2022年02月12日
八ヶ岳[西岳/富士見高原から](富士見町)
西岳山頂から権現岳・編笠山方面を展望。
富士見高原・駐車場741-807五差路-815不動清水-851林道交差(標高1730)903-933林道出合-1111西岳1205-1244林道出合-1258林道交差(標高1730)1308-1322不動清水-1349富士見高原・駐車場
三連休なので人気の山の登山口の駐車場は混雑が予想される。駐車場に余裕があるところを考えて、富士見高原の登山口へ。あわよくば西岳から青年小屋・編笠岳経由の周回を考えていたが、西岳から青年小屋へはトレースがまったくなくて断念。おとなしく、西岳ピストンにとどめた。なお、後で知ったところでは、もう少し遅い時間には青年小屋側からトレースがつけられた模様だ。
(左)富士見高原の駐車場。(右)不動清水。
富士見高原の登山者用駐車場(B-1駐車場)にとめる。朝7時で先着20台、まだまだ駐車できる。道標に従ってしばらく進むと、ゲートがあり登山届箱も設置されている。積雪のある山道から林道に出入りしながら歩いて、五差路分岐。編笠山への道を見送り、左に林道を進むと不動清水。流れは細いが水は出ている。ここから樹林帯の登山道となる。
(左)林道を何回か横切る。(右)標高2,138m小広場。
何回か林道を横切りながら、樹林帯の中の登りが続く。登山道には明瞭なトレースはあるものの、モフモフとした雪。急坂になると踏ん張りがきかない場所も。そのせいか、なんだか今日はきつかった。やわらかい雪なので、アイゼンもきかないけれど、何らかの滑り止めは必要かと思う。私は途中からアイゼン装着。
(左)標高2,300をこえて視界が広がる。(右)振り返ると南アルプス。
西岳へは樹林帯の登りが長く、山頂近くにならないと展望は開けない。標高2,300mを過ぎ、ようやく視界が広がり、振り返ると南アルプスが望める。その先、ひと登りで西岳山頂。薄雲が広がり思ったほどいい天気ではなかったが、富士山や南アルプス・中央アルプス、編笠山・権現岳などを展望することができた。赤岳・阿弥陀岳など八ヶ岳の中心部は樹間から望める程度なのがもどかしい。
(左)西岳山頂。前方は中央アルプスと御嶽。(右)権現岳方面と樹間に赤岳。
今日は風もなく穏やか。山頂には5人ほどの登山者がいたが、青年小屋方面にはトレースがないのを見て、誰もそちらに進もうとしなかった。途中すれ違った登山者は10人ほど。やはり八ヶ岳の中ではマイナーなピークということだろうか。駐車場の台数から見て、編笠山へ向かった人の方が多いと思う。
(左)編笠山の右に富士山。(右)北岳・甲斐駒・仙丈。
2021年08月30日
八ヶ岳[赤岳~美濃戸から文三郎経由・地蔵尾根下山] (茅野市)
展望荘まで下り赤岳を振り返る。少し晴れてきたかな?
美濃戸(赤岳山荘P)612-814行者小屋826-835阿弥陀岳分岐-931稜線(文三郎尾根分岐)941-1006赤岳1034-1104赤岳天望荘1119-1122地蔵の頭-1212行者小屋1229-1415美濃戸(赤岳山荘P)
赤岳へ美濃戸から日帰り。天気予報を吟味して出かけたはずだったが、山頂付近は雲に閉ざされ視界は開けなかった。赤岳・中岳間の稜線や、山頂部は強風が吹きつけていた。下山を始めると少し天候は回復してきたようで、見上げると赤岳の山頂部も見えるようになってきた。赤岳手前の岩場に咲いていたトウヤクリンドウが印象的だった。
(左)南沢沿いの道。(右)行者小屋。
午前6時、平日なので美濃戸(赤岳山荘)の駐車場には十分な空きがあった。まずは南沢経由で行者小屋へ。行者小屋までの標高差は600m、概ね沢沿いの苔と針葉樹の道だが、ところどころは高巻の勾配もある。最後は緩やかな針葉樹の道で行者小屋へ。前方の主稜線は深い雲に覆われている。
(左)文三郎道は階段の連続。(右)行者小屋を振り返る。
今日は文三郎道から登る。樹林帯の登りの先は、階段が連続する。視界が開け、振り返ると雲間から行者小屋を見おろせる。ときどき風が霧を払い、前方に赤岳・中岳間の稜線が見えるようになる。稜線の分岐にたどり着くと、怖いくらいの強風が吹いていた。雨具とヘルメットを装着。
