2020年07月19日
岩菅山~裏岩菅山(山ノ内町)
クルマユリ咲く稜線を裏岩菅山へ
聖平登山口730-740小三郎小屋跡-800アライタ沢出合-841中間点-917ノッキリ922-952岩菅山958-1038裏岩菅山1048-1131岩菅山1205-1226ノッキリ1231-1253中間点-1327アライタ沢出合1332-1352小三郎小屋跡-1400聖平登山口
いつまでたっても梅雨が明けないので、夏山の計画をどうするか悩んでいる。コロナや大雨・地震などの影響も考えなければならない。とりあえず今日は晴れの天気予報の県北部の山を考えて、岩菅山に向かう。過去に登った時にはあまり天気が良くなかったし、裏岩菅山にも足をのばしてみたい。
(左)上条セギに沿う道。(右)アライタ沢出合。
志賀高原を走り聖平の登山口に車をとめる、先着は7台ほど。まだ駐車スペースに余裕はある。まずは直線状の木段・石段の登りで小三郎小屋跡へ。目の前、左右に上条セギが流れている。左折して、この江戸時代につくられた農業用水路に沿って平坦路を進む。20分ほどでアライタ沢出合。岩盤を流れる沢を木橋で渡り、左手の山腹に取り付き、大木の多い樹林帯を木段のジグザグで急登する。
(左)左手樹間に岩菅山を望む。(右)寺子屋山からの道を合わせるノッキリ。
傾斜が緩むと1739標高点。ぬかるんだ緩やかな道を経て小丸太階段の登りに。緩やかな階段状の登りは傾斜を増し1893標高点へ。すぐ先に「中間点」の案内板がある。周囲は針葉樹やダケカンバ。ゴゼンタチバナが道脇に咲いている。ここから道は尾根上をたどる。笹と樹林の中、ときどきは左の樹間に岩菅山を望める。道は尾根を左に外れ緩やかになり、寺子屋山からの道を合わせるノッキリへ。ベンチがあり、ここで左折。
(左)岩菅山への登り。(右)志賀高原の山々を振り返る。
すぐに樹林帯を出ると、目の前に岩菅山が大きくそびえている。笹原の中、足元がガラガラした登りはだんだん傾斜を増していく。急登を経て岩菅山の山頂に到着。数人の登山者がいるだけ。梅雨の晴れ間といっても雲は多く遠望はきかない。しかし、志賀高原付近のおもだった山々は望むことができた。予定より時間も早いので、裏岩菅山に向かう。
(左)岩菅山の山頂。向こうに裏岩菅山が見える。(右)稜線上から岩菅山を振り返る。
ここからは稜線歩き、といってもそれなりの登り下りはある。急な下りで一度標高を落とす。道脇にはさまざまな花が咲いているが、目に付くのはクルマユリ。ハクサンチドリやハクサンボウフウも笹原の中で目を楽しませる。日差しは暑いが、稜線を渡る風は涼しい。展望のよい笹原の稜線を緩やかに上下していく。
(左)裏岩菅山へ稜線を進む。(右)シャクナゲ咲く裏岩菅山手前。
やや急な登りで標高2,300mを越えれば、あとは緩やかな道。道脇にシャクナゲを見ながら裏岩菅山に到着。先行者がひとり休んでいた。雲が多くなってきたが、その中、北東に続く烏帽子岳方面の切り立った稜線が目をひく。北側にはゲレンデをまとった焼額山。下山は往路をもどった。天気は下り坂。距離や時間が適度なのか、トレランの人を多く見かけた。
(左)裏岩菅山の山頂。烏帽子岳方面の稜線が見える。
2015年08月23日
<群馬遠征> エビ山~弁天山(群馬県中之条町)
(左)エビの見晴台。足元にはアキノキリンソウ。(右)弁天山山頂。
野反湖ビジターセンター・駐車場830-842キャンプ場分岐-930エビ山940-1030湖畔への分岐-1043弁天山1053-1104富士見峠1110-1150エビ沢分岐1217-1147キャンプ場-1302ビジターセンター
