2025年03月22日

鉢盛山 …野麦峠スキー場から(松本市/木祖村)

250322DSC01433x.JPG
鉢盛山の反射板から穂高連峰方面を前方に望む。

野麦峠スキー場(リフト2本:スカイライナー・スカイラビット乗継)ゲレンデ最上部858-1024小鉢盛山1026-1210鉢盛山1216-1219鉢盛山反射板1253-1256鉢盛山-1422小鉢盛山-1524ゲレンデ-1542スカイライナー山頂駅(リフトで下山)

山行記録でよく見かけていた野麦峠スキー場から鉢盛山に登る冬季限定ルートを歩いてみた。鉢盛山自体には、無雪期に黒川林道から登ったことがあるけれど冬の姿も見てみたい。野麦峠スキー場の営業は明日(3月23日)までなので、あわてて出かけた。リフト2本乗り継いで、ゲレンデ最上部へ。

250322DSC01369.JPG 250322DSC01382.JPG
(左)リフトを2本乗継ぎゲレンデ最上部へ。(右)リフトを降り乗鞍岳を望む。

ゲレンデを少し下ってから、右手の尾根道に入る。薄いトレースがあるがスノーシューで進む。強風が吹いているが、ひたすら樹林帯の尾根を歩くので危険は少ない。少しは樹間からの景色もあるけれど、ほぼ同じ風景の中を歩き続けるのがつらいところ。断続的な急登も挟みながら、いくつかのピークを越えて行くので、数字上の標高差で想定されるよりも消耗する。

250322DSC01390.JPG 250322DSC01400.JPG
(左)いくつもピークを越えて行く。(右)右手に鉢盛山が見える。

右手の樹間から、山頂に反射板がある鉢伏山が見えた。その先は似たようなピークが続き、中間点ともいえる小鉢盛山へ。大きく下ってから鉢盛山への急登が結構長く続く。小さな雪原が広がり、傍らの樹木に手製の山名標が付けられた鉢盛山に到着。そのすぐ先に反射板があり、そこから穂高連峰をはじめとする北アルプス方面の展望が広がる。

250322DSC01401a.JPG 250322DSC01419.JPG
(左)小鉢盛山。似たピークが続きわかりにくい。(右)鉢盛山への急登。

あいにく今日は北アルプスの稜線は雲に覆われてすっきりした眺めが得られなかったのは残念。復路にも、小鉢盛山への登り返しなど何箇所か登りがあるのでそれもこたえた。帰路は雪が踏まれたのでアイゼン装着。考えていたよりも時間がかかってゲレンデに戻り、ゲレンデ内を少し下ってスカイライナーの山頂駅へ。下山はこのリフトに乗車。

250322DSC01431a.JPG 250322DSC01439.JPG
(左)鉢盛山の山頂に到着。(右)反射板の広場から北アルプスを展望。

リフトの運行開始時刻(土休日8時半)や終了時刻(16時)に制約を受ける登山なので、やはりちょっと気ぜわしい。出会った登山者は20人くらい。リフトの時間があるので、どの登山者もほぼ似たような時間帯の登山になる。下山後はスキー場の少し下にあるウッディ・もっく(渋沢温泉・もっくの湯)で温泉に入ってから帰途についた。

250322DSC01465.JPG 250322DSC01515.JPG
(左)小鉢盛山を見ながら下山にかかる。(右)スカイライナー山頂駅に到着。

以前、無雪期に黒川林道から登った記録はこちらから
→ 「鉢盛山[旧波田町・黒川林道から](2018年10月21日)」 

[参考]
野麦峠スキー場リフト(リフト2本乗継。1回券5枚=1,500円が必要)
  下部のスカイライナーのみ下山時に乗車可能(下りは無料)。
渋沢温泉・もっくの湯(ウッディ・もっく) 410円

2022年10月08日

居谷里山(大町市)

居谷里湿原駐車場1330-1354居谷里山1401-1422居谷里湿原駐車場

221008DSC08047x.JPG 221008DSC08055x.JPG
(左)居谷里湿原入口。(右)居谷里山の山頂。

居谷里湿原は何回も訪れているが、そのすぐ横にあるこの山には登ったことがない。居谷里湿原から西に登って行く破線が地形図にはあるので、これをたどればすぐに山頂に登れると思って、歩きはじめた。居谷里神社の裏あたりから斜面に取付こうとしたが、踏み跡は不明瞭。ヤブの少ないところを狙って、左の植林帯へと巻き気味に進む。最後は急斜面をヤブ漕ぎで登り、尾根上の林道へ這い上がる(よい道があって、それを見逃しただけかもしれない)。