(左)稜線が近づくと強風に。(右)トウヤクリンドウ咲く岩場。
トウヤクリンドウを見ながら、キレットとの分岐を過ぎれば、鎖もあらわれ手足を使う岩場の登り。岩場に入れば風は少し遮られている。竜頭峰北側の分岐で左折して梯子を登れば赤岳山頂。真っ白で展望皆無。しばらく待ったが、風が強く雲は晴れそうにないので赤岳天望荘に向かって下ることにする。岩礫の滑りやすい下り。しかし、展望荘まで下って振り返ると赤岳の姿がくっきりと見えた。
(左)キレット方面との分岐。(右)北側から見た赤岳山頂。
いまは山頂も展望が回復しているのだろうか。横岳方面も少しずつ山並みが見えるようになってきた。下山は地蔵尾根を下る。鎖が連続する岩場の急斜面が続く。行者小屋まで下って振り返れば、朝は見えなかった八ヶ岳の主稜線がそれなりに見えるようになっていた。何となくすっきりしない気分のまま、南沢を歩いて美濃戸へと戻った。平日なのにかなりの登山者とすれ違った。
(左)赤岳展望荘への下り。(右)地蔵の頭から横岳方面を望む。
同じコースでの登山記録はこちら → 「赤岳(2024年6月12日)」
2020年09月27日
八ヶ岳[横岳=杣添尾根往復](南牧村/茅野市)
ハイマツ帯となり前方に見える稜線を目指す。
海ノ口自然郷・横岳登山口707-734貯水池741-859標高2300-917小広場(案内板の標高は2500m)922-951展望デッキ(標高2600)-1037三叉峰1051-1101横岳1112-1123三叉峰1154-1222展望デッキ-1243小広場-1300標高2300-1357貯水池-1419登山口
天気があまりよくなさそうだけれど、ひたすら針葉樹林帯を歩く杣添尾根なら、曇り空でも関係ないと考えることにした。朝7時、海ノ口自然郷(別荘地)奥の登山者用駐車場には10台の先着車。天候のせいか、まだ4台ほどの空きがあった。最初は別荘地の中、車道を何回か横切って歩き、四阿・貯水池・WCのある広場に出る。ここが本来の登山口といった趣き。
(左)海ノ口自然郷の登山口。右手奥に登山者用駐車場(無料)がある。(右)四阿・貯水池・トイレのある広場。
すぐに沢を橋で渡り、あとは苔むした針葉樹林帯の中をひたすら登る。急登が標高2140くらいまで続く。少し勾配が緩むものの、再び少しずつ勾配は増していく。足元は木の根や濡れてすべりやすい岩が多い。倒木が多い一帯を過ぎると、標高2300mの案内板。さらに登って、標高2500の案内板がある小広場が休憩適地。ただ、手元の高度計ではここの標高は2430くらいでは?
(左)針葉樹林帯の急登が続く。標高2100。(右)標高2500の掲示がある小広場。休憩適地。
ダケカンバが目立つようになる。標高2530付近は枯木が多く、左側が開けている。だんだん樹林が疎らになり、空が広くなってきた。いったん勾配が緩んだ先は、以前は右側のダケカンバ帯を巻くように道がつけられていたが、少し前に尾根上に道がつけられたようだ。左手の階段を登ると展望台風のデッキが設えてある。雲がかかってはいるが、横岳方面の稜線を望むことができた。
(左)稜線を望む展望デッキ。標高2600。(右)三叉峰に到着。
ここからハイマツの尾根上を登って行く。ハイマツの根が出ている箇所もあり、意外と歩きにくい。右から巻道を合わせると、稜線直下の急登へ。ハイマツの中、岩の段差の急登の末、三叉峰にたどり着く。縦走路に出ると登山者が多くなった。しばらくすると霧の中から、北側の無名峰と横岳山頂が姿をあらわした。ほんの10分ほど歩いて横岳山頂へ。
(左)霧の中から無名峰と横岳。(右)横岳山頂直下。
こんな天候なのに横岳の手狭な山頂は10人ほどの登山者で賑わっていた。ときどき晴れ間がのぞくものの、ほぼ雲に隠れて展望はすぐれない。雨が降らないだけ、よしとしなければならないだろうか。三叉峰までもどって昼食休憩とした後、往路を下山した。杣添尾根ですれ違った登山者はほんの数人だった。
(左)横岳から硫黄岳方面。雲が多い。
2020年09月12日
八ヶ岳[桜平から硫黄岳](茅野市)
雨混じりの強風の中、赤岩の頭から硫黄岳への登り