野反湖からカモシカ平・大高山方面に足をのばそうと出かけたが、霧雨が降りしきる天気なのでハードな山登りをする気にはならない。しかし、このまま帰るのも癪なので、別の計画を考える。野反湖西岸のまだ歩いていない部分(エビ山から富士見峠まで)を歩いてみようと思い立つ。
野反湖北端のビジターセンター前に駐車。西岸湖畔の遊歩道を歩くとやがてキャンプ場。キャンプ場内の標識のある分岐で右折し、エビ山への登りにかかる。少々笹がうるさいところもあるがカンバ類と針葉樹の中を登る。途中、「エビの見晴台」という小ピークあたりからは周囲も開けた感じになるが、一面の霧雨で展望は皆無。足元を彩るのはもっぱら黄色いアキノキリンソウ。
やがてエゾリンドウやハクサンフウロも見られるようになってエビ山山頂。ここからは南の弁天山方面に向かう。いったん下って緩やかになるとダケカンバの美林、さらに下った弁天山との鞍部からは一瞬霧が晴れて湖面が顔を見せる。笹原に樹林が点在する風景が美しい。左に湖畔への道を分け、だらだらした登りで弁天山へ。登りが緩むと再び左に湖畔への分岐、さらに右に花敷への道を分け、左に巻道を分けた後、ちょっと急登すると弁天山。普段は展望が素晴らしいのだと思う。
(左)富士見峠付近の花畑にはマツムシソウ。(右)ダケカンバの美林。
富士見峠への下りは、傾斜が緩むとお花畑が広がる。目立つのはマツムシソウ。富士見峠からは、湖畔西岸の遊歩道を歩いてビジターセンターに戻る。この道は以前一度歩いたことがあるけれど、ダケカンバの林が美しい。キャンプ場の手前では、ヤナギランが咲き乱れていた。途中、雨が晴れたときもあったけれど、ビジターセンターに着く頃には雨は一層激しくなってきた。
2015年08月02日
ダン沢ノ頭(山ノ内町/群馬県中之条町)
白根開善学校先・林道ゲート822-904馬止・登山口-1038一つ石1043-1109オッタテ峠(稜線)1115-1205ダン沢ノ頭1227-1300オッタテ峠1305-1332一つ石1345-1436馬止・登山口-1515林道ゲート
(左)馬止・登山口。(右)正面に一つ石のピークが見える。急な登りが続く。
真夏なのでせめて標高2,000m以上の山に登りたいと調べていたら、目に付いたのがこのダン沢ノ頭。志賀高原(赤石山)から野反湖(高沢山)にかけての稜線はササが深い篤志家向けのルートだと思っていたけれど、刈り払いがされているという情報もあり、そのあたりも確かめたいと思った。
旧六合村(現在は中之条町に合併)の白根開善学校の奥の林道ゲート前に邪魔にならないように駐車。ここから林道を40分ほど歩けば、右手に標識の立つ馬立と呼ばれる登山口。ここから鷹巣尾根と呼ばれる尾根を登っていく。カラマツの中、やがて広葉樹も混在し、道ははっきりして歩きやすい。ツリガネニンジンやアカモノなどが足元に咲いている。標高1450mほどの案内標柱のある場所で初めて右手が開ける。その先も樹林帯の中を進むが、少しずつ樹林は低くなりササ原と樹林の中を交互に進むような感じに。やがて、正面に一つ石のピークが見える小さな平地に出る。
(左)一つ石では、東側の展望が開ける(薄雲でほとんど何も見えなかったが)、(右)オッタテ峠で主稜線に飛び出す。向こう側の標識のある場所に左から鷹巣尾根の道が合流している。
この先、一つ石までの登りが少々苦しいところ。案内標識が立つ一つ石では、東側が開けているが薄雲が多くて遠望ははっきりしない。一つ石からは針葉樹林帯の中の道が続く。少し勾配は緩んだ感じで、右手遠くに天狗原の湿原が見えればほどなくオッタテ峠。志賀~野反湖の稜線に飛び出したことになる。右手は、以前、野反湖からカモシカ平まで来たことがある。今日は左へ。
