩尾根。左右が切れ落ちて緊張する難所を、手足を使って攀じ登る。登った先で振り返ると浅間山方面の展望が得られた。1564付近は岩に倒木や伐採木が混ざり歩きにくい。その先で地形はやや平坦になるがシダが茂り踏み跡は不明に。テープマークを見ながら進む。
(左)岩尾根上部から浅間山方面を展望。(右)シダが茂り踏み跡不鮮明。
標高1570m付近で林道に出て、左へ少し進んだところのテープマークから四方原山の山上台地に取付く。緩やかな山上台地は進む方向がわかりにくいが、地形を見ながら南へ進み右折して西へ。四方原山の山頂に到着。周囲をカラマツなどの樹林に囲まれ展望はない。これほど見どころのない山頂も珍しいが、ここを訪れるのはなぜか3回目。
(左)四方原山の山頂。(右)階段上から西上州の山並み。
四方原山を辞して東へ進む。岩場や痩せ尾根の先、右手のコンクリート階段を下って林道にいったん降りる。階段の上からは西上州の山並みを展望。前方の尾根に取付き、やがて稜線右下の巻道となる。この区間は以前も歩いたので、1632・1685の両ピークには寄らず、今日はずっと巻道を進む。
(左)階段を下り林道へ。(右)1632・1685の南側を巻いて進む。。
1632の南側を巻くあたりは倒木が多いし、踏み跡も崩れがちな箇所が多い。展望は得られないが、樹林の色づきも少しずつ。1622北西で林道に出る。カーブミラーがある。林道を栂峠方向(南東)に向かった後、北東に進み林道十山線を左に見送り右折。1626の南側を巻く細い道を進む。途中、1626の南東側の尾根を乗越すあたりがわかりにくい。1531電波塔の手前で車道に出て、そのまま十石峠へ。
(左)1622北西で林道に出る。(右)1626南側を巻く細い道。
十石峠にある展望台に登ったが、気温が高すぎるのか霞んでいて景色はいまひとつ。国道299号を西へ歩いて「乙女の森」に戻った。登山道の倒木や、途中の危険な痩せた岩尾根、茨の蔓延るヤブっぽい箇所もあり、予想していたよりも苦労した。ヤブ山のトレーニングをしたと思えばいいのかも。山中で他の登山者とはひとりも会わなかった。かつてはメジャーな山域だったのだろうが。
(左)十石峠の展望台。
2021年05月29日
三宝山~甲武信岳[毛木平からシャクナゲ咲く十文字峠経由](川上村/埼玉県秩父市)
大山の山頂から三宝山を望む。
毛木平550-701八丁坂の頭-722十文字小屋735-818大山823-903武信白岩山-933尻岩-1027三宝山1104-1135甲武信岳1158-1223千曲川水源地標-1317滑滝1322-1422大山祇󠄀神社-1445毛木平
久しぶりの奥秩父。三宝山から北の十文字峠あたりを歩いたことがなかったので、ちょうどシャクナゲの季節であることに思い当たり、甲武信岳を含めて周回で歩いてみることにした。足の遅い私には日帰りはギリギリかなと思ったが、それなりの時間で歩くことができた。朝5時半、毛木平の駐車場にはまだ数台の空きがあった。ただ、下山時には手前の林道に20台ほど路駐があった。
(左)八丁坂の登り。(右)八丁坂の頭
しばらく歩いて千曲川源流へ向かう道から左折。橋を渡り山腹を回り込んで沢沿いに進む。沢は一昨年の台風のせいか荒れている。道は徐々に右の山腹へと取り付いて、八丁坂と呼ばれる九十九折の急登となる。標高差200m弱で八丁坂の頭と呼ばれる稜線に着き、あとは針葉樹林の緩やかな道を進んで十文字峠へ。すぐ先の十文字小屋周辺には満開のシャクナゲが咲いていた。防獣のネットが少々痛々しい。
(左)十文字小屋のシャクナゲ。(右)岩と木の根が混ざる登り
この先少し標高の高いところは、まだツボミが多かったのでこれからが最盛期か。岩と木の根で歩きにくい登りが断続的にあらわれる。大山直前の登りは手足を使う岩場に鎖が4箇所。登り着くと展望が開ける。右に川上村方面、正面には三宝山が大きい(冒頭写真)。ピークを右に巻き、小さなアップダウンを繰り返すと武信白岩山の基部に着く。山頂の岩峰へは×印が書かれているが登頂禁止なのか。
(左)大山への鎖のある岩場。(右)武信白岩山の南のピークも岩峰。
鎖のある次のピーク(武信白岩山の南のピーク)も岩場で展望が開ける。その次の2288ピークを右に巻いて下り、尻岩という大岩がある鞍部へ。ここから三宝山へはだらだらとした長い登り。針葉樹林の中、足元に広がる美しい苔に元気づけられながら登る。到着した三宝山は樹林の中で展望はない。数人の登山者が休んでいるが私も昼食休憩。その後、鞍部を介して甲武信岳へと登る。
(左)三宝山への登りは苔が美しい。(右)三宝山の山頂