桜平(中)駐車場710-718林道ゲート-743夏沢鉱泉-826オーレン小屋832-赤岩の頭927-947硫黄岳1012-1057夏沢峠1126-1150オーレン小屋-1219夏沢鉱泉-1239林道ゲート-1247桜平(中)駐車場
どの山に行けばいいか、天気が不安定なので難しい。茅野市の天気が良さそうなのを見て、それなら八ヶ岳あたりは見込みがあるのかもしれないと、桜平まで車を走らせる。山麓から見上げた時には、稜線はほぼ見渡せたのだが、結局、霧雨の中を歩き続けることとなった。朝7時、桜平上部の駐車場は満車だったが、ゲートから少し下った駐車場(中)には十分な空きがあった。
(左)オーレン小屋への道。(右)峰の松目分岐付近。針葉樹林帯。
数分歩いて、ゲートから林道を歩きはじめる。空は厚い雲に覆われているが、天候の割に登山者は多い。夏沢鉱泉を過ぎると、昨年の台風の被害か、登山道に補修箇所が目立つ。沢を右に左に渡った先で、折返しの登りで標高を上げる。道が緩み、オーレン小屋に着く頃には霧雨が降りしきるようになった。
(左)赤岩の頭へ谷状の登り。(右)ハイマツ帯となり赤岩の頭へ。
オーレン小屋で右折して、その先、峰の松目への分岐を過ぎ、針葉樹林帯を登って行く。左へと斜上トラバース気味の登りには、崩れ気味の細丸太の階段。ダケカンバが見られるようになり、空が広くなれば、右折して谷の中を登りハイマツ帯へ。晴れれば展望がきく赤岩の頭にたどり着くと、雨混じりの強風にさらされる。山頂方向は霧がかかっているが、岩峰を左から巻き、最後は岩場の右をトラバースして硫黄岳の山頂に到着。
(左)赤岩の頭。強風が吹いていた。(右)岩場の右を巻いて硫黄岳へ。
何となくとりとめのない、だだっ広い山頂。これが5回目の訪問になる。ときどき薄日が差すものの、周囲の展望は皆無。しばらく待ったが、晴れるのはとても望めそうもないので夏沢峠へと下る。ガラガラの足元に注意を払いながら、この天候ではケルンが頼もしく見える。多くの登山者とすれ違う。
(左)硫黄岳山頂。(右)夏沢峠への下りから振り返る。
森林限界を過ぎ、ダケカンバや針葉樹があらわれて夏沢峠へ。夏沢峠からオーレン小屋・夏沢鉱泉経由で桜平まで戻った。帰り道には、雨に濡れてしっとりとした道脇の苔がいっそう鮮やか。天気が悪い時でも、それなりに山の楽しみはあるものだと感じた。
(左)夏沢峠。佐久方面の平地には晴れ間。
2020年08月02日
八ヶ岳 [県界尾根・野辺山口~小天狗の先まで](南牧村/山梨県北杜市)
小天狗の先の展望地。晴れていれば前方に赤岳が望めるが。
県界尾根・野辺山登山口840-905防火線の頭-1013小天狗1018-1025展望地-1043「2258標高点」1046-1102展望地1123-1129小天狗-1216防火線の頭-1232登山口
県界尾根の野辺山口は、赤岳への登路の中でも地味な存在だと思う。県界尾根を赤岳まで日帰り往復する健脚者もいるが、私には厳しそうだ。今日はリサーチも兼ねて行けるところまで。梅雨明けが発表されたが、八ヶ岳の山並みは雲に覆われていた。登山口への道も途中からダートになり、防獣柵を開けて進む。20~30台は駐車できようかという登山口に、他に車の姿はない。
(左)県界尾根・野辺山登山口。(右)防火帯の中の登山道。
登山届箱とWCも設置された登山口から歩きはじめる。左右は唐松の植林。その中に笹に覆われた防火帯が続いている。防火帯につけられた、笹刈りされた登山道を緩やかに登って行く。20分強も歩けば防火帯は終わって樹林に入り、緩やかなピークに「防火線の頭」の三角点がある。その先はしばらく緩やかな道。
(左)防火線の頭は樹林の中。(右)崩壊地から清里方面の展望。
周囲は徐々に薄暗い針葉樹林帯となり、尾根も少しずつかたちを整え、斜度も増していく。標高1980m付近から左手は崩壊地となり、その際を登る。ところどころ急登となるが、清里方面の視界も少しは得られる。その先は痩せ尾根状の岩の多い急登。左から尾根が合流するあたりは、深い樹林の中、道を笹が覆いわかりにくいが赤マークが導いてくれる。
(左)痩せ尾根の急登。(右)清里からの道と合流。