主稜線上の道ははっきりしていて迷う心配はない。ササが少しうるさい箇所もあるけれどヤブ漕ぎというほどのことでもない。右手には大高山方面が見える。オッタテの峰という樹林の中のピークを過ぎ、いったん下って登り返せば、最後は背丈ほどのササの海の中を登るような感じでダン沢ノ頭へ。周囲は開けているが、雲が多くて展望はほとんど得られなかった。山頂で休んでいると遠く雷鳴が聞こえた。休憩も早々にして、急いで往路を下山した。
(左)オッタテの峰への登りから、右手に大高山方面が見える。(右)ダン沢ノ頭・山頂。
(左)馬止・登山口。(右)正面に一つ石のピークが見える。急な登りが続く。
真夏なのでせめて標高2,000m以上の山に登りたいと調べていたら、目に付いたのがこのダン沢ノ頭。志賀高原(赤石山)から野反湖(高沢山)にかけての稜線はササが深い篤志家向けのルートだと思っていたけれど、刈り払いがされているという情報もあり、そのあたりも確かめたいと思った。
旧六合村(現在は中之条町に合併)の白根開善学校の奥の林道ゲート前に邪魔にならないように駐車。ここから林道を40分ほど歩けば、右手に標識の立つ馬立と呼ばれる登山口。ここから鷹巣尾根と呼ばれる尾根を登っていく。カラマツの中、やがて広葉樹も混在し、道ははっきりして歩きやすい。ツリガネニンジンやアカモノなどが足元に咲いている。標高1450mほどの案内標柱のある場所で初めて右手が開ける。その先も樹林帯の中を進むが、少しずつ樹林は低くなりササ原と樹林の中を交互に進むような感じに。やがて、正面に一つ石のピークが見える小さな平地に出る。
(左)一つ石では、東側の展望が開ける(薄雲でほとんど何も見えなかったが)、(右)オッタテ峠で主稜線に飛び出す。向こう側の標識のある場所に左から鷹巣尾根の道が合流している。
この先、一つ石までの登りが少々苦しいところ。案内標識が立つ一つ石では、東側が開けているが薄雲が多くて遠望ははっきりしない。一つ石からは針葉樹林帯の中の道が続く。少し勾配は緩んだ感じで、右手遠くに天狗原の湿原が見えればほどなくオッタテ峠。志賀~野反湖の稜線に飛び出したことになる。右手は、以前、野反湖からカモシカ平まで来たことがある。今日は左へ。
主稜線上の道ははっきりしていて迷う心配はない。ササが少しうるさい箇所もあるけれどヤブ漕ぎというほどのことでもない。右手には大高山方面が見える。オッタテの峰という樹林の中のピークを過ぎ、いったん下って登り返せば、最後は背丈ほどのササの海の中を登るような感じでダン沢ノ頭へ。周囲は開けているが、雲が多くて展望はほとんど得られなかった。山頂で休んでいると遠く雷鳴が聞こえた。休憩も早々にして、急いで往路を下山した。
(左)オッタテの峰への登りから、右手に大高山方面が見える。(右)ダン沢ノ頭・山頂。
2015年06月07日
猿面峰(栄村)
大赤沢登山口(一合目)935-1022三合目(第一展望台)1030-1050四合目1057-1128六合目1134-1205猿面峰(七合目)1250-1308六合目-1334四合目1339-1356三合目-1440登山口
(左)霧ノ塔方面の展望が開けた三合目。(右)ブナの美林も広がる。
苗場山への長野県側からの登山道として多く歩かれているのは小赤沢コース。その一本北側にある大赤沢新道はあまり歩かれていないが、その途中(七合目)にある猿面峰というピークを目指す。苗場山を目前にして引き返すということになるのだけれど、苗場山までだとちょっと長すぎることと、猿面峰そのものも展望はよさそうなため。
国道405号を南下して津南町から長野県栄村に入り直し、その県境から700mほど進んだ地点(目印なし)で左折して舗装された林道へ。その林道の舗装が終わる地点に「大赤沢新道の一合目」の標識が立つ。5台分ほどの駐車スペースがあり、ここに車をとめて歩き始める。しばらく荒れた林道をたどると、15分ほどで右手に「苗場山」の案内標がありここから山道に入る。