すぐに左の登山道に入り、わずかに進めば居谷里山の山頂。あいにくの曇り空だが、晴れていれば後立山連峰が望めると思う。樹間からは木崎湖が見えた。復路は林道をもう少し南まで下ってから、左手に入る明瞭な道を下った。赤テープも随所についていた。居谷里湿原側から登るならこの道がいいと思う。

221008DSC08056x.JPG 221008DSC08060x.JPG
(左)山頂から西側の展望。(右)下山に取ったコースは明瞭。

2022年03月17日

ハト峰[山形村の清水高原登山口から](山形村/朝日村/松本市)

220317DSC02813a.JPG 
「展望台」から北アルプスを望む。

清水高原登山口722-759展望台802-823山形村最高地点833-911「1846ピーク」-1000ハト峰1020-1110「1846ピーク」-1143山形村最高地点1155-1218展望台1240-1329清水高原登山口

ハト峰への道は最近では深い笹藪に覆われていて、無雪期には猛烈なヤブ漕ぎをしないと登れないという話を聞いた。そのため、登らなくてもいいかなと、思っていた。しかし先日、この残雪期に登ったという登山記録を見つけ、それを参考に訪れてみることにした。登山口は山形村最奥部にある。蕎麦店が並ぶ唐沢集落から山中に入り、山形村が運営する宿泊施設「スカイランドきよみず」を目指す。

220317DSC02800.JPG 220317DSC02810.JPG
(左)清水高原登山口。(右)雪の上をスノーシューで歩く。最初は道標もある。

「スカイランドきよみず」の前を左折し、別荘地の中を進むと登山口。4台分ほどの駐車スペースがある。「清水高原登山道」の案内板があるが、掲載されているのは山形村最高地点まで。歩きはじめてすぐに、雪が増えたのでスノーシューを装着。唐松や雑木の中を登れば、途中、最高地点まで案内板も随所に。何日も前のものと思われるトレースがあるが、ところどころ不明瞭で踏み抜く。

220317DSC02820.JPG 220317DSC02827.JPG
(左)「展望台」から穂高連峰と槍ヶ岳を望む。(右)山形村最高地点。

道が溝状になった先で「展望台」に到着。目の前が開け、少々見慣れない角度の北アルプスの展望が開ける。穂高連峰から槍ヶ岳、蝶ヶ岳・大滝山あたりを挟んで常念岳。その先、踏み跡がやや不明瞭な斜面を登って「山形村最高地点」へ。ベンチの傍らに鐘が設置され、「山形村のてっぺん」と書かれている。西側の樹林の切れ間から乗鞍岳を望むことができた。

220317DSC02831.JPG 220317DSC02835.JPG
(左)西側樹間から乗鞍岳を望む。(右)櫓の立つ1774三角点。

ここで稜線に乗り左折。すぐに櫓のある1774三角点。その先は唐松林の中のやや単調な道程。亜高山的な針葉樹林やダケカンバの美林と植生が変わるのに気持ちを紛らわす。ところどころ笹藪が顔を出しはじめている。踏み跡を見失いあらぬ方向に足を踏み出すと膝上まで踏み抜き、立て直すのにひと苦労。緩やかに1846ピークを越え、1921標高点にはダケカンバの大木。

220317DSC02845a.JPG 220317DSC02852.JPG
(左)1912付近のダケカンバの大木。(右)ハト峰手前。雪庇も張り出している。

山頂手前では左手のダケカンバ林の際には雪庇ができていた。緩やかな最後の登りをこなせばハト峰山頂に到着。ヤブっぽい山頂かと思っていたが、小広場になっていて、南東側の展望が開けているのが嬉しい。正面は経ヶ岳だろうか。その右手に雪を被った木曽駒方面。左手奥に霞んでいるのは南アルプスか八ヶ岳か。手製の山名標がいくつか、傍らの唐松に括り付けられていた。

 220317DSC02865a.JPG 220317DSC02878.JPG
(左)ハト峰山頂。南東側が開けている。(右)中央アルプスを遠望。

下山は往路をそのまま戻った。帰りは気温が上がったためか、いっそう踏み抜く頻度が高くなり時間がかかった。今日の状態ではスノーシューがないと厳しいと思う。雪の上を歩けるいまの時期が、この山の登山適期だったのかもしれない。やや不明瞭ながらトレースがあったので助かった。

220317DSC02863.JPG 220317DSC02968a.JPG
(左)手製の山名標もいくつか。
posted by 急行野沢 at 21:00| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2021年05月03日

なめしあたま~黒沢ダム~松本駅(安曇野市/松本市)