緩やかに尾根を登ると清里からの道と合流。すぐその先が小天狗のピーク。この先、道は緩やかになる。深い樹林帯と開けた場所が交互。2258標高点まで歩いてみるが、赤岳方面は雲の中で展望は開けない。今日は2258標高点までで折り返し、小天狗の少し西側の展望地に戻り休憩した。以前、赤岳を仰いだ場所だが、今日は雲の中。帰りは往路をそのまま戻った。登山口も整備され、赤テープも随所にあり歩きやすかった。
2019年11月10日
編笠山(富士見町/山梨県北杜市)
編笠山から望む八ヶ岳連峰
観音平733-823雲海-900押手川905-1024編笠山1113-1136青年小屋1146-1251押手川-1320雲海-1340展望台1345-1405観音平
秋晴れの日に展望の優れた山に登りたい。ということで編笠山を目指す。以前、西岳から青年小屋経由で登ったことがあるけれど、押手川からの直登する道は登ったことがなかった。朝7時過ぎ、観音平の駐車場はほぼ満車。残り少ないスペースに車を滑り込ませる。
(左)雲海。(右)唐松から針葉樹へと植生も変わっていく。
押手川までの道は以前、権現岳に登った時に通った。唐松・赤松・雑木などの混交林の中を登る。左は緩やかな笹原。少し勾配が緩んだ後、左右の大岩の間を進めば、間もなく雲海。東側の展望が開ける。その先、ひと登りした後は唐松林を緩やかに進む。標高1930mを過ぎると薄暗い針葉樹林に。右手に尾根を見てその左下を登る。ベンチを過ぎると足元岩ゴロの急登が続き、押手川に到着。
(左)押手川を過ぎ岩の重なる急登がつづく。(右)梯子もあらわれる。
道標に従って左折、編笠山へ直登する道を登る。針葉樹の中、木の根や岩の段差を越えて登る。道はますます急になる。岩の間を通り、少し左にトラバース気味になった先で、背後に一瞬、南アルプスの展望が得られる。標高2380m付近には梯子がかけられ、その先も直登が続く。しかし、ここまで来れば標高差はもう知れている。ハイマツがあらわれ視界が開け、草地を登れば編笠山の山頂に再訪を果たす。
(左)山頂へもう少し。(右)編笠山から手前に西岳、遠く北アルプスの連なり。
今日の見晴らしは素晴らしい。北アルプスはほぼその全貌を見せ、左に乗鞍・御岳・中央アルプス、南アルプスと続く。富士山もはっきり見える。北に目を戻すと、眼前の八ヶ岳連峰の連なりに圧倒される。右から権現岳・ギボシ・赤岳・横岳・中岳・阿弥陀岳と続く(冒頭写真)。山頂には20人ほどの登山者。風は強くないが、休んでいると体が冷える。下山は青年小屋経由。
(左)編笠山から富士山と南アルプス。(右)青年小屋へ岩の重なる下り。前方に権現岳。
足元に岩が重なる下りの後、樹林を抜けると、岩が累々と連なる上をマーク頼りに下る。青年小屋はすでに営業を終えているが、数グループが小屋の前で休んでいた。押手川への道は、緩やかな針葉樹林の下りから、編笠山の東側山腹を巻くように進む。足元は岩ゴロで歩きにくい。途中、苔の多い緩やかな登りから下りに転じ、富士山の展望地が一箇所。トラバースを挟んで下れば、緩やかに尾根が広がり押手川の分岐に戻り着く。
(左)青年小屋から見た編笠山。(右)編笠山東山腹の巻道は苔が多い。
雲海までは往路を下ったが、その先は展望台に立ち寄ってみた。笹がやや煩い道を下れば、ベンチのある展望台に至るが、南アルプスの上部が少し見えるだけ。その先はよく整備された遊歩道を歩いて観音平の駐車場に戻った。観音平付近は、ところどころ紅葉も見られた。
(左)展望台からはわずかに南アが望めるくらい。
2019年10月05日
八ヶ岳[地蔵尾根~赤岳~県界尾根](茅野市/南牧村/山梨県北杜市)
県界尾根から見た横岳と赤岳天望荘
第1日[10月4日]茅野駅1020=(アルピコ交通バス)=1058美濃戸口1105-1152美濃戸(美濃戸山荘前)1215-1430行者小屋[泊]
第2日[10月5日]行者小屋631-739地蔵の頭-745赤岳天望荘803-842赤岳907-912赤岳頂上山荘928-1002巻道分岐1007-1104大天狗1114-1206小天狗1219-1255谷に下る-1348サンメドウズ清里・バス停1429=(清里ピクニックバス)=1445清里駅
美濃戸側から赤岳に登り清里側に下る計画。下りは未踏の県界尾根をたどることにした。2日目は見事な秋晴れとなり、展望を楽しみながら歩くことができた。県界尾根は標高2630m以上に鎖・梯子が連続し、下りでもけっこう時間がかかる。落石の危険もあり、ヘルメットの準備が欠かせない。