(左)いったん傾斜が緩む四合目は、針葉樹林帯の中。(右)さまざまな花も楽しみ。
すぐに二合目の案内板。この先、〇合目の表示が続いていく。しばらくは山腹を左手に向けてトラバース気味に進んでいくが、右手の山腹に取り付いてだんだんと傾斜は増し急登となっていく。ブナ林と針葉樹林帯が交互に現れるような林相。木の根が張り出して歩きにくい急坂。三合目では、東に霧ノ塔方面の展望が開ける。その後も急登が続くが、イワカガミ・ギンリョウソウ・シラネアオイ・ムラサキヤシオなどが道端を彩る。シャクナゲの木も多い。
傾斜が緩むと尾根にのったような感じになり、四合目。しばらくは穏やかな道が続く。五合目を過ぎて小鞍部を過ぎると、再び急登が始まる。六合目を過ぎると、樹林が低くなり展望が開ける。振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢コースの駐車場。汗を絞らされて残雪のある猿面峰(七合目)に到着。目の前には苗場山が大きい。北側だけは針葉樹林で隠されているが、開けている三方では苗場山へとつながる山稜が展望のあらかたを占めていて、この山の大きさをあらためて感じることとなった。下山は往路を戻った。途中、ひとりの登山者にも会わなかった。
(左)六合目上部で振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢駐車場。(右)猿面峰からは正面に苗場山が大きい。
(左)霧ノ塔方面の展望が開けた三合目。(右)ブナの美林も広がる。
苗場山への長野県側からの登山道として多く歩かれているのは小赤沢コース。その一本北側にある大赤沢新道はあまり歩かれていないが、その途中(七合目)にある猿面峰というピークを目指す。苗場山を目前にして引き返すということになるのだけれど、苗場山までだとちょっと長すぎることと、猿面峰そのものも展望はよさそうなため。
国道405号を南下して津南町から長野県栄村に入り直し、その県境から700mほど進んだ地点(目印なし)で左折して舗装された林道へ。その林道の舗装が終わる地点に「大赤沢新道の一合目」の標識が立つ。5台分ほどの駐車スペースがあり、ここに車をとめて歩き始める。しばらく荒れた林道をたどると、15分ほどで右手に「苗場山」の案内標がありここから山道に入る。
(左)いったん傾斜が緩む四合目は、針葉樹林帯の中。(右)さまざまな花も楽しみ。
すぐに二合目の案内板。この先、〇合目の表示が続いていく。しばらくは山腹を左手に向けてトラバース気味に進んでいくが、右手の山腹に取り付いてだんだんと傾斜は増し急登となっていく。ブナ林と針葉樹林帯が交互に現れるような林相。木の根が張り出して歩きにくい急坂。三合目では、東に霧ノ塔方面の展望が開ける。その後も急登が続くが、イワカガミ・ギンリョウソウ・シラネアオイ・ムラサキヤシオなどが道端を彩る。シャクナゲの木も多い。
傾斜が緩むと尾根にのったような感じになり、四合目。しばらくは穏やかな道が続く。五合目を過ぎて小鞍部を過ぎると、再び急登が始まる。六合目を過ぎると、樹林が低くなり展望が開ける。振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢コースの駐車場。汗を絞らされて残雪のある猿面峰(七合目)に到着。目の前には苗場山が大きい。北側だけは針葉樹林で隠されているが、開けている三方では苗場山へとつながる山稜が展望のあらかたを占めていて、この山の大きさをあらためて感じることとなった。下山は往路を戻った。途中、ひとりの登山者にも会わなかった。
(左)六合目上部で振り返ると鳥甲山。眼下には小赤沢駐車場。(右)猿面峰からは正面に苗場山が大きい。