210503DSC05800x.JPG
「なめしあたま」山頂直下。

三郷スカイライン展望台先(舗装終点)917-1014なめしあたま(1725三角点)1021-1103送電巡視路に合流-1113「No.76鉄塔」-1135「No.78鉄塔」1201-1212「No.79鉄塔」-1224黒沢ダム上(林道に出る)-1430梓川倭交差点-1548合同庁舎-1622松本駅

目的のひとつは「なめしあたま」。三郷スカイラインの先のヤブがちな寂峰。もうひとつは松本駅までのロードで赤線をつなぐこと。ただ、登りは最初の1時間程度で、あとは下りとなる行程が後ろめたい。今回は大糸線一日市場駅からタクシーを奮発。三郷スカイライン最上部の展望台先(舗装終了地点)まで入ってもらう。冷沢への林道から左に別の林道が分岐する地点、その間の尾根を登り始める。

210503DSC05783.JPG 210503DSC05788.JPG
(左)左右林道の間の尾根を登る。(右)笹に覆われた尾根を登る。

防火帯のような尾根上は笹やカヤトが繁り、踏み跡は薄い。途中2箇所ほど、廃林道と交差する広場状の平地がある。ひたすら急登が続く。予想より踏み跡は薄く笹は深い。振り返ると安曇野の平地がずっと下に見える。標高1640付近で勾配は緩み尾根はやや左に向きを変える。林道を横切り深い笹の中を進み、三角点のある「なめしあたま」山頂に到着。展望は樹間から黒沢山方面に続く山並みが見える程度。

210503DSC05807.JPG 210503DSC05813.JPG
(左)「なめしあたま」山頂。(右)ヤブ漕ぎで尾根を下る。前方に安曇野の平地。

稜線伝いに西へ「かねうち」「ますがた」方面に進むのはピークハンター向け。今日は黒沢ダムに向けて南に下る。明瞭な尾根だが、踏み跡のないヤブ漕ぎ。途中、急勾配で直進が難しくなり、やや東の斜面を滑るように下ったが、少し回り込んでも尾根筋を下るのがいいと思う。青テープが示している。ほどなく廃林道に出るが、この林道も深い笹に覆われている。途中、左手から廃林道が1本合流。

210503DSC05821.JPG 210503DSC05823.JPG
(左)送電巡視路に合流し歩きやすい道に。「なめしあたま」を振り返る。(右)No.76鉄塔付近。

標高1,500m付近で左手から送電巡視路が合流。三郷スカイラインから山腹を巻いてきた道と思われる。いままでのヤブ漕ぎが嘘のような歩きやすい道。1479を緩やかに過ぎ、No.76鉄塔あたりは白樺などの林相も美しい。その先は、送電巡視路特有のプラ階段の急な下りが続く。1257脇のNo.78鉄塔で休憩。樹間から望めるのは黒沢山方面か。さらに下り、金松寺山方面を望むNo.79鉄塔で右折。

210503DSC05833.JPG 210503DSC05838.JPG
(左)プラ階段の急な下り。(右)No.78鉄塔。樹間に黒沢山方面。

ジグザグに下って林道に降り立ち、しばらく進むと黒沢ダム。ここまでの山中では、当然ながら他の登山者と会うこともなかった。巡視路部分は歩きやすく、ハイキングコースになり得るのではないか。あとは赤線つなぎの目的のために、安曇野から松本平西部を歩いて松本駅までロードをこなす。暑くも寒くもなく、前方に美ヶ原方面の山並みを眺めながら、淡々と歩くのも悪くはなかった。

210503DSC05839.JPG   210503img328.jpg
(左)No.79鉄塔。前方は金松寺山方面か。

[参考]タクシー(一日市場駅~三郷スカイライン展望台) 6,140円
posted by 急行野沢 at 22:00| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2020年12月05日

鍬ノ峰[仏崎観音寺から](大町市)

201205DSC09246x.JPG
鍬ノ峰から蓮華岳・爺ヶ岳方面の展望。

仏崎観音寺740-750鐘突堂-901渋澤東三角点(1209m)-929「1292標高点」-1015「1526標高点」1020-1100鍬ノ峰1142-1215岩場左巻く-1243常盤登山口-(車道)1511仏崎観音寺

初冬の北アルプスを眺望したいと考え、鍬ノ峰に登ることにした。北アルプス前衛の里山。以前、南側の常盤登山口から登ったので、今回は北側の仏崎観音寺から登る。ややハードなコースで、ロープ設置の急登や岩場も何箇所か。道形は明瞭ながら、樹林帯を黙々と登る。やや雲が多かったが、山頂から餓鬼岳・蓮華岳・爺ヶ岳などを展望できた。