(左)美濃戸口バス停から歩き始める。(右)南沢沿いの道。
清里側に下山予定なのでマイカーは使わず、茅野駅からバスに乗る。満席に近いバスを美濃戸口で降り、美濃戸までは林道歩き。空は重い雲に覆われている。無人の美濃戸山荘前から南沢沿いの道に入り針葉樹林帯の中を進む。今日は行者小屋までだから気分は楽だが、美濃戸から行者小屋までは標高差700m弱はあり、それなりの登りもある。沢を渡り返しながら岩がゴロゴロする道を進む。
(左)苔むした針葉樹林の道。(右)行者小屋から見た早朝の赤岳。
広い涸れ沢の中や針葉樹の苔むした道を歩くようになれば、間もなく行者小屋に到着。霧雨が舞うような天候で風も強い。明日の好天の予報を信じて登ってきたが、やや不安になる。平日なので行者小屋の宿泊者は20人ほどと少なくゆっくりと休むことができた。炬燵の温かさがうれしかった。
(左)鎖や梯子が続く地蔵尾根。(右)地蔵の頭から見た赤岳と富士山。
予報通り翌朝はすっきりと晴れた。どの道で登るか迷ったが、地蔵尾根を行く。左手に涸れ沢を見た先で急な石段状の登りとなる。振り向くとダケカンバ越しに朝日を浴びた阿弥陀岳が美しい。その先は梯子や鎖が連続する岩場の急登。稜線が見えてからも、やや右手を絡む鎖の岩場がけっこう長い。主稜線の地蔵の頭に登りつき、右にわずかで赤岳天望荘。
(左)赤岳への登りから横岳方面。(右)頂上山荘から見た赤岳山頂。
目の前に赤岳、その左には富士山が霞んでいる。ジグザグの道から鎖の岩場の登り。足元がガラガラした道を登り詰めれば赤岳頂上山荘。すぐその先の赤岳山頂へ5回目の訪問を果たす。空は晴れ渡り、富士山や南ア・奥秩父の山々が見える。御岳・乗鞍は見えるが、北ア北部はやや雲に隠れがち。多くの登山者が入れ替わり山頂にやってくる。
(左)赤岳山頂から阿弥陀岳を望む。(右)長い梯子を下る。
今回はこれからが緊張するところ。清里に向けて県界尾根を下る。いきなり鎖が張られた急坂。斜めに突出た岩を過ぎると、いったん右にトラバース。その先も鎖や長い梯子を下る。赤岳天望荘への巻道分岐でひと休みすれば、横岳が意外に迫力ある山容を見せている(冒頭写真)。さらに鎖の岩場が続くが、最後に高度感がある梯子と長い鎖を下ると危険箇所は一段落。ひとまず安心し、疎林越しに富士山を望む。周囲の紅葉にいまさらながら気づく。
(左)足場の少ない岩場(下から見上げる)。(右)鎖場が終わり富士山を遠望。
ジグザグの道は樹林帯に入り足元ガラガラとした下りに。勾配が緩むとヘリポートの跡があり、振り向くと色付いたダケカンバ越しに赤岳の姿。樹林帯の大天狗の小ピークを過ぎ、その先の幼樹が続く下りでも、正面に富士山を見る。緩やかな歩きやすい道となり、2258標高点付近はダケカンバの林相が美しいところ。
(左)大天狗は樹林帯の中。(右)2258付近。ダケカンバ越しに赤岳を振り返る。
針葉樹林帯を緩やかに進めば展望のよい岩頭が2~3箇所。小天狗では木の間越しに清里方面が見える。バスの時間まで余裕があるので時間をつぶしながら下る。すぐ先の分岐で、尾根を外れ右折。ジグザグの急坂を下り、谷に至ると勾配は一段落。あとは緩やかな道を歩き続け舗装道に出て、サンメドウズ清里スキー場にあるバス停へ。清里ピクニックバスで清里駅に出て、帰途についた。
(左)小天狗手前で赤岳・横岳を振り返る。
[参考]
アルピコ交通バス 茅野駅~美濃戸口 片道1,000円
行者小屋 1泊2食 10,000円
清里ピクニックバス サンメドウズ清里~清里駅 (乗車1回)500円
2019年07月30日
八ヶ岳[赤岳~阿弥陀岳](茅野市/原村)
中岳側から見た阿弥陀岳
第1日[7月29日]美濃戸口(八ヶ岳山荘・駐車場)1131-1222美濃戸(美濃戸山荘)1232-1452行者小屋
第2日[7月30日]行者小屋602-612阿弥陀分岐-(文三郎道)-708稜線716-744赤岳816-836文三郎分岐-900中岳-911中岳のコル917-948阿弥陀岳1005-1015中央稜分岐-1036小ピーク(2630m)1041-1130不動清水入口1138-1219御小屋山-1319車道-1340美濃戸口