2012年10月06日
小松原湿原(新潟県十日町市)
林道ゲート920-1100登山口1105-1115下ノ田代(分岐)-1157中ノ田代(分岐)1202-上ノ田代-1240小松原小屋1305-1320上ノ田代1330-1352中ノ田代(分岐)-1432下ノ田代(分岐)-1442登山口1446-1625林道ゲート
(左)林道ゲート。ここから長い林道歩き。(右)登山口には三角屋根のトイレ。登山口は前方右側の案内板の脇。
苗場山周辺の地図を広げるたびに気になっていたのが、苗場山の北側にある小松原湿原。ただ、アプローチがけっこう厄介で、津南町結東から5時間かけて登るか、グリーンピア津南から林道を南下しゲートから2時間の林道歩きを我慢するか。今回は後者を選択した。
林道ゲート前にある5台ほどの駐車スペースに車をとめて歩き始める。2時間かからずに何とか登山口に辿り着く。登山口には三角屋根のトイレも設置されている。倒れかけている案内板の横から木道をたどる。さっそく2~3の小さな湿原があらわれる。下ノ田代と呼ばれるところだと思う。湿原を囲む樹林には色づきはじめているものも多い。その先は鬱蒼としたブナ林の中、階段状の急登となる。汗を絞らされるところだが、ブナの美しさをここで味わえるとは思わなかった。
(左)下ノ田代から中ノ田代まではブナ林の中の急登が続く。(右)中ノ田代。
傾斜が緩むと中ノ田代と呼ばれる湿原。中規模な湿原が断続的に5つ6つあらわれる。この季節、鮮やかな花々は望むべくもないが、静かな樹林に囲まれた湿原の姿も神秘的である。その先は再び、階段状の登りとなる。傾斜が緩むと小さな湿原をかすめた後、上ノ田代の広大な湿原にとびだす。これまでの湿原はこれを見せるための前座だったと思わせるほどのもの。点在する池溏の数は30~40になろうか。晴れていれば、華やかで輝かしい広大な湿原を満喫できたのだろうが。ただ、ひっそりとした姿も味わいがあった。その先の小松原小屋(避難小屋)まで足をのばして、下山は往路を戻った。途中、出会った登山者は単独行2名のみであった。
(左)上ノ田代。(右)小松原小屋。
(左)林道ゲート。ここから長い林道歩き。(右)登山口には三角屋根のトイレ。登山口は前方右側の案内板の脇。
苗場山周辺の地図を広げるたびに気になっていたのが、苗場山の北側にある小松原湿原。ただ、アプローチがけっこう厄介で、津南町結東から5時間かけて登るか、グリーンピア津南から林道を南下しゲートから2時間の林道歩きを我慢するか。今回は後者を選択した。
林道ゲート前にある5台ほどの駐車スペースに車をとめて歩き始める。2時間かからずに何とか登山口に辿り着く。登山口には三角屋根のトイレも設置されている。倒れかけている案内板の横から木道をたどる。さっそく2~3の小さな湿原があらわれる。下ノ田代と呼ばれるところだと思う。湿原を囲む樹林には色づきはじめているものも多い。その先は鬱蒼としたブナ林の中、階段状の急登となる。汗を絞らされるところだが、ブナの美しさをここで味わえるとは思わなかった。
(左)下ノ田代から中ノ田代まではブナ林の中の急登が続く。(右)中ノ田代。
傾斜が緩むと中ノ田代と呼ばれる湿原。中規模な湿原が断続的に5つ6つあらわれる。この季節、鮮やかな花々は望むべくもないが、静かな樹林に囲まれた湿原の姿も神秘的である。その先は再び、階段状の登りとなる。傾斜が緩むと小さな湿原をかすめた後、上ノ田代の広大な湿原にとびだす。これまでの湿原はこれを見せるための前座だったと思わせるほどのもの。点在する池溏の数は30~40になろうか。晴れていれば、華やかで輝かしい広大な湿原を満喫できたのだろうが。ただ、ひっそりとした姿も味わいがあった。その先の小松原小屋(避難小屋)まで足をのばして、下山は往路を戻った。途中、出会った登山者は単独行2名のみであった。