201205DSC09174.JPG 201205DSC09186.JPG
(左)鐘突堂上部の岩場から平地を展望。(右)ロープ設置の急登も何箇所か。

仏崎観音寺付近の空地に駐車。杉林が覆う観音寺にお参りをし、本堂左奥の防獣柵から「鐘突堂」の標識に従い石段を登る。尾根突端の鐘突堂から見おろす平地は霧が覆う。左折して赤松と砂礫の尾根を登る。所々、岩頭を巻きロープ設置の急登。955ピークで右折。緩やかな道の後、ロープの急坂を登り、主稜線に登り着いて左折。すぐ1209(渋澤東三角点)だが、三角点は見つけられない。

201205DSC09191.JPG 201205DSC09209.JPG
(左)1209ピーク。(右)1526ピーク。いずれも樹林に囲まれ展望なし。

薄暗い樹林帯を進み1250m圏ピークで左折。1292前後からシャクナゲが増える。東側から寒風が吹き、足元は薄雪で滑りがち。道脇に笹が増え、木の根の段差の急坂を挟みながら、緩急の登りで1526ピークへ。ここも樹林の中で展望なし。その先の小ピークでようやく山頂方向が樹間に見えた。積雪が増えたが1~2cm程度。最後はようやく展望が開けた笹原を緩く登って鍬ノ峰山頂へ。

201205DSC09233.JPG 201205DSC09248.JPG
(左)山頂直下の笹原で展望が開ける。(右)鍬ノ峰山頂。餓鬼岳・唐沢岳・七倉ダムが見える。

やや雲が多いけれど、目の前に餓鬼岳と唐沢岳、その右下に七倉ダム。さらに北葛岳・針ノ木岳・蓮華岳・爺ヶ岳を見渡す。北信五岳は雲に霞んでいるが、四阿山・浅間山も展望できた。山頂には2組4人の先客。下山は南の常盤登山口へ。しばらくは笹と疎林越しに展望が続く。やはりこちらがメインルートの雰囲気。

201205DSC09240.JPG 201205DSC09267.JPG
(左)山頂から四阿山・浅間山方面。(右)下山途中にもロープのある岩場。

南峰(1560m圏)直下にはロープのある岩場があり、その先では足元が切れ落ちた岩場を巻く場所が2箇所。こちらも急坂が続く。右折して尾根から外れれば次第に道は歩きやすくなり、送電鉄塔を過ぎて常盤登山口へ。車を回収しなければならないけれど、適当な交通手段もないので、東側山麓の里道を仏崎観音寺まで2時間半歩いて戻った。

201205DSC09276.JPG  201205img304.jpg
(左)常盤登山口に到着。
posted by 急行野沢 at 22:00| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2019年05月19日

三才山周回ルート[戸谷峰~六人坊~烏帽子岩](松本市)

190519DSC07600a.JPG
林道の途中から北アと右手に戸谷峰・六人坊を展望する。

三才山出合ドライブイン815-917尾根にのる(戸谷峰0.7km道標)-950戸谷峰1016-1053[R73鉄塔]-1130六人坊1155-1214三才山峠(林道蝶ヶ原線)-1244烏帽子岩入口-1256烏帽子岩1308-1346[三才山一の瀬1.5km]道標-1428防獣柵-1438三才山出合ドライブイン

戸谷峰には10年以上前に野間沢橋からの往復で登ったことがある。槍穂高の展望が素晴らしかった。その後、さまざまな登山記録を見ると、戸谷峰から尾根伝いに六人坊・三才山峠・林道・烏帽子岩、そして一の瀬へ周回できることがわかり、いつか歩きたいと思っていた。もう少し早い季節に歩く予定だったが、汗ばむ季節になってしまった。

190519DSC07463.JPG 190519DSC07478.JPG
(左)国道の向こう側一段上の防獣柵が登山口。(右)新緑の登山道。

国道254号を松本から三才山トンネルに向かう。途中の右側にある三才山出合ドライブインの広い路側スペースの片隅に駐車。今回の登山口は、道のすぐ北側にある防獣柵。戸谷峰を経て保福寺側まで「美ヶ原高原ロングトレイル」として松本市により整備されている。道は新緑の雑木林の中、山腹を右へと巻き気味に一定の勾配で登って行く。

190519DSC07497.JPG 190519DSC07507.JPG
(左)岩の尾根上を直登。(右)フデリンドウ咲く尾根。

標高1170mを過ぎて道は左の山腹へとジグザグに登る。左右に所々ガレ場をかすめる。右への斜上トラバースを経て、尾根にのり左折。新緑の尾根はほっとさせるが、すぐ岩がちの急登に。直登気味から少しずつ折返しは長くなり、標高1500m付近で右に大岩を見た後は、足元にイチリンソウやフデリンドウが咲く緩やかな尾根。左にトラバースして南西側の尾根にのり、右折すれば戸谷峰山頂。