赤岳周辺で未踏破の文三郎道と、赤岳・阿弥陀岳間を歩くため八ヶ岳へ。車のラジオから、関東甲信が梅雨明けというニュース。それにしては雲が多い。美濃戸口に車をとめたのは、下山を御小屋尾根にとるため。駐車場には十分空きあり。今日は行者小屋までなので、歩きはじめは11時半。林道を1時間弱で美濃戸。虻が煩わしい。南沢沿いの登山道に入り、苔と針葉樹の中、沢沿いだけれど高巻きやだらだらとした登りが続く。
(左)南沢沿いの道。(右)行者小屋から見た赤岳。
「美濃戸から行者小屋まで2時間」とする登山地図もあるけれど、私は足が遅いのかいつも2時間で歩けない。沢を左右に渡り返し、涸れ沢の中を歩き、針葉樹林帯を進めば行者小屋に到着。先刻から雷鳴が聞こえている。宿泊手続きを済ませ、しばらくすると雨が落ちてきた。平日のためか宿泊者は20名程度。スペースは十分、ゆっくり休むことができた。
(左)階段が続く文三郎道。(右)シャクナゲ咲く文三郎道上部。
2日目の朝は晴れた。まずは文三郎道から赤岳へ。樹林帯の中、阿弥陀岳への道を右に分けた先は傾斜が強まり、金属製の階段が連続し森林限界を超える。一直線に階段が伸びるあたりは消耗するところ。階段がいったん途切れると小広場がある。周囲の山並を見回し、息を整える。朝日が照らす阿弥陀岳、眼下に行者小屋や赤岳鉱泉、その向こうに横岳から硫黄岳方面。道脇にシャクナゲやミヤマダイコンソウが咲いている。
(左)キレット分岐から鎖のある岩場が続く。(右)赤岳山頂。富士山・南アを遠望。
その先も木の土留め状の階段が続くが、急な分、一気に高度を稼いで稜線に飛び出す。足元がザレた稜線を進めば、すぐにキレット方面への道を右に分け、左手の岩場に取付く。鎖が連続するが、難しいところはない。登山者は多くはないものの、登り下りで錯綜する箇所も。道端にリンドウが咲いている。竜頭峰の北側でキレットからの道を合わせ、梯子で岩場を登れば赤岳へ4回目の登頂。
(左)赤岳から見た阿弥陀岳。(右)文三郎道分岐から横岳・硫黄岳方面を望む。
北八ツ方面は見渡せるが、北アルプスは霞んでいる。南は権現岳の向こうに南アルプス。富士山も雲の上に姿を見せている。少し休んでから、来た道を文三郎分岐まで戻る。そのまま直進して足元ガラガラの広い尾根を中岳との鞍部へ下る。目の前の阿弥陀岳は圧倒的な存在感。ハイマツ帯を登り、手狭な山頂の中岳へ。緩やかに下り、中岳のコルへ。
(左)阿弥陀岳の登りから見た赤岳。(右)阿弥陀岳山頂。正面の赤岳は雲に隠れた。
阿弥陀岳へは、以前は簡単にここを登ったという記憶があったが、登山の記憶など曖昧なもの。梯子を登り、その先の鎖が張られた岩場がけっこう長くきつい。休みながら登る。振り返ると赤岳は雲の中に飲み込まれそうになっている。最後にハイマツの道をたどって阿弥陀岳山頂に立った頃には、赤岳山頂は雲に隠れてしまった。
(左)摩利支天の岩場は梯子と鎖で越える。(右)花が咲く急坂をロープ頼りに下る。
阿弥陀岳からは西へ、御小屋尾根を下る。すぐの摩利支天の岩場を梯子と鎖で越え、中央稜への肩から右へ、ハイマツ帯の急下降。ロープがずっと設置されている。花々が彩る斜面だが、足場は悪い。前方の山麓方向は霧が覆いはじめている。2630m付近の小ピークでいったん傾斜は緩む。この先は灌木帯から樹林帯へ。大岩の左を巻くあたりはダケカンバの林相が美しい。
その先、針葉樹林帯の中、長い下りが続く。足元の岩が濡れていて滑る。緩やかな2296ピークを過ぎるとすぐに不動清水への分岐。ここからは傾斜も緩み、概ね歩きやすい道になる。苔もきれいな道は緩やかな上下で御小屋山へ。山頂標識から少し下に分岐。過去に舟山十字路へ歩いたことがあるけれど美濃戸口へははじめて。
(左)御小屋山の下の美濃戸口・舟山十字路分岐。
出だしは苔が彩る急な下り。木の根の段差があるものの比較的歩きやすい。階段を下り左右に折り返した後は、尾根伝いに緩やかで幅広の道を下っていけば美濃戸口の別荘地の一角に出る。あとは道標に従って美濃戸口(八ヶ岳山荘)まで車道を歩く。梅雨明けで急に暑くなったのに身体がついていかないのだろうか、大汗をかかされた。