(左)上ノ田代。(右)小松原小屋。
2012年09月01日
岩菅山(山ノ内町/栄村)
(左)ヤナギラン咲く寺子屋スキー場から左に東館山、右奥に焼額山。(右)稜線の向こうに岩菅山。
ゴンドラ東館山駅840-925金山沢の頭930-1040ノッキリ1045-1120岩菅山1145-1210ノッキリ-1310アライタ沢1315-1330小三郎小屋跡-1415一の瀬スキー場
岩菅山に登るのは2回目。前回はアライタ沢から登ったので、今回は寺子屋山経由。金山沢の頭からノッキリまでの稜線を歩いたことがないのが、ずっと気になっていた。
発哺に着いたら、まだ東館山ゴンドラが動き始める前だった。動き始めると同時に乗り込み、東館山へ。マツムシソウなどの花が咲く植物園の中を通って、両側が笹に囲まれたスキーコースの道を寺子屋スキー場のゲレンデへ。寺子屋スキー場のゲレンデにはヤナギランが咲き、向こうに焼額山が大きい。ゲレンデ最上部からは、樹林帯の登山道へ。クマザサと針葉樹林が周囲を覆う。道の真ん中に三角点があるだけの寺子屋山を経て、金山沢の頭へ。右は赤石山方面、今日は左へ向かう。
しばらく歩くと視界は開け、これから歩く稜線とその向こうに岩菅山がすっくと立ち上がっているのが見えた。右手奥は野反湖周辺の山々だろうか。しばらくは笹原と樹林帯が交互にあらわれるような稜線歩きだが、やがてお花畑が広がる。リンドウ・ハクサンフウロ・ツリガネニンジンなど、この稜線歩きは、大きなアップダウンもない。最後に大きなピークをひとつ越えて、アライタ沢からの道と合流するノッキリへ。ノッキリからが苦しいところ。徐々に岩がちな急登となり、息を整えながら登る。さっきまで晴れていた空は曇り、霧で視界は閉ざされてしまった。
(左)リンドウ咲く岩菅山への登山道。(右)霧に閉ざされた岩菅山山頂。
到着した岩菅山の山頂は展望ゼロ。それでも数組の登山者が小雨を避けて、避難小屋で昼食をとっていた。以前来たときから避難小屋は建て直されたようだ。下山はノッキリからアライタ沢方面にくだる。最初はこんな歩きやすい道だったかなと思ったが、途中からは階段状の急坂となった。上条用水に沿った水平道をひたすら歩き、一の瀬スキー場に出る。日差しが出てきた。車を回収するため、バスに乗って発哺まで戻った。
2011年08月28日
<群馬遠征> 八間山~野反湖周回(群馬県中之条町)
富士見峠1005-1040第1ピーク-1055第2ピーク(イカ岩の頭)-1125八間山1148-1243周遊道路-1300野反湖バス停-1310野反湖ロッヂ前1318-1335キャンプ場-1405エビ沢1415-1505富士見峠
野反湖の周囲の山々はすべて登った気になっていたが、よく地図を見ると八間山に登っていない。野反湖畔を訪ねた人がまず登ってみたくなる山。私も最初にこの地を訪れたときに途中まで登って湖を見下ろしたが、そのまま山頂まで登った気になっていたのかもしれない。いずれにしても登りに行かなければならない。長野原からR292そしてR405を北に向かう。
(左)八間山登山道。(右)八間山山頂。
道すがら妙に警官やパトカーの数が多いと思ったら、草津で静養中の天皇陛下(現在の上皇陛下)が野反湖畔をハイキングされるという。ただ、湖畔の散策とのことなので、八間山登山に支障はなさそうだ。ものものしい雰囲気の野反湖入口富士見峠駐車場に車をとめ、登り始める。笹原の中の道に沿って、ハクサンフウロやリンドウなど、晩夏のこの時期も花は多い。笹原の中の道ははっきりしている。