190519DSC07502.JPG 190519DSC07549.JPG
(左)山頂直下は落葉の広尾根。(右)戸谷峰の山頂。北ア展望にはやや樹木が邪魔。

戸谷峰山頂は周囲の木々が育ち、槍穂高への視界が悪くなったようだ。北アの稜線は雲に隠れ気味で、しばらく待っても晴れない。東の樹間には六人坊方面が望める。戸谷峰から東へ急下降。徐々に傾斜は緩み、L75鉄塔の下へ。右に野間沢橋への道を見送り、ここからは道標のない尾根を進む。意外と踏み跡は明瞭。右・唐松、左・雑木の尾根を小さな起伏で進む。

190519DSC07555.JPG 190519DSC07577.JPG
(左)前方に六人坊を見て尾根を進む。(右)六人坊の山頂。

1503を過ぎ、R75鉄塔の鞍部からの登り返しが急登。右手は赤松が多くなる。痩せた尾根で1562を越えて、六人坊への登りも足元石ゴロ、踏み跡錯綜する急登。勾配が緩み三角点と手製のプレートがある六人坊の山頂。樹林の中だが、南側の赤松の間から袴越山が見える。緩やかな道で、山名標もない三才山を過ぎて三才山峠で林道に降り立つ。

190519DSC07582.JPG 190519DSC07610a.JPG
(左)三才山山頂。(右)道脇のリスを目にした。

ここからは林道を南下し、烏帽子岩入口まで30分ほど。途中、北アと戸谷峰・六人坊を見返す展望ポイントが1箇所。林道脇にリスの姿も目撃。「烏帽子岩0.4km」の道標で右折。気持ちよい新緑の道はすぐ急登に。「烏帽子権現」の鳥居と祠があり、その先の岩場から見おろすと、烏帽子岩がすっくと立ち上がっている。思っていた以上の奇岩。

190519DSC07635.JPG 190519DSC07637.JPG
(左)烏帽子権現の鳥居と祠。(右)烏帽子岩を見おろす。

烏帽子岩入口からは再び「美ヶ原高原ロングトレイル」なので、道は整備され歩きやすいが見どころは少ない。概ね尾根の右は新緑の唐松、左は雑木に赤松が混在する道には足元にスミレ咲き、小ピークを巻いて緩やかに進む。「三才山一の瀬1.5km」の案内板で道は2分。どちらも変わらないだろうが、左へ。谷に向かってジグザグに急下降してから、右折してトラバースとなる。

ヒノキ林に入ると残りわずか。作業道から舗装道に出て防獣柵を過ぎ、右の一段高い国道へ上がれば出発点のドライブインに戻り着く。長年懸案だったルートを歩くことができた。雑木や唐松の新緑、足元の花々も美しかったが、展望が得られる場所がやや少なかったのが残念。他の登山者には、ひとりも出会わなかった。

190519DSC07655.JPG 190519img001a.jpg
(左)唐松林を下る。歩きやすい道。
posted by 急行野沢 at 22:00| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2019年05月16日

祠峠から保倉山(松本市)

190515DSC07393x.JPG
落葉の尾根に出ると反射板を示す案内板。

大野川登山口(駐車場所)1017-1115祠峠1126-1155「保倉山反射板」案内板-1213保倉山1234-1243「保倉山反射板」案内板-1305祠峠1311-1350登山口

宮坂七郎著「新版・信州の山/中部上巻」に掲載されていて、登ってみる気になった山。ネット上にも登山記録がほとんど見あたらない。祠峠には三木秀綱の伝説が残るため、むしろ歴史探訪としての記録が見られる。こんな薮山に登るには、少々季節は遅すぎた感じだった。

190515DSC07357a.JPG 190515DSC07360a.JPG
(左)登山口。ガードレールの間から左下に下る。前方案内板の前に駐車。(右)鉄橋を渡り峠道を進む。

国道158号を前川渡の信号で左折し、乗鞍高原に向かう県道84号に入る。信号から2km少々で左手に「乗鞍高原 施設案内」という案内地図がある路側余地。ここに駐車。まずは祠峠を目指す。少し戻って、ガードレールの間から南東に下る道に入る。左手に墓地と蔵、その先、右手に住宅を見て鋭角に曲がり、前川を鉄橋で渡る。