[参考]
美濃戸口(八ヶ岳山荘)駐車場 1,000円/2日間
行者小屋 1泊2食 10,000円
2019年07月02日
八ヶ岳[舟山十字路から西岳](富士見町)
西岳山頂から権現岳と編笠山を望む。
舟山十字路712-730広河原-813千枚岩-851右手巻道へ-916「西岳」案内板921-1023西岳1114-1154「西岳」案内板-1216巻道終わる-1226千枚岩1241-1324広河原-1345舟山十字路
梅雨前線の機嫌をうかがいながら、登る山を思案する。当初の予定は美濃戸から。しかし八ヶ岳山麓まで来てみると、編笠山と西岳のピークは見えているけれど、権現岳や赤岳方面は雲の中。そこで舟山十字路へ行先変更。かねての懸案でもあった舟山十字路から西岳への道をたどってみることにする。
(左)舟山十字路。前方右手にP。西岳は右へ。(右)沢を渡りここで林道から右折。
舟山十字路には10台程度の駐車場が整備されている。広河原へと下る林道をたどる。阿弥陀聖水という水場を過ぎ、立場川キャンプ場への道を右に分けて進めば、前方の沢で林道は寸断されている。広河原沢と立場川本谷を、石を伝って渡る。その先、右手の「立場大橋に至る/旭小屋」を示す古い道標の背後から山道に入る。
(左)山腹を右へ巻いていく。(右)第五配水池からの道と合流。
最初は倒木や崩れがちの箇所もあって歩きにくい。「立入禁止(富士見町国有林愛護会)」の標識とトラロープが道の左側に張られている。ほどなくトラロープも終わり、道もそれなりに整って山腹を右へと平坦に巻いていく。周囲は唐松林。巻き終わると第五配水池からの道を右から合わせる。案内板がある。さらに左の大岩を過ぎて左折し、岩の間を登って行く。
(左)いったん作業道と合流(千枚岩)。(右)レンゲツツジ咲く道。
その先で作業道に出ると、「西岳/第五配水池/信玄隠岩」を示す道標がある。登山地図上で「千枚岩」というのはこのあたりか。しばらく作業道上を歩くと山道へと変わる。広い山腹に広がる唐松など樹林帯の道。だらだらとした登りは変化に乏しく退屈になる。蒸し暑くペースもあがらない。道が尾根の右側を巻く平坦路となると、やがて道沿いにレンゲツツジが咲き、右手木の間に山頂部も垣間見られ、少し元気が出てくる。
(左)右手前方に山頂部が見える。(右)岩稜帯のやや左を急登。
尾根上に復した後は苔のついた岩の間を進み、岩稜帯の左を回り込むような急登となる。急登が一段落すると「西岳」を示す道標。しばらく尾根上の緩やかな道となり、広い尾根上には巨木が見られる。標高2180m位からは急な尾根の登り。いったん2250m付近で緩み、左手に稜線を見るものの、その先も木の根と岩の段差が大きい登り。
(左)針葉樹の尾根を急登。(右)山頂直前で勾配が緩むと花が見られる。
空が少し広がり勾配が緩むと、道脇にキバナノコマノツメ・ウメバチソウ・コイワカガミ・ツガザクラなどの花が咲き、間もなく西岳山頂に到着。森林限界を持たない西岳だが、山頂からは目の前に編笠山が見える。左手の権現岳は雲から出たり入ったり。甲信国境の平地は見下ろせるけれど、その向こうの南アルプスは雲の中。ちょうど富士見側からひとり男性が登って来た。今日は青年小屋にテントを張るのだという。
(左)西岳山頂。
下山は往路を戻った。山頂以外ではひとりの登山者にも会わなかった。道は歩きやすいとはいえないけれど、支障となる箇所はない。古い道標やマークも適度にあり、ヤブを漕ぐようなところもないが、ひたすら樹林帯の中を歩く。西岳からこの先、権現・キレット・赤岳・阿弥陀経由で舟山十字路にもどるのは充実した周回コース。私の脚では一泊を要すると思うけれど。
2018年07月02日
八ヶ岳[赤岳~キレット~権現岳](茅野市/南牧村/山梨県北杜市)
キレット小屋付近から見た阿弥陀岳・中岳・赤岳。
第1日[7月1日]茅野駅840=(バス)917美濃戸口918-1007美濃戸-(南沢)1228行者小屋1303-1418地蔵の頭-1422赤岳展望荘
第2日[7月2日]赤岳展望荘604-637赤岳647-818キレット小屋836-950旭岳-1031権現岳1050-1134三ツ頭-1202前三ツ頭1217-1305標高2000m標識1310-1413天女山駐車場1435=(タクシー)1445甲斐大泉温泉・パノラマの湯-甲斐大泉駅