甲武信岳の山頂は身体を吹き飛ばされそうな強風が吹いていて、多くの人が登ってくるが、みんな写真を撮っただけで立ち去って行く。目の前に金峰山へ続く奥秩父縦走路。雲が多いけれど、富士山や八ヶ岳はやや霞みながらもなんとか展望することができた。過去2回は奥秩父縦走のようなかたちで登っているけれど、今回の甲武信岳は少し別の感慨がある。
(左)三宝山南側から甲武信岳を望む。(右)甲武信岳山頂。右に富士山が霞む。
(左)甲武信岳山頂から三宝山を望む。(右)金峰山・八ヶ岳方面。
下山にとった千曲川水源地標経由の道は、やはり長く感じられた。甲武信岳西側のガレ場を下った後は緩やかに進み、稜線から右折して水源地標へ。その先は沢が荒れているためか、右上に付け替えられた高巻道をたどる。滑滝がほぼ中間点か。途中、「源流まで何km」の道標があるので目安になる。美林の歩きやすい広道や、岩の際を進む細い道が交互にあらわれる登山道を下って毛木平にたどり着いた。
(左)滑滝。「甲武信岳2時間」の道標がある。
2020年11月15日
金峰山[廻り目平から](川上村/山梨県甲府市/北杜市)
金峰山からの展望。手前に瑞牆山・小川山。その向こうに八ヶ岳・北アルプス。
金峰山荘709-802中ノ沢出合(林道終点)807-825最終水場-846中間地点850-940金峰山小屋-1001金峰山1028-1100砂払ノ頭-1151大日岩北側1222-1246八丁平-1321中ノ沢出合(林道)-1407金峰山荘
先日登った御座山からは五丈岩がしっかり見えた。そこでもう1回、金峰山に登ってみようと思いたった。過去1回は20年以上前、甲武信岳からの縦走で山頂を踏んでいるが、そのときは霧が深く展望は優れなかった。山頂から下って金峰山小屋に宿泊したが、先代の娘さんが小屋を継いですぐの頃。宿泊者は10数人だけで、炬燵を囲み楽しく過ごしたことを憶えている。今回は川上村側から登る。
(左)林道終点。中ノ沢出合。(右)最終水場。
午前7時、金峰山荘の駐車場に車をとめる。まずは、西股沢に沿うつま先上がりの林道を歩く。1時間弱で林道終点(中ノ沢出合)。木橋で沢を渡り、シャクナゲの中、右手にジグザグに登る。その後は沢筋に出て沢の右上(左岸)を登って行く。周囲は唐松と針葉樹が混在する。道が沢に接近して「最終水場」の案内板。標高2000の掲示があって、右手への登りで標高を上げていく。
(左)中間地点。(右)苔むす針葉樹林の道。
斜上トラバースと急登を繰り返し、右手の尾根にのるとシャクナゲの中、「中間地点」の案内板がある。標高2150m。その先はシラビソ・コメツガなど針葉樹林の中、木の根の張り出した尾根を登って行く。2302標高点手前で左に巻き、道は緩やかに。その先は再び針葉樹林帯の中の登り。展望もない中を淡々と登れば、意外とあっけなく金峰山小屋に到着。
(左)金峰山小屋と小川山。(右)ハイマツ帯の登り。
ここに至ってようやく展望が開ける。ハイマツ帯の中、山頂に向かって岩がゴロゴロした道を急登。20分ほどで三角点と山名標がある山頂に到着。いきなり人が多くなり驚く。廻り目平からの登山道で行き会った登山者は4人だけ。しかし、山頂から五丈岩にかけて50人を超える登山者で賑わっている。しかもその後も続々と登ってくる。
(左)金峰山の山頂一帯。五丈岩の右に南ア。(右)五丈岩と富士山。
天気は快晴で、四周の展望をほしいままにする。西は小川山・瑞牆山の向こうに八ヶ岳。その右に北アルプスが霞む。南西には南アルプス。そして南には富士山が大きい。下山は大日岩経由。ハイマツ帯の稜線をいくつもの岩峰を右に巻いて下っていく。足場が見つけにくい岩の登り下りも。砂払ノ頭が最後の展望地。あらためて景色を見渡して、ここから樹林帯に入る。
(左)大日岩への下りから稜線を振り返る。(右)大日岩。
奥秩父らしい樹林帯の急な下りを進めば、大日岩前の道標がある分岐へ。小川山登山道の示す方向に従い、岩によじ登り、左が切れ落ちた岩の上を進む。少々スリリング。テラス状の場所で八ヶ岳と瑞牆山を眺めながら休憩。その先はまったく人に会わない行程となる。
(左)大日岩から八ヶ岳と瑞牆山。(右)八丁平の分岐。
休憩後、シャクナゲと針葉樹の中、岩の左下を巻いて足元が切れ落ちたザレ場を通過して急な下りへ。緩やかになると八丁平の分岐。右折して苔の深い森を進めば、沢音が大きくなる。おおむね砂洗川の左岸を、所々は高巻きもしながら下って行けば林道の終点に出る。あとは淡々と林道を歩いて金峰山荘に帰着。稜線部の快晴の展望、そして奥秩父らしい苔むす針葉樹林帯を楽しむことができた。
(左)八丁平付近の苔と樹林。
[参考]金峰山荘・駐車料金 500円(施設利用料なので1人単位)