190515DSC07367a.JPG 190515DSC07370a.JPG
(左)乗鞍岳を望む。(右)壊れた鳥居と祠。

鉄橋の先で左折してすぐに小さな沢を渡り、左へ巻いて登る。古い峠道らしく、歩きやすい道の付け方。しかしいまは倒木や崩れがちの箇所も多い。折返して右下に沢を見て登る。電線が頭上を横切る箇所で、残雪の乗鞍岳を望む。さらに折返しを挟みながら、沢の右岸を進む。支沢を渡った箇所に壊れた鳥居と祠。その先、シダ類が足元を覆う。

周囲は雑木・唐松・杉・檜などが混じり、頭上にずっと電線が走る。滑る斜面で支沢を渡り、崩壊地の上を巻く。唐松が多くなる。右下の沢は、ここまで来ても水流があるのが驚き。1時間ほどで祠峠に到着。峠には鳥居や社や石碑があるけれど、倒木や壊れた建物もあり少し雑然としている。保倉山へは社の裏から右へ明瞭な踏み跡があった。

190515DSC07372.JPG 190515DSC07384.JPG
(左)峠道はやや荒れ気味。(右)祠峠の鳥居と社。

一部、不鮮明な場所もあるが、丁寧に九十九折を重ねて踏み跡は続く。枝が散乱して歩きにくいが、周囲は気持ちよい唐松の新緑。足元にはスミレの花。勾配が緩み尾根に突き当たった箇所に「保倉山反射板」の案内板がある。ここで左折した尾根は、落葉雑木林の雰囲気がほっとさせる。ひと登りで前衛峰1520mに到着。鞍部に下り、登り返しは二重山稜。下草もなく雑木の明るい斜面。

190515DSC07389.JPG 190515DSC07400a.JPG
(左)保倉山へは唐松林に踏み跡を追う。(右)鞍部から保倉山へ明るい雑木の山腹を登る。

どこでも登れるが、右手の尾根を登り、低い笹に覆われた保倉山の山頂に到着。一番高みに埋もれるように三角点、その東側に反射板。東方向に鉢盛山・ハト峰、さらに鉢伏山が展望できる。その先の美ヶ原は雲に霞んでいる。反対側は樹林に囲まれ、木の間に乗鞍岳が認められる程度。下山は往路を戻った。ヤブっぽい山ではあったけれど、山頂付近の明るい雑木林は気持ちよかった。

190515DSC07414.JPG 190515img001.jpg
(左)保倉山山頂の反射板から前方にハト峰が見える。
posted by 急行野沢 at 00:13| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2018年10月21日

鉢盛山 [旧波田町・黒川林道から](松本市/朝日村/木祖村)

181021DSC02910.JPG
鉢盛山山頂付近の反射板から北アルプスの展望

登山口732-810波田町避難小屋820-840朝日村分岐-930鉢盛山避難小屋-937鉢盛山(~反射板)1005-1011鉢盛山避難小屋1019-1101朝日村分岐-1116波田町避難小屋1140-1210登山口

信州百名山や三百名山に名を連ねる鉢盛山。登山そのものより、登山口までのアプローチに苦労する印象が強い。朝日村側からの林道が長らく通行止めらしいので、旧波田町の黒川林道から入ることにした。夏頃に偵察した際には笹が道を覆っていたが、ネットの登山記録を見るとその後笹刈りされたようなので登りに出かけた。

181021DSC02837a.JPG 181021img001a.jpg
(左)登山口。右手の林道に進む。

新島々駅近くのコンビニで黒川林道ゲートの鍵を借りる。国道158号から黒川林道に入り、ゲートを開けて車を進める。舗装箇所もあるが、落石でパンクしないように慎重に進む。1時間ほどで登山口へ。車2台分ほどのスペースがある。「登山口」の標識に従って、折り返す林道の続きを歩く。軽四駆なら走れるかと思われる林道は笹と唐松に囲まれ、今朝の冷え込みで霜柱が見られる。

181021DSC02848.JPG 181021DSC02853.JPG
(左)波田町避難小屋。(右)笹刈りされたダケカンバの中の登山道。

3回折り返して歩けば、波田町避難小屋の前に出る。少し周囲は開けて穂高・槍が木の間に見える。その右手のハト峰には手が届きそうだが、いまは登山道も深い笹に覆われてしまったらしい。小屋の左から笹刈りされた登山道に入る。笹刈り後の歩きにくさはあるものの、緩急の登りはダケカンバから針葉樹林に入っていく。程なく朝日村側からの登山道が合流。切開きから中ア・南ア・八ヶ岳が望める。