八ヶ岳でも赤岳と権現岳の間、いわゆるキレットは歩いたことがなくて、宿題になっていた。予想より早く梅雨明けが告げられたので、好天を見込んで出かけた。赤岳から権現岳に向かう方が負担は少なそうだ。茅野駅からの美濃戸口行バスの乗客は私を含め3人だけ。美濃戸口から美濃戸まで1時間ほどの林道歩きが退屈だが、往復登山ではないのでバスを使った。美濃戸までの道は虫が多くて煩かった。
(左)南沢からの道。行者小屋まであと少し。(右)行者小屋。後方は横岳。
美濃戸山荘前から右の南沢に沿う道へ。沢沿いの道という先入観があるけれど、針葉樹林の中、左右に渡り返しながら高巻きもあり勾配もある。傾斜が緩むと針葉樹林や水のない河原の中を歩き行者小屋へ。日曜日なので下山に向かう人たちで賑わっている。雲が多いが、赤岳・阿弥陀岳は山頂部を見せている。
(左)地蔵尾根の登り。連続する鎖と梯子。(右)朝日に染まる赤岳と雲海の富士山。
行者小屋からは地蔵尾根を登る。針葉樹林帯の登りから、視界が開け大同心・小同心を見上げる。金属メッシュの石段や梯子が連続する岩場の急登が続く。岩縁を鎖も頼りに進み、地蔵の頭へ。稜線を南下し宿泊する赤岳天望荘へ。宿泊者は20人ほどでゆったり。入浴できたのが嬉しい。小屋の目前に赤岳とその左に富士、右に中央アルプスと阿弥陀岳、北アルプスの連なりが望めた。ウルップソウやコマクサが咲いていた。
(左)赤岳への登りから見た横岳・硫黄岳・天狗岳・蓼科山。右下に赤岳天望荘・左下に行者小屋と赤岳鉱泉。(右)赤岳から見た阿弥陀岳と北アルプスの連なり。
2日目はまず赤岳に登る。ガレ場のジグザグから、ルンゼ状の岩場をクサリで登る。赤岳山頂からは大展望が望めた。天気は快晴。今日はここからが本番。岩場を連続する梯子・鎖で竜頭峰へ急下降。途中、右に阿弥陀岳への道を分岐し、ここからは人影が少なくなる。花も見ながら小ピークを右に巻けば、左に真教寺尾根が分岐する。その先も高度感のある岩頭を左右に鎖で巻き梯子を下る。左に大天狗・小天狗の尾根を分ける。
(左)高度感ある岩場を鎖で巻き梯子で下る。前方に権現岳と南アルプス。(右)ルンゼ状の下り。下から来た道を見上げる。ペンキマークが頼り。
ザレ場となり足元に気を配り慎重に下る。岩棚のルンゼ状の斜面もあらわれ、我慢して気長に高度を下げていく。ハイマツ帯から樹林に入れば一安心。まだ営業開始前のキレット小屋前で休憩。ここからは登り返し。樹林帯の急登からやや左に曲がりツルネの緩やかな山頂へ。砂礫地にコマクサが咲き、眼前に旭岳がそそり立つ。石楠花が多い鞍部から旭岳への急登が続く。危険な箇所はこれまでより少ない。
(左)旭岳巻道から見た権現岳への登り。(右)権現岳への長い61段の梯子。
旭岳は右下を巻く。その先、権現岳への登りには有名な61段の梯子があらわれる。やはり多少の緊張感はともなう。梯子につづき鎖場も登り切り、緩やかに右に進めば権現岳に到着。核心部を過ぎてほっとする。あとは天女山へと下るだけだが、暑くて消耗が激しく虻が煩くて気が滅入る。ハイマツとシャクナゲの道を緩やかに登り返し三ツ頭へ。針葉樹の尾根を下り砂礫地の前三ツ頭。霧が巻いて、少し涼しくなる。
(左)権現岳から眼下に編笠山方面。(右)砂礫地の前三ツ頭。霧が巻いてきた。
左折して下ると、右手に笹原が広がる。「ここが一番きつい」の標識で左方向へ。長い下りの周囲はいつの間にか唐松林に。歩きやすい遊歩道のような道になり延々と続く。天の河原を過ぎ、天女山駐車場に下り着く。甲斐大泉駅まで歩く予定だったが、猛暑にうんざりしタクシーを呼ぶ。甲斐大泉駅前のパノラマの湯で汗を流し、小海線に乗って帰途についた。キレットを歩き切って満足。概ね天候に恵まれた2日間だった。
(左)天女山への下りは長い。標高2000m付近で登り方向を振り返る。
[参考]
バス 茅野駅~美濃戸口 片道(8:40発は土日祝のみ) 930円
赤岳天望荘 大部屋1泊2食 9,000円
タクシー 天女山駐車場~甲斐大泉温泉パノラマの湯 2,250円
甲斐大泉温泉パノラマの湯 おとな1人 820円