最初のピークを過ぎると、左手にザレ場を見たり、樹林帯を進むところなど変化も見せる。霧が濃くなり、山頂の方向はよく見えない。2つめのピークには「イカ岩の頭」の標柱が立てられている。最後はややきつい登りをこなせば、壊れかけた小屋(測候所の観測施設だったらしい)のある八間山山頂。霧で展望は皆無。下山は北へ向かう。こちらはしっとりとした針葉樹の樹林帯が続く。野反湖東側の車道に出て、野反湖終点バス停を経て、野反湖ロッヂの前へ。
(左)花畑が広がる。対岸の八間山は霧の中。(右)野反湖西岸のダケカンバの林。
ちょうど天皇陛下が野反湖西側の周回路から野反湖ロッヂに到着されるタイミング。警備の人に声をかけられ、関心はさほどないので固辞しようとしたが、促がされて20人ほどのお迎えする列に加わる。麦藁帽子をかぶりミレーのザックを背負った陛下は、ロッヂに入る前に我々に気さくに声をかけられた。「ダケカンバの林が綺麗でしたよ」と話された。
富士見峠まで行って車を回収しなければならないので、帰りのルートを決めかねていた私も湖西側の湖畔の道を戻ることにする。ところどころに花畑があるが、盛りを過ぎた感じ。やはり、ダケカンバの林相がことのほか美しい。対岸の八間山の上部は霧の中で相変わらず姿を見せない。霧でほとんど視界がなくなって、富士見峠にたどり着いた。
野反湖の周囲の山々はすべて登った気になっていたが、よく地図を見ると八間山に登っていない。野反湖畔を訪ねた人がまず登ってみたくなる山。私も最初にこの地を訪れたときに途中まで登って湖を見下ろしたが、そのまま山頂まで登った気になっていたのかもしれない。いずれにしても登りに行かなければならない。長野原からR292そしてR405を北に向かう。
(左)八間山登山道。(右)八間山山頂。
道すがら妙に警官やパトカーの数が多いと思ったら、草津で静養中の天皇陛下(現在の上皇陛下)が野反湖畔をハイキングされるという。ただ、湖畔の散策とのことなので、八間山登山に支障はなさそうだ。ものものしい雰囲気の野反湖入口富士見峠駐車場に車をとめ、登り始める。笹原の中の道に沿って、ハクサンフウロやリンドウなど、晩夏のこの時期も花は多い。笹原の中の道ははっきりしている。
最初のピークを過ぎると、左手にザレ場を見たり、樹林帯を進むところなど変化も見せる。霧が濃くなり、山頂の方向はよく見えない。2つめのピークには「イカ岩の頭」の標柱が立てられている。最後はややきつい登りをこなせば、壊れかけた小屋(測候所の観測施設だったらしい)のある八間山山頂。霧で展望は皆無。下山は北へ向かう。こちらはしっとりとした針葉樹の樹林帯が続く。野反湖東側の車道に出て、野反湖終点バス停を経て、野反湖ロッヂの前へ。
(左)花畑が広がる。対岸の八間山は霧の中。(右)野反湖西岸のダケカンバの林。
ちょうど天皇陛下が野反湖西側の周回路から野反湖ロッヂに到着されるタイミング。警備の人に声をかけられ、関心はさほどないので固辞しようとしたが、促がされて20人ほどのお迎えする列に加わる。麦藁帽子をかぶりミレーのザックを背負った陛下は、ロッヂに入る前に我々に気さくに声をかけられた。「ダケカンバの林が綺麗でしたよ」と話された。
富士見峠まで行って車を回収しなければならないので、帰りのルートを決めかねていた私も湖西側の湖畔の道を戻ることにする。ところどころに花畑があるが、盛りを過ぎた感じ。やはり、ダケカンバの林相がことのほか美しい。対岸の八間山の上部は霧の中で相変わらず姿を見せない。霧でほとんど視界がなくなって、富士見峠にたどり着いた。
2011年08月07日
破風岳~土鍋山(高山村/須坂市)