181021DSC02860.JPG 181021DSC02866a.JPG
(左)朝日村分岐から中ア方面が見渡せる。(右)深い針葉樹林帯の道が続く。

その先、左手に唐松の紅葉や笹原越しに展望が開けた後は、深い針葉樹林帯の緩やかな道。山腹の左を巻いた後、九十九折の急登で尾根上に登る。1~2cmの薄雪が道を覆う。傾斜が緩めばぽっかりと周囲が開け、権現の庭という小湿地。針葉樹林帯を進めば、すぐに鉢盛山避難小屋が左手にあらわれる。ジグザグの急登で鉢盛山の山頂に到着。三角点といくつかの祠がある。周囲は小高い樹木に遮られて展望はよくない。

181021DSC02879a.JPG 181021DSC02881a.JPG
(左)周囲が開け、権現の庭。(右)鉢盛山避難小屋は樹林の中。

その先、平坦路を数分進めば反射板が立つ広場に出る。ここは絶景。目の前に穂高・槍・大天井から常念へと、少々見慣れない角度で北アルプスの連なりが広がる。左には乗鞍と御嶽。右手の北信の山々や八ヶ岳方面は薄雲に霞んでいる。下山は往路をそのまま戻った。途中、出会った登山者は1組2人のみ。ほぼ針葉樹の山なので紅葉のはなやかさはなかったが、秋晴れの中、ところどころの展望を楽しむことができた。

181021DSC02883.JPG 181021DSC02899.JPG
(左)鉢盛山山頂。展望はよくない。(右)山頂先の反射板の広場から絶景が広がる。
posted by 急行野沢 at 22:02| Comment(0) | 登山(白馬山麓・安曇野・松本平) | 更新情報をチェックする

2016年04月24日

金松寺山~天狗岩(松本市)

金松寺の先・林道獣柵前駐車840-928林道終点933-1040巻道分岐-1053金松寺山1058-1120小ピーク[1730m]-1203天狗岩山頂1253-1319金松寺山西側分岐-(巻道)-1328北側分岐1332-1413林道へ出る-1456駐車場所

松本平の西端に乗り出すような山容の金松寺山。古刹・金松寺ウラの里山といった風情だが、さらに西にある天狗岩を結んで歩けばなかなかの山行となる。

160424CIMG4077.JPG 160424CIMG4088.JPG
(左)金松寺の先の獣除けゲート(開閉可能)。脇に3台ほどの駐車スペース。(右)林道終点。道標に従って右手の山道に入る。

旧波田町の大久保集落を過ぎ金松寺の横を通って、すぐ先の獣除け柵の前に駐車。3台ほどの駐車スペースがある。柵は開閉でき、その先にも数台の駐車スペースはある。舗装林道を10分ほど歩けば、鍵付きのゲート。ここからはダートの林道をたどる。倒木が何箇所も道をふさいでいるが歩くのに支障はない。林道終点からは道標に従って右手の山道へ。

沢沿いに登った後、水道水源の標識で右折。右手から高巻いて源頭の上部を越える。その先に少々超えるのに苦労する倒木。道は沢を離れ、大きく折り返しながら適度な傾斜を続けて山腹を登っていく。よく踏まれ歩きやすい道。周囲は手入れの行き届いたヒノキ林。送電巡視路の案内板とともに登山道を示す標識も数箇所。獣除けの扉も2箇所。右への長いトラバースがあって唐松林になると、金松寺山山頂への尾根道と巻道の分岐。往路は左折して直登し、金松寺山の山頂へ。

160424CIMG4110.JPG 160424CIMG4128.JPG
(左)ヒノキ林の中を登る。途中、獣除けの扉が2箇所。(右)金松寺山山頂。樹林の中で展望はない。

金松寺山山頂には山名標もなくベンチが樹林の中にたたずむ。金松寺山からは、暗いヒノキ林とうってかわって、落葉した唐松林と熊笹の明るい道へと雰囲気が変わる。おだやかに進んだ後、ちょっとした登りがあり1730m圏のなだらかな小ピークを越え、その後は尾根上にしばらく緩やかな道が続く。この季節なら左右に木の間越しの展望もあり、気持ちのよいところ。尾根はやや右に曲がり勾配が増す。稜線に登りつけば右手に一面の白樺林が広がる。

160424CIMG4149a.JPG 160424CIMG4165.JPG
(左)天狗岩への登り。右手に白樺林が広がり、気持ちのよい道が続く。(右)三角点がある天狗岩山頂。唐松の木の間から、鉢盛山・御嶽・乗鞍・奥穂などの展望。

最後は尾根上を一直線にたどるような急登で、山上台地の東端にたどり着き、ゆるやかに進めば左手に天狗岩。そのすぐ先に三角点のある天狗岩山頂。天狗岩からは眼下に松本平、目の前に鉢盛山が大きく、右に雪を被った御嶽・乗鞍。場所を山名案内板のある三角点に移すと、そのほかに北西に涸沢カールが霞み、奥穂がぼんやりと見えた。

下山は往路を戻った。途中、金松寺山には寄らず北西側の巻道を使う。途中出合った登山者は2組だけ。天狗岩からの展望は薄雲がかかっていまひとつだったが、晴れていれば素晴らしいのだろう。金松寺山から天狗岩への道は明るく、気持ちよく歩くことができた。

160424CIMG4185.JPG 160424img001.jpg
(左)天狗岩から松本平を見下ろす。雲が多く展望はいまひとつ。

2016年02月28日

富士塚山・福寿草(松本市旧四賀村) 東城山(松本市)

小瀬バス停1104-1116錦織神社-1134林道-1142富士塚山1201-1225小瀬バス停-福寿草群生地(一周約35分)
金華橋1338-1349あずまや-1412東城山(林城跡)1436-1446舗装車道(大嵩崎集落上)-1510金華橋

160228CIMG2434.JPG 160228CIMG2438.JPG
(左)富士塚山へ。赤松の尾根を登り、幟立石柱の先から左へトラバース。(右)林道の先は桜並木の尾根道が整備されている。

暖かな気候で雪が少なく、スキーよりも里山歩きに出かけたいという気分。松本周辺の里山を歩きながら、福寿草のようすを見てこようと出かけた。いずれも30~40分程度で登れる里山である。

まずは、福寿草で知られる旧四賀村赤怒田(錦織の里)の北にある富士塚山。保福寺峠に向かう道の小瀬バス停近くに駐車。北側の集落内に入り、獣除けのフェンスを開けて、錦織神社の鳥居の前に立つ。ここから舗装された急坂を上って、錦織神社の立派な社殿の前に出る。社殿の左から裏へと回り込んで、赤松の尾根をたどる。「茸止山」の掲示が随所にあるので、松茸の季節は避けたい。少し南側の視界が開け、幟を立てる石柱が道に左右にあらわれる。その先、左へと斜面をトラバースしていけば、やがて林道に出る。林道を右に歩くと富士塚桜公園という石碑があり、そこからは桜並木の整備された道が山頂まで続いている。

山頂には南に向いた鳥居と祠、さらに東を向いた祠も。アンテナ等とソーラー発電装置。周囲が切り開かれて、この標高の山としては展望がよい。おもに東と南が開けている。南東方向に見えるのは戸谷峰か。東に見える滝山連峰が意外なほど立派だ。「北アルプスが見える」という記録を見ことがあるけれど、薄雲に隠れている。木々が育ったせいか、西側で遠望が利く箇所はわずかだから、晴天でもさほど期待できないだろう。下山は往路をもどった。

160228CIMG2443.JPG 160228CIMG2486.JPG
(左)周囲が切り開かれた富士塚山山頂。前方には滝山連峰が見える。あいにく北アルプスの展望はなし。(右)福寿草の群生地では、この暖かさのせいか、花が咲き始めていた。

下山後、福寿草の群生地を見て回る。保福寺川に沿う平地の反対側(南側)の北斜面に花が咲いていて、周回する遊歩道が整備されている。この暖かさのせいか、思ったよりも咲きはじめていた。福寿草まつりは3月12日~22日とポスターにあったけれど、それよりも咲き始めは早いようだ。

160228CIMG2505.JPG 160228CIMG2511.JPG
(左)金華橋南東にある東城山登山口。「林城跡」と書かれている。(右)尾根道の先にあずまや。

続いて、松本市街地の東にある東城山へ。小笠原氏が林城という山城を築いたところで、案内板も東城山よりも林城跡(小笠原氏城跡)などの方が幅を利かせている。金華橋付近の邪魔にならない場所に車をとめ、橋の南東から登りはじめる。登山口には案内板があり、またポストの中に散策マップも用意されていた。はじめは雑木の中のジグザグの登り。1ヶ所松本市街地を見おろす眺望が開ける。やがて赤松の尾根道となって、あずまやがあらわれる。

その先もよく踏まれた赤松の中の道。林道を横切って、左に再びあずまやを見ながら石段を登れば、東城山山頂の広場に到着。赤松林の中で展望はない。周囲の掘割なども含め山城の雰囲気が感じられる。下山は、「大嵩崎(おおつき)」という案内標識にしたがって南へ降りる。尾根を右手に外れてジグザグに下ればあっという間に車道に降り立つ。大嵩崎(おおつき)の集落の中を下って、金華橋にもどった。

160228CIMG2519.JPG 160228img002.jpg
(左)東城山の山頂広場(小笠原氏の林城跡)。