昨日は蒸し暑い中、長野市街でおこなわれた「びんずる祭」に付随する行事に参加しなければならなかった。少しは涼しいところへ行こうと思い出したのが毛無峠。上信県境をわたって行く風は、この季節でも冷気を含んでいるはずだ。毛無峠から登れるどの山に登るかは決めないまま家を出たが、意外に霧が多く、小毛無山・御飯岳方面は雲の中。目の前に見える手軽な破風岳に登ることにした。毛無峠周辺はラジコン飛行機を飛ばしている人が多かった。
破風岳に登るのは今回で3回め。クマザサの斜面にジクザグにつけられた登山道をたどると40分ほどで山頂に到達。晴れていれば素晴らしい展望が開けるはずだが、ほとんど雲に隠れている。これだけではとても登山と呼べないので、隣り合う土鍋山まで足を伸ばす。笹原からうっそうとした樹林帯へ。足元はぬかるんでいるところが多い。土鍋山の山頂は霧の中で視界は得られなかった。
ラベル:破風岳
2009年06月07日
黒湯山(高山村/群馬県嬬恋村)
登山口(吹上)1110-1150黒湯山山頂1225-1255登山口
(左)シャクナゲ咲く稜線から見た山頂。(右)山頂からは北側の展望が主となり、正面には笠岳。
稜線まで車で上り、たかだか40分も歩けば山頂についてしまう山なのでこれではとても登山とはいえないかも知れない。けれど標高が標高だから周囲の展望は素晴らしい。標高が2007mなので、それにあわせて数年前に上信国境を走る車道から山頂までの登山道が切り開かれたようだ。その恩恵にあずかろうという目算だが、そんなことでもなければすさまじい根曲がり竹に行く手を阻まれ、進むこともままならないだろう。高山村から万座を目指して上ってきた車道はここに至って、上信国境の概ね群馬側につけられているが、長野側に崩壊した谷が見えるところにある駐車スペースに車をとめ、すぐに稜線に取り付く。
振り返れば、御飯岳の大きな山容が広がっている。道はきれいに切り開かれ、ところどころシャクナゲの花が咲いている。左は深い根曲がり竹、右手は樹林帯。途中、小ピークを越えるあたりは笹が深くなり、道も不明瞭だが、稜線を進めば問題はない。最低鞍部から登り返せばあっという間に三等三角点のある山頂に到着。北側が切り開かれて、正面にはずんぐりしたかたちの笠岳が陣取っている。その他の方面は樹林越しの視界。徐々に雲が多くなり、展望も閉ざされがちになった。
*その後、笹刈りがされておらず登山道は消滅状態らしい。笹刈り直後でないと完全なヤブ漕ぎになると思われる。
(左)シャクナゲ咲く稜線から見た山頂。(右)山頂からは北側の展望が主となり、正面には笠岳。
稜線まで車で上り、たかだか40分も歩けば山頂についてしまう山なのでこれではとても登山とはいえないかも知れない。けれど標高が標高だから周囲の展望は素晴らしい。標高が2007mなので、それにあわせて数年前に上信国境を走る車道から山頂までの登山道が切り開かれたようだ。その恩恵にあずかろうという目算だが、そんなことでもなければすさまじい根曲がり竹に行く手を阻まれ、進むこともままならないだろう。高山村から万座を目指して上ってきた車道はここに至って、上信国境の概ね群馬側につけられているが、長野側に崩壊した谷が見えるところにある駐車スペースに車をとめ、すぐに稜線に取り付く。
振り返れば、御飯岳の大きな山容が広がっている。道はきれいに切り開かれ、ところどころシャクナゲの花が咲いている。左は深い根曲がり竹、右手は樹林帯。途中、小ピークを越えるあたりは笹が深くなり、道も不明瞭だが、稜線を進めば問題はない。最低鞍部から登り返せばあっという間に三等三角点のある山頂に到着。北側が切り開かれて、正面にはずんぐりしたかたちの笠岳が陣取っている。その他の方面は樹林越しの視界。徐々に雲が多くなり、展望も閉ざされがちになった。
*その後、笹刈りがされておらず登山道は消滅状態らしい。笹刈り直後でないと完全なヤブ漕ぎになると思